山歩き

柴木…三段峡…古屋敷…内黒峠
2022/6/12

柴木…三段峡…横川出合…本横川…古屋敷…旧道…展望所…内黒峠…内黒山…薮ヶ迫山…柴木

■内黒山(ウチグロヤマ)1082m:広島縣山縣郡戸河内町字柴木(三角点なし) (安芸太田町)
■薮ヶ迫山(ヤブガサコヤマ)1050m:広島県山県郡安芸太田町大字柴木字宮里山(点の記)

霧のしわぎと柴木橋
柴木川第一発電所
電気柵の入口にモノレールが通る
三段峡入口 赤滝通行不可
姉妹滝
龍ノ口
兜岩
赤滝
コンクリート壁崩壊地点
トンネルを抜ける
皆実高校遭難碑
女夫淵
石樋
崩壊地点 ぐるの瀬付近
ぐるの瀬
ぐるの瀬方向へ通行規制
渡船場入口
黒淵荘に架かる橋
仏岩
蛇杉橋
南峰橋
トンネルの倒木
耶源
ミズナシ川
葭ヶ原
楓林館跡
猿飛渡船場
横川出合
幸橋
河内神社
弥五郎碑
アサ谷
魚切滝
古屋敷橋手前から旧道に入る
ワタン谷の木橋
イヨキリ谷の橋跡
高い石垣の旧道
砥石川山と中山 旧道の展望地から
県道の展望所
加藤武三碑
内黒山道標
薮ヶ迫山
宮里山造林地標識
倒木が道を塞ぐ
内黒山登山口
5:15 柴木 気温17度 晴れ
 

6:15 黒淵
7:35 葭ヶ原
7:55 猿飛
8:10 横川出合
9:00 本横川
9:05 魚切滝
9:20 古屋敷
10:20 展望所
10:35 内黒峠
10:50 内黒山
11:00 薮ヶ迫山
12:25 内黒山登山口
12:45 柴木

 しわぎ橋左岸の駐車場を出発。柴木集落は深い霧に覆われている、気温17度。左岸の道を進む。柴木川第一発電所の横を通る。川沿いにウツギが咲く。山側へ入るとモノレールが通っていた。電気柵入口の真ん中を通り、導水管の西側を工事用のモノレールが上がっていた。

 赤い長淵橋に進むと、入口に「赤滝 災害につき通行不可」の看板が立ててあった。姉妹滝へ進む。龍ノ口の落口が大分後退しているように思われる。以前は姉妹滝の辺りに落ちていた記憶がある。テイカカズラの花がたくさん落ちている。ヤマアジサイが咲く。

 兜岩を過ぎて、薄霧の中に庄兵衛岩が見えてくる。赤滝を過ぎた先で通行止のバリケード。バリケードの先で崖崩れがあり、遊歩道のコンクリート壁が一部壊れていた所にコーンが渡してあった。そこからほどなくトンネルを通り、皆実高校遭難碑に進む。

ヤマアジサイ
シライトソウ
エゴノキ

 女夫淵を回り、石樋に進む。関付を回った所で、山が崩れ山肌が茶色にむき出しになっていた。ここはよく崩れるところである。前方に天狗岩が見える。関付の対岸には塔岩、二谷の落ち口が見える。関付の下に白く泡立つぐるの瀬。崖崩れの先にバリケードが置かれている。シライトソウが多い。

 蓬莱岩を過ぎた先にイノシシが落葉を掘り返した跡が続く。黒淵渡船場に本日休業の看板。坂の遊歩道を進む。見上げると青空が見える。ヤマシグレが咲く。黒淵に砂が溜まっているのが見える。苔むした急な登りの遊歩道は滑りやすい。3年前、ここで滑落事故があった。

 遊歩道のピークに進むと、眼下に黒淵へ渡る橋が見える。岩崖の真下に黒淵荘がある。ダンコウバイが葉を広げる。ナガバモミジイチゴの黄色い実。トリアシショウマ、コガクウツギ。雌滝、雄滝へ進む。ウワバミソウが花を付ける。仏岩を回る。ウリノキの花。テイカカズラの落花。ハイイヌガヤの実。ユキノシタ、クサアジサイ。大きいヤマナメクジが遊歩道を山側へ歩む。

ヤマナメクジ
ヤマシグレ
コガクウツギ

 滑りやすい蛇杉橋、南峰橋を渡る。ヤマツツジが残る。大淵で一休み。トンネルの手前に倒木。出入口の両側に落石があったようだ。遊歩道のピークに蔵座林道の終点に出る踏み跡がある。王城の谷に巨石が座る。耶源の岸壁を見てミズナシ川に出る。葭ヶ原の小屋に進む。

 柴木川を渡ると三ツ滝への分岐。猿飛まで1km。この辺りの横川川は浅く、渡渉できる。そこからほどなく楓林館跡。昭和初期に横川の住民が営業していたが、昭和33年に解体された。猿飛の渡船場に進むと、本日の受付終了のプレート。

 遊歩道を登ると、眼下に三艘の舟が見える。白く泡立つ二段滝が見える。コアジサイが咲く。3時間ほどで横川出合。田代川に架かる橋の階段で一休み。ウツギ、コアジサイが咲く。ここまで三段峡の気温は18度を越えることはなかった。

ウリノキ
ユキノシタ
イタヤカエデ

 横川川左岸の車道を進む。エゴノキの花がたくさん落ちている。幸橋にアワブキが咲く。ハウチワカエデのプロペラの実。棘の無いアサクラザンショウに実が付いていた。ノイバラ、ミズタビラコ、オオバアサガラ、エゴノキ、チャルメルソウ、ヤグルマソウ、ウワミズザクラ、マムシグサ。

