6:40 滝山橋南駐車地 気温4度 晴れ
6:55 滝本ダム
7:35 上部水槽
7:50 五輪山登山道
8:20 作業道
9:00 阿正谷入口(社)
9:15 安中谷入口
10:25 安中集落
11:30 林道
12:00 鹿篭頭
12:10 鹿篭頭かじや跡
12:35 鹿龍頭橋
12:55 猪山・鹿篭頭分岐
14:05 垰
14;40 寺屋敷林道終点
15:00 4番鉄塔
15:30 サージタンク
15:45 導水管上部
16:35 車道
16:50 駐車地
滝山橋を渡り左岸を下る。滝山川発電所横を通り、しばらく進むと滝本ダムに出る。滝本ダム排砂ゲートを過ぎると地蔵さんが祀ってある。そこからすぐに送電線鉄塔に上がる山道が入っている。対岸に滝本集落が見える。ヤブツバキが咲いている。23標柱があり、さらに登ると24標柱がある。
植林地とササ原の間を登る。振り返ると鉄塔と集落が見える。竹林の手前に傾いた木橋が架かっている。竹林の中にイノシシが掘り返いした跡がたくさんある。鉄塔の横に出て、さらに植林地を登る。分岐の東側を登ると石垣の上に出る。
滝本ダムプレート |
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ヤブツバキ |
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頭上に大岩が迫る右側を登る。平坦地に出て東へ進むと高い石垣があり、建物の基礎が残っていた。そこは導水管の上に位置する。平坦な横道を南へ進む。分岐をさらに進むと、加計発電所から上がる導水管の水槽施設に出た。この上部水槽は縦10m、横43m、高さ4.8mあるという。
引き返して植林地の分岐を登る。上部に「火の用心」のプレートが見える。急坂を登り、五輪山の登山道に出た。出発からここまで1時間ほど。登山道を少し進むと4番鉄塔への標柱がある。送電線鉄塔を結ぶ山道を登る。石垣の上の4番鉄塔下に出る。さらに進むと分岐に出る。この道は南側の登山道に合流する。
4番鉄塔下の石垣 |
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5番鉄塔下の木橋 |
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分岐からすぐ5番鉄塔の下に出る。木橋を渡り、さらに進むと6番鉄塔の上に出る。そのまま山道を進み作業道に出た。作業道の上に車が止まっていた。薮だらけだった作業道が改修され、さらに上へ延伸しているようだった。轍が走る作業道をジグザグに下る。展望地に出るがガスで見えない。眼下にダンプが1台、ゆっくりと上がってくるのが見える。
茶色に膨らんだスギの雄花が山全体に見える。下るに連れて遠くが見渡せるようになる。7番8番を示す標柱がある。ゼンマイの新芽が土から顔を出している。阿正谷集落に出る手前に、天竺苑跡地の石碑があった。天竺地蔵尊が祀られている。阿正谷集落を眼下に見ながら車道を下る。百々山が見える。白梅が咲いている。
434号線の社に出る。車道沿いの日当たりにホトケノザ、ウツボグサが咲く。急傾斜地工事中の鳥屋地区から安中谷へ入る。ユズが実を付ける。川土手にフキノトウが出る。橋を渡り左岸を進むと滝がある。谷沿いにヤブツバキが咲く。長谷造林地の標識がある。長谷は少し上流の谷名である。長谷手前に朽ちた木橋が架かっている。
長谷橋に「あんちゅうがわ」と書かれていた。西平事業地の標識がある。西平は右岸の地籍名である。左岸の山はコケの付いた角礫で覆われていた。U字カーブ地点に小屋があり、丸太が並べてあった。カーブを進むと「道路開通碑」の石碑があった。カーブを上がり切ると、開けた畑があり奥に民家がある。
長谷橋 あんちゅうがわ |
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安中集落 |
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阿正谷のウメ |
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ホトケノザ |
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安中 民家跡 |
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段々の石垣の間を奥へ進む。車が2台停まり、その先で終点。この辺りが安芸太田町と北広島町との境界。石垣下の枝薮を進む。キハダの実がたくさん落ち、ノウサギの糞がかたまってあった。谷の奥へ続く山道を見つけるまで右往左往する。民家跡の石垣の上を山道が通っており、奥に入ると山道が明瞭になってくる。民家跡にはセメントの台所やゴエモン風呂が残っていた。
山道に雪が残っていた。途中、谷を少し進むと左岸道に出る。少し進むと右岸に道が変わる。植林地に入り、雪の残る峠を越すと、植林道を緩やかに下る。イノシシの足跡がある。林道は西側から北へ通っている。西側には途中まで道路図があり、そこまでつながっているかもしれない。西側の猪山までの近道になる。
