山歩き

中津谷…小川林道…冠山…魚切林道
2022/5/4

中津谷…488号線…小川林道…ホン谷…水源碑…源流碑…冠山…魚切林道…ササゲ峠…41番鉄塔…中津谷

■冠山(カムリヤマ・コウソンカムリ)1339m:広島県佐伯郡吉和村字吉和西(点の記) (廿日市市)

488号線入口 中津谷
中津谷川
不栗付橋
国道損壊地点
中津谷川
中津谷川の鉄橋
オモ川と小川川の合流点
出合橋
小川林道のゲート
左岸へ渡る
ミズノミ谷
左岸のワサビ田
左岸のワサビ田
奥出合橋
コブドチ谷
ウマダテ橋
毛部田橋
ケブタの谷
ウシロカムリ山
冠山
小川林道終点
林道から登山道に入る
ホン谷
冠山・広高山分岐
水源を渡る
ホン谷水源標柱
冠山登山道に出る
フカ谷水源 源流碑
冠山
広高山の右後ろに大神ヶ岳
恐羅漢山と十方山
女鹿平山と吉和の里
クルソン分岐
下のクルソン分岐
魚切林道に出る
林道から登山道へ降りる階段
魚切林道を進む
林道から東尾根に入る
ササガ峠
地籍図根三角点
40番鉄塔へ道が降りている
41番鉄塔からスギ林を下る
スギ林を下る
国道に出る
6:00 中津谷 気温3度 晴れ
 

7:00 出合橋
7:45 奥出合橋
8:20 ウマダテ橋
8:55 小川林道終点
9:40 ホン谷の水源碑
9:50 源流碑
10:15 冠山
10:50 クルソン分岐
11:05 下のクルソン分岐
11:15 魚切林道
11:45 林道から尾根へ
12:00 ササゲ峠
12:30 877ピーク
13:00 41番鉄塔 
13:35 488号線
13:40 中津谷 


 吉和の屋外スピーカーが6時を告げる。気温3度で冷える。488号線入口は車両通行止のゲート。眼下の中津谷川に白波が立ち、水量が多いようだ。日が射す山にミツバウツギ、ウワミズザクラが咲く。スギ林下の車道にシャガ、イチリンソウが咲く。チドリノキに花が下がる。

 不栗付橋を渡る。ミツバウツギが多い。ガマズミはツボミが出ているが、オトコヨウゾメは咲いている。道路損壊地点はまだ崩れたまま。カツラの葉が出ている。川沿いにウワミズザクラが満開、ヤマフジが咲く。サカサデノ谷は水量が多い。鉄橋を過ぎると、岩場にキシツツジが見える。

 オモ川、小川川の分岐に出る。左岸に「一級河川太田川水系中津谷川」の標柱が見える。出発から1時間ほどで出合橋、ヤマフジが咲く。橋を渡ると小川林道の標識がある。小川川左岸の林道を進み、右岸に渡る。左の魚切林道も小川林道もここから先で車止めの鎖とゲートがある。

チドリノキ
チドリノキ
ミツバウツギ

 右岸の林道を進む。ハウチワカエデが咲く。ガマズミはツボミ。3号橋を渡り左岸へ。キケマン、イチリンソウ、ミツバウツギ、ラショウモンカズラが咲く。ミズノミ谷を過ぎる。ワサビを栽培している谷がある。舗装路を進む。ワサビの花が咲いていた。出合橋から45分ほどで奥出合橋。気温9度。橋の下の谷にワサビの葉が出ていた。

 林道はシラグチ谷に入る。タチカメバソウが咲き、ニシノヤマタイミンガサが出る。ワサビに食痕がある。大堰堤が左岸に見える。コブドチ谷を過ぎる。冠山公益保全林の道標を過ぎるとウマダテ橋が見える。キブシが咲く。ウマダテ橋の上流で小川川とケブタの谷が合流する。

 ウマダテ橋のヤマブドウに花芽が出ていた。キブシ、エンレイソウが咲く。トチノキの若葉がまだ傘を閉じている。クロモジが咲く。林道沿いにワサビの花が咲いている。ケブタの谷をUターン、1032ピークを回り込むとウシロカムリ山が見える。展望地に上がると冠山が見える。出発から3時間ほどで小川林道終点。気温17度。