 モリガ谷左岸落口のスギ林下に河内神社が見える。そこからすぐ先に弥五郎碑がある。横川の由来が記されている。アサ谷に細い滝が落ちている。大規模林道に出るが気温は19度。畠にアヤメが咲く。川沿いにアワブキ、イタヤカエデの実。

 茂った林の間に魚切滝が見える。クマシデの実が下がり、ヤブデマリが実を付ける。横川水位観測所を過ぎて、川沿いにウワミズザクラの実、アサガラの花。道路沿いにマムシグサ。横川出合から1時間ほどで古屋敷、古屋敷橋の手前が旧道入口、草が茂る。

アワブキ
アサクラザンショウ
ウワミズザクラ

 旧道に入る。コアジサイが咲く。スギ林下の道は涼しい。気温19度。ワタン谷の右岸に高い石垣が見える。木橋を渡り、道は石垣の上を通る。エンレイソウが咲く。イヨキリ谷に橋跡の石垣が残る。高い石垣の上に旧道が通る。落石の間を通る。伐採地に出ると、手前に中山、左に砥石川山が見える。ニガナが咲く。

 モリガ谷へ降りる分岐道はササが茂っている。旧道もササが伸び始めている。湿地にミズタビラコが咲く。オオ谷水源に木橋が架かる。1時間ほどで展望所に出ると日差しが暑かった。日陰で休む。砥石川山、比尻山を望む。内黒峠の加藤武三碑に進む。

 登山道の樹林に入ると涼しい。ササユリが一輪咲いていた。内黒山手前の道標に進む。そこから10分ほどで薮ヶ迫山(宮里山)。道標は地面に朽ちてバラバラになっている。三角点は内黒山雨量観測局の横のササの中にある。サワフタギが咲く。ツクバネソウ、ホウチャクソウ。作業道が尾根に接する所から山道は東側に入る。ササユリが咲く。宮里山造林地の標識。

 落葉の中からギンリョウソウが出ている。倒木が道を塞ぐ。ツルアリドオシが咲く。朽ちた大木が道を塞ぐ。植林地を下る。分岐に内黒山の道標。トリアシショウマが咲く。車道に出ると内黒山まで2時間半の道標がある。日が照る車道は暑かった。20分ほどで駐車場に帰着。

ササユリ
ツルアリドオシ
サワフタギ
ギンリョウソウ
ツクバネソウ
ウツギ
コアジサイ
ヤマツツジ
ハイイヌガヤ
コケイラン
ハウチワカエデ
ノイバラ
チャルメルソウ
ヤグルマソウ
アヤメ
クマシデ
ヤブデマリ
マムシグサ
エンレイソウ
ニガナ
ミズタビラコ
トリアシショウマ

 

 ■地名考

 恐羅漢山 そかひ山=幻の山

 
「西中国山地」では恐羅漢山の別名ソカヒ山を幻の山としている。

 「『芸藩通志』(1825年)の戸河内村絵図にヲソラカン山≠ニあり、山林の項の十方山の所に『一に西十方をおそらかん山とよぶ、日本興地図に、石見界に高山そかひ山としるすは、おそらかんのことなるべし』とあるのはよく知られている」(「西中国山地」)。

 「日本興地図の他に、1834年(天保5年)に刊行された山崎松居『大日本興地便覧』やそれより三年遅れて出版された地図帳、青生東谿『国郡全図』(1837年・天保8年)にもソカヒ山とある。これらの絵地図からは、『芸藩通志』の編者のように『おそらかんのことなるべし』と言い切ることはとてもできない…目下のところソカヒ山は調べようがなく、幻の山というほかない」(前同)。


 そかひ山が記された絵地図、古文書

 (新刻)日本與地路程全図(ニホンヨチロテイゼンズ) 
 長久保玄珠(赤水) 1775年出版
 (京都大学附属図書館)

八ハタ原、戸川内、ソカヒの地名が見える


 日本輿地路程全図 長玄珠 [図]
 1775年出版 (早稲田大学図書館)

八幡原の地名 ソカイ山が安芸・石見の境にある


 増訂大日本輿地全圖
 逸見豊次郎 1849年
 (筑波大学)

八幡原、長谷の地名 ソカヒ山


 増訂大日本國郡輿地路程全圖
 長[久保] 玄珠](赤水) 原図 1852年出版
 鈴木 驥園 増訂
 (横浜市立大学)

長谷、戸河内の地名 ソカヒ山


 銅鐫大日本國細圖
 1865年
 (筑波大学)

長谷、底見の地名 ソカヒ山


 『日本地名箋』のソガヒ山 1874年

ヤマガタの項に背向山(ソガヒ)
ソカヒ山をはじめて漢字で表記


 『芸藩通志』1825年

「日本興地図に、石見界に、
高山そかい山としるすは、
おそらかんのことなるべし」

 

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カシミール3Dデータ

総沿面距離20.1km 標高差758m

区間沿面距離

柴木
↓ 9.0km
横川出合
↓ 3.2km
古屋敷
↓ 3.1km
内黒峠
↓ 1.2km
薮ヶ迫山
↓ 3.6km 
柴木
 

 
 
 
 
柴木川第一発電所
龍ノ口落口
石樋
天狗岩と崖崩れ
黒淵懸崖
仏岩
横川出合
砥石川山と中山 旧道の展望地から
砥石川山と比尻山 県道の展望所から
  
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)