林道を北へ真直ぐ進む。分岐をさらに北へ進むと広い伐採地に出た。平見谷事業区の標識がある。伐採地の林道の両側に丸太が積まれ、重機が停まっていた。林道はひどくぬかるんでいた。伐採地のアセビの花芽は小さかった。後山事業地の標識がある。コナラにクマ棚があった。
鹿篭頭に出ると分岐に石垣があった。分岐を東側の水源へ進む。分岐左岸は広い平坦地で川沿いに石垣があり、ススキ原になっている。小滝を過ぎると、上流に石垣が続く。コンクリートの橋を越えて川が流れる。鹿篭頭かじや跡はススキ原だった。地図の破線の山道を北へ入る。北側の雪の下り路は薮になっていた。薮を抜けるとイノシシの箱罠が仕掛けてあった。
橋を渡り民家横に出る。車道を西へ進む。林道猪山線の標識があり、その先、鹿龍頭川に鹿龍頭橋が架かる。「かろうずはし」と書かれている。畑の法面にオオイヌノフグリが咲く。南の林道へ入る分岐に進むと通行止めの標識がある。カロウズ川上流に広い平坦地が広がっていた。
北へ進む川沿いにアテツマンサクがたくさん咲いている。鹿篭頭集落入口の右岸には大きい石垣がある。猪山事業地の標識がある。鹿篭頭・猪山の分岐に出る。鎖止めの車道を猪山へ進む。コナラの林の中にカシワの木があった。鹿篭頭・猪山分岐から1時間ほどで垰集落の墓所。車道を下り民家横に下りると、けたたましく3匹の犬が吠える。垰の畑に水が張ってあった。
鹿篭頭の民家 |
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鹿篭頭橋 |
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鹿龍頭川 |
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キハダ |
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ノウサギの糞 |
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垰集落 |
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カエルの卵 |
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林道寺屋敷線起点に進む。墓所の横から大箒山方向の伐採地の峯が見える。林道を進み、梅の里の上を通り、梅の里へ下りる階段道に出る。上空に送電線が見える。起点から30分ほどで寺屋敷林道終点。23番鉄塔下を通り、作業道を進む。開地から加計の街が見える。道の水溜まりにカエルの卵があった。
梅の里分岐からヒノキ林を登る。五輪山が見えてくると標柱のある分岐。4番鉄塔へ下る。急坂を3番へ下る。3番から少し下った所に展望地がある。2番鉄塔の先に滝山川と街が見える。さらに急坂を下りサージタンクの上に出る。朽ちかけた鉄の階段を下り、タンクの下へ出る。2番鉄塔の下から百々山が見える。2番鉄塔の先は滝山、高鉢山側が開けている。導水管横の階段を下り、1時間余りで車道に出た。
朽ちた鉄の階段を下る |
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サージタンク横の階段 |
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アテツマンサク |
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アテツマンサク |
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サルトリイバラ |
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コガネネコノメソウ |
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ミツバツチグリ |
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アセビ |
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カシワ |
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アカシデ |
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オオイヌノフグリ |
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ミスミソウ |
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ミスミソウ |
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ミスミソウ |
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■地名考
阿正谷の天竺苑跡
『天竺地蔵尊由来』石碑より
「往古より山陽山陰を結ぶ連絡道に
猪山郷経由の大道あり 五輪山山径の
峠に寺屋敷の地名あり この天竺苑
の真向かいに寺畑の地名あり 寺畑の南