林道終点の鳥の巣
ガマズミ
オトコヨウゾメ
タチカメバソウ

 終点に鳥の巣が設置されている。クマ注意の標柱。林道から山道に入ると冠山登山道の道標がある。タチカメバソウ、エンレイソウが咲く。木の階段を登り、広高山、冠山の分岐に出る。登山道を進み右岸に渡る。途中、谷で一休み。

 谷を進む。カタクリの花が残っていた。水源の谷を渡るとほどなく水源標柱に出る。林道終点から45分ほど。15年前にここに来ているが、まだ標柱に文字が残っていた。今は朽ちた木が立っているだけ。水源の山道を進む。この辺りにもカタクリが残っている。エンゴサク、ミヤマカタバミが咲く。

 冠山と寂地山を結ぶ登山道に出る。源流碑で一休み。登山道を進む。オオカメノキが咲く。源流碑から20分ほどで冠山。出発から4時間。気温22度。北の展望地にオオカメノキが咲いていた。今日は見通しが良い。左から広高山、赤谷山、大神ヶ岳、千両山、坊主山、春日山、広見山、旧羅漢山、恐羅漢山、苅尾山、十方山、市間山、立岩山、日の平山、女鹿平山、吉和の里とその上に続く峯が見える。

ヤマフジ
ハウチワカエデ
ワサビ

 登山道を下る。オオカメノキが咲く。ユキザサはまだツボミ。ニシノヤマタイミンガサが多い。山頂から30分ほどでクルソン分岐。さらに15分ほどで下のクルソン分岐。冠山から1時間ほどで魚切林道。砂利道に日が照って暑い。気温23度。日陰で一休み。途中、舗装路になる。アブラナが群生する。この辺りではガマズミは咲いている。

 30分ほどで林道から東の尾根に入る。広葉樹の林を進み、ササゲ峠を通る。かつてはトロン谷、ササゲ峠、ウシオ谷を結ぶ山道があったようだ。トロン谷落口の中津谷川には木橋があった。ササゲ峠から少し登ると「吉和村地籍調査 地籍図根三角点」の標柱がある。

 40、41、42番鉄塔を結ぶ分岐に出る。マムシグサが生える。分岐に標柱があり、40番鉄塔へ道が降りている。41番鉄塔へ進む。鉄塔の下を通り、スギ林の尾根を進む。尾根は薮になっている。チゴユリが咲く。下るに連れ倒木と薮になる。倒木の無い東側の尾根へ進む。尾根に入ってから2時間ほどで488号線に降りた。


カタクリ
カタクリ
サルメンエビネ
ヤマブドウ
クロモジ
ミヤマシキミ
ヤマエンゴサク
ムラサキケマン
キケマン
ユキザサ
オオカメノキ
ガマズミ
シャガ
イチリンソウ
ヤマネコノメソウ
オトコヨウゾメ
キシツツジ
ヒメレンゲ
ニシノヤマタイミンガサ
チドリノキ
エンレイソウ
キブシ
マムシグサ
チゴユリ
満開のウワミズザクラ

 
 ■地名考

 吉和の冠山=カムリヤマ

 「冠山の山名の初見は『吉和村御建野山腰林帳』(1725年)と思われる。『高そん加むり山、この山の内。来留尊佛と申石御座候』と記されている」

 「『芸藩通志』(1825年)吉和村絵図に初めて初めて<冠山>の字が使われている。

 『吉和村絵図』(江戸末期)には片仮名で<カンムリ>とあり、その奥に<ウシロカムリ>の山名が見える。

 冠山はカムリ山でなく<カンムリ山>と呼び、後冠山は<ウシロカムリ山>と呼んでいたようだが、この呼称は、現在も汐原・中津谷で使われている」

 「冠山は山頂の北面に懸崖があり、周辺の山々から眺めた場合、すぐそれとわかる特徴的な山容をしている。『芸藩通志』の佐伯郡山林の項に

 冠山、吉和村の西南にあり、山の形状、冠に似たり

 とあるとおり、冠山という山名は明らかにピークの名として付けられ、山の形が山名となったものである。<後冠山>は、『冠山の後方にある山』という意で、この山には懸崖はない」(「西中国山地」桑原良敏)。


 「西中国山地」「吉和村誌」によると、冠山、後冠山の山名は次のようになっている。

★高そん加むり山(吉和村御建野山腰林帳・1725年)

★かむり山(下調べ書出帳吉和村・1819年・吉和村誌)

★冠山(芸藩通志・1825年)