方角に天竺畑という頂上平坦にして展
望全絶佳なる小山あり 比の地より町営
天竺苑北側宇城家の所有地に遷座す
昭和六十一年秋彼岸
中世以前の起源にして〇〇伝説に拠る」 |
安中谷
安中谷の長谷橋に「あんちゅうがわ」と書かれている。地形図や安芸太田町では「あんじゅう」「あんぢゅう」と仮名書きされているが、『ほのぎ』地名(寛永地詰=1638年)では、「あんちう」となっている。「あんちう」が古い呼び名と思われる。
鹿篭頭
カロウズ川に架かる橋には、「鹿龍頭橋」「鹿龍頭川」となっている。『書出帳』(1819年)では「鹿龍津」となっている。
「とごうち石の文化」から
(戸河内町教育委員会・戸河内町郷土史研究会)
猪山大歳神社
社殿改築が寛文5(1665)年との記録があるが、石段の年代は不明
金屋子神祠
猪山大歳神社裏山
石灯篭(明治12年)
猪山大歳神社参道
猪山地蔵堂
猪山大歳神社参道入口
地蔵菩薩、不動明王、道祖神、鉄山の守り神
道祖神
造立、亨徳3(1454)年、緑岩製
裏面に「京吉田関上」とあり、二体とも剃髪し、僧衣をもとい、合掌した僧の像で、京から移り住んだ人が運んで来たものと伝えられている。
地蔵(猪山)舟形光背、浮彫立像、70cm
地蔵(猪山)舟形光背、浮彫立像、30cm
自然石板碑(いたび)(垰)
板碑は中世に見られる板状の石を用いた供養塔。正面に「南無阿弥陀仏」、側面に「信者日田嶋三郎」と刻んである。昔の往還道の道端にある。
石灯篭
平見谷大歳神社
造立、宝□元年(宝永元=1704)年と考えられる。
狛犬(昭和30年=1955)
平見谷大歳神社
大歳神社創建650年を記念して奉献された。創建713年になる。
地蔵 畑ヶ谷
とごうちの民話
第11話:滝の金毘羅神の話(平見谷)
寿永二年(1183)、安徳天皇がおしのびでこの地に来られたとき、道中、次々と川に渡ることが多いので、京都からお供して来た金毘羅神を、平見谷の滝の上にまつられました。
安徳天皇の身代わりというのは、あちこちによくありますが、私は、所の爺さんに聞いたことを話します。京都から三次を通って大朝に出たとき、夜が明けたから「おおあさ」と言われたので
”大朝”。
平見谷に着いたとき、滝の上の山頂に金毘羅神をまつられたが、そこから見ると、谷が平たく見えるので、「平らな谷よのう」と言われ、”平見谷”(ひらみだに)となったそうです。
その後、畑ヶ谷を下ると”王渡り”(おうわたり)。小さな原に出たで”小原”(こばら)。また、細い道を通ったので”細見”(ほそみ)。何日か泊まられたところを”王泊”(おうどまり)といいます。
王泊ダムの左側の山、泉水山(せんすいざん)の上に登り、日が暮れたところを”大暮”(おおぐれ)といい、奥に入ると”御前滝”(ごぜんたき)があり、また奥に入ると”生御前滝”があります。
その後、金毘羅神のご神体が何者かに盗まれたそうですので、後のご神体を朴(ほお)の木で刻んだそうです。平見谷ではそれ以来、朴の下駄は作らないそうです。
※この話で出てくる地名は、現在、広島県山県郡内の各町で使用されている町名や字等です。
(猪山 佐藤滝仁)
『芸藩通志』戸河内村絵図の地名
猪山、追付郷、平見谷、畑谷、黒瀬
盆徳滝
大仁古(鬼後)
建 江平山(ゑの平山)(榎平山)
『ほのぎ』地名(寛永地詰=1638年)
猪山のほのぎ名
あらい川、あんちう、やすね田、きつなか谷、こさこ、しんぎょうか垰(垰)、はた、むかいた、ゑの平、山ね、上山根、大にこ、大井川、中きれ、中の原、鳥目、かきの木た、弐つ町、桧木谷
ねね、かすね田(葛根迫)、むかい田
「大にこ」は「鬼後」
「しんぎょうか垰」は「垰」
平見谷のほのぎ名
おつけ谷、くろせ、こたわ、こみ山平、なかえ、はたか谷、まき迫、まつか谷、よこみち(上、小たき)、家の上、小田、道の上
戸河内村山帖の山名(享保10年=1725)
猪山 ゑの平山、大原山、中ノ原山
(ゑの平山は榎平山か、芸藩通志では江平山)
平見谷 後山、原山、上野山
近世後期の戸河内村編成
(『夏上納并御免割帳』文久3年=1863)
平見谷組の郷 安中、勝僧、平見谷
猪山組の郷 猪山
『手鑑帳』の村境の地名
『手鑑帳』(正徳5年・1715年・戸河内町大歳神社蔵)に戸河内村と橋山村、細見村、小原村の境が記されている。
「一、橋山村境、小板ヶ原分上り尾辻迄峯水走り限り、松原分上り尾辻よりいゝの山さげの尾ぜうとく垰こせぎ垰、しゝごやの尾下垣内谷迄峯尾限り、それより下垣内谷限り、本川へ出少し上り境原谷、それより赤瀧中代頭迄弥七郎谷しもの尾限り、中代頭より助右衛門落仁蔵垰迄道限り、それより雨堤の峯水走り限り、猪山分牛首大田押の尾続き、尻はどろくふち限り、黒瀧山分峯水走り限り
一、細見村境、猪山分平見谷分大渡り迄大川限り
一、小原村境、平見谷分大渡りより畑ヶ谷迄川限り次第に小谷限り、それよりくびれを越え、それより谷を少し下り、それより谷を少し上り、僧ヶ墓迄大道限り」
一、溝口村境、平見谷僧ヶ墓のくびれより、後山尾続き水越迄大峯尾限り
一、戸谷村境 略
一、長篠村境 略
一、加計村境、勝草分うへは狼城の尾次第に境目谷限り、向へ渡りしたは引地谷うへは小岡限り、それより安中分穴ヶ迫のうへの尾より木戸岩迄大峯尾水走り限り、猪山分木戸岩よりきづなが迫のしもろんでんの益限り、それより尻は谷、うへは梅のがうろの頭へ続き、五輪ヶ尾次第に寺屋敷の尾続き峯水走り限り、それより次第に下は本谷大川迄谷限り、それより温湯境大川限り、向へ渡り高すろ限り、それより次第に尾続き松原分迄大峯尾水走り限り、松原分温湯さかへ大ざう田大床尾かうげ休み迄大峯尾水走り限り、但し後山の内也」
「上り辻尾」は道戦峠
橋山村との東側の境は黒瀧山の水走
細見村の「大渡り迄大川限り」は王泊貯水池付近
僧ヶ墓 924m三角点
引地谷 丁川西岸
五輪ヶ尾=五輪山
寺屋敷
大川=滝山川
温湯=温井
後山の内 大箒山から床尾山の西斜面
『ほのぎ』と現代地名
ほのぎ(猪山) |
現代地名 |
あらい川 |
洗川 |
あんちう |
安中 |
やすね田 |
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きつなか谷 |
木津名
橘中(書出帳)
キツナ(芸藩通志) |
こさこ |
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しんぎょうか垰 |
垰 |
はた |
畑 |
むかいた |
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ゑの平 |
榎平
江平山(芸藩通志) |
山ね |
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上山根 |
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大にこ |
鬼後
大仁古(芸藩通志) |
大井川 |
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中きれ |
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中の原 |
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鳥目 |
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かきの木た |
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弐つ町 |
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桧木谷 |
桧谷 |
かすね田 |
葛根田・葛根迫 |
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ほのぎ(平見谷) |
現代地名 |
おつけ谷 |
追付 |
くろせ |
黒瀬 |
こたわ |
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こみ山平 |
込平山 |
なかえ |
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はたか谷 |
畑ヶ谷
畑谷(芸藩通志) |
まき迫 |
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まつか谷 |
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よこみち |
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小たき |
小滝 |
家の上 |
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小田 |
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道の上 |
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鹿篭頭
鹿龍津(書出帳) |
猪山字名
耕地
垰(タオ)
猪山(イノシヤマ)
木津名(キズナ)
檜谷(ヒノキダニ)
山
鬼後(オニゴ)
洗川(アライカワ)
畑(ハタ)
猪山(イノシヤマ)
守岩(マモリイワ)
垰(タオ)
大平(オオヒラ)
長谷(ナガタニ)
空山(ソラヤマ)
舟石(フナイシ)
下山(シモヤマ)
折目(オリメ)
獅子谷(シシダニ)
葛根迫()
向イ山黒滝(ムカイヤマクロタキ)
中倉(ナカクラ)
坂取(サカトリ)
平見谷
耕地
畑ヶ谷(ハタガダニ)
紺屋(コンヤ)
黒瀬(クロセ)
平見谷
追付郷(オッツケゴウ)
鹿篭頭(カロウズ)
中山(ナカヤマ)
山
内ヶ倉(ウチガクラ) 内隠(ウチガクレ)
鎧甲
東山(ヒガシヤマ)
後山(ウシロヤマ)
堅岩
垰奥(タオオク)
原(ハラ)
中山
小滝(コダキ)
瀬戸(セト)
段原(ダンバラ)
宮山(ミヤヤマ)
黒瀬
真峯(マミネ)
鴛鴦ヶ谷
東榎平山(ヒガシエノヒラヤマ)
西榎平山(ニシエノヒラヤマ)
カシミール3Dデータ
総沿面距離26.1km
標高差538m
区間沿面距離
滝山橋南駐車地
↓ 5.7km
阿正谷
↓ 4.7km
安中
↓ 4.3km
鹿龍頭橋
↓ 5.0km
垰
↓ 6.4
駐車地
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