★カンムリ(吉和村絵図・江戸末期)

★ウシロカムリ(吉和村絵図・江戸末期)

 時代順に考えると冠山の呼称は、はじめ「カムリヤマ」と呼ばれ、後に「冠山」の字が当てられ、「かんむりやま」と呼ぶようになった。


 才乙の冠山=カムリヤマ

 才乙の「冠山」も、元の呼び名は「かむり」と呼ばれ、地元では「かぶりやま」と呼ばれている。

 「『国郡志御用に付しらべ書出帳・大利原』(1819年・文政2年)に1002.9m峯を<大かむり>、その西の916m峯を<小かむり>としてある。『書出帳・草安村』には916m峯を<小かむり>と記され、いずれも平仮名である」

 「島根県側の『旭町史』には<大かぶり><小かぶり>の山名が使われている。周辺の谷、谷中、大利原、才乙の古老数名から聞き取りを行なったが、島根県側も広島県側も<大カブリ><小カブリ>の山名が使用されていた」(「西中国山地」)。


 島根県瑞穂町の冠山=カフリヤマ

 「冠山の呼び方の特殊な例をこの山の北東、島根県の石見町と瑞穂町の町界にある冠山・859m峯に見ることができる。この山は『石見外記』(1820年・文政3年)に<カフリ山>または<カウムリ山>と記され『島根県誌』(大正12年)には<コーブリ山>とルビがふってある。現在も<コウブリ山>と呼ばれている」(「西中国山地」)。


 出雲風土記に冠山=カガフリヤマ

 出雲風土記に冠山がある。出雲風土記、神門郡の山野にある冠山は「かがふりやま」と読む。

 出雲風土記原文
 冠山 郡家東南五里二百五十六歩。〔大神之御冠〕

 訳
 冠山 郡家の東南五里二百五十六歩の所にある。〔大神の御冠(みかがふり)である。〕

 出雲風土記の冠山の由来は、大神の「みかがふり」ということから、山の形が大神の冠に似ているので冠山と呼んでいる。


 古事記の御冠=ミカガフリ

 古事記に「みかがふり」がある。「次に投げ捨てた御冠(みかがふり)に生まれた神の名は、 飽咋(あきぐひ)のウシノの神」とあるように、冠(かんむり)の意として使われている。


 万葉集の可賀布利=カガフリ

 万葉集に「かがふり」がある。

 歌番号892
 麻被 引可賀布利(原文)
 あさぶすま ひきかがふり(かな)
 麻ぶすまをかぶる(かける・ひっかぶる)(訳)

 「かがふり」はかぶる、掛けるの意。

 上代語「かがふり」は、以下のように音韻変化したと思われる。

 かうぶり

 こうぶり・かんむり

 かふり・かぶり・かむり


 万葉集(4238)に「かづらかむ」がある。「かづらを付ける」の意である。


 アイヌ語カムレ

 kamure (kamu-re) カムレ 
 〜に〜をかぶせる

 sikakamure (si-ka-kamure) シカカムレ
 自分・の上に・かぶせる

 kamu-re カムレ
 かぶせる・おおう

 toy-kamure トイカムレ
 土・をかぶせる

 si-ka-kamure シカカムレ
 自分・の上に・かぶせる

 tek-u-kamure テクカムレ
 手を・互いに・合わせる(かぶせる)


 上記の例から次のようにあらわすことができる。

 ka-kamure-i
 カ・カムレ・イ=カカムリ
 上・にかぶせる・もの

 「カカムリ」は古代語「かがふり」に近い。
 「カカムリ」が「カガフリ」に転訛したとも考えられる。

 「カガフリ」は「上にかぶせるもの」の意であり、「かんむり」「かぶる」の意となった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

カシミール3Dデータ

総沿面距離17.0km 標高差727m

区間沿面距離

中津谷
↓ 3.4km
出合橋
↓ 5.5km
小川林道終点
↓ 2.1km
冠山
↓ 2.2km
魚切林道
↓ 3.8km 
中津谷
 

 
 
 
 
小川林道から冠山
冠山から
広高山 赤谷山 大神ヶ岳 三坂山 千両山 坊主山
冠山から
坊主山 春日山 広見山 旧羅漢山 恐羅漢山 苅尾山
冠山から
恐羅漢山 苅尾山 十方山
冠山から
市間山 立岩山 日の平山 女鹿平山
488号線入口から 中津谷川と大槇山方向
  
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)