6:40 一軒家 晴れ 気温5度
7:45 林道終点
8:10 古い頓原造林標識
8:25 山道
8:40 ケヤキ
9:00 大岩のゴーロ
10:00 1129P
10:15 クルソン岩
11:10 冠山
11:30 源流碑
12:00 冠山分岐
12:20 岩・展望地
12:25 寺床
13:40 54番鉄塔
14:55 一軒家
一軒家から西へ進むと三叉路に出る。右のタキガ谷林道に入る。林道の際にツルリンドウが実を付けていた。日が射し始め、黄葉が光り輝く。マムシグサが赤い実を付け、実の上は黒い軸が見える。林道のU字カーブ付近から、眼下にタキガ谷の白濁した流れが見える。
林道法面に石垣が組まれ、タキガ谷へ入る道にも石垣がある。赤い実を食われた、黒い軸が見えるマムシグサがある。9月には草薮だったところが、今は歩き易くなっていた。サラシナショウマに緑の実が付いていた。オオカニコウモリの花が残っていた。
一軒家から1時間ほどで林道終点。終点から中の谷から落ちる滝が見える。林道から右岸の山道を登る。滝の下で長平谷が合流するのが見える。枯葉を踏み、中の谷右岸に下りる。中の谷左岸に渡り、谷沿いを進むと、「センター造林地 頓原事業地」の新しい方の標識がある。
頓原事業地 |
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ツルリンドウ |
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植林地の中の谷左岸の縁を進み、滝の落ち口の上部を通り、長平谷へ下りる。長平谷を渡り、左岸の植林地を進む。地形図にある破線道に沿って進み、小谷を渡ると、植林地の中に、「公社造林 頓原造林」の錆びた古い標識が残っている。
破線道は消失しているが、破線に沿って植林地を進むと、古い標識の所から15分ほどで山道に出る。この破線道の山道は北側の尾根の国体コースに出て、クルソン分岐と繋がっているが、途中、所々消失している。植林地の中の山道を東へ進む。タキガ谷右谷の水源に出た所で山道が消失。
谷を渡って小尾根に上がると、株立ちした大きいケヤキがあった。周辺は渋く紅葉していた。北東へ進み、植林地に入ると、大岩のゴーロ帯に出た。大岩の上で一休み、隣の大岩の上にコナラが根を張って立っていた。
マムシグサ |
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植林地の大岩の間を通り、北へ進む。30分ほどで国体コースの尾根に出た。ポイントになる大岩があり、さらにその先に尾根を塞ぐ巨石がある。巨石の間を通って進むと、南側にも巨石がある。さらに進むと、尾根上に「地籍図根三角点」と書かれた標柱が立っていた。
1129ピークに上がると、クルソン岩が目前に見える。冠山も見える。植林地の鞍部へ下り、クルソン分岐の登山道に出る。登山道にオオウラジノキの実がたくさん落ちていた。ローソク岩に上がり、周囲を展望する。引き返して登山道を進む。ナナカマドの実が落ちている。50分ほどで冠山。
北側の展望地に出る。今日は見通しが良かった。旧羅漢山、十方山の前に、送電線鉄塔が御境から女鹿平山に向かって並んでいる。女鹿平山の右に吉和の里が見える。左には広高山、坊主山、後に大神ヶ岳の峯が見える。
サラシナショウマ |
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源流碑近くのブナ |
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山頂から南へ下る。源流碑に入る道に道標があった。冠山から20分ほどで源流碑。碑の西側にスラっとした大きいブナがある。周辺にはユキザサの赤い実が多くあった。登山道を進む。道沿いにユキザサの赤い実が残っていた。15分ほどで松の木峠、寂地山への分岐に出る。
登山道を進むと、西側に寂地山から右谷山への峯が見えてくる。分岐から20分ほどで岩のある展望地。鬼ヶ城山の手前の麓にラジコン飛行場が白く見える。後には羅漢山のレーダーサイトが見える。寺床を過ぎると、東に平家三角点のアンテナ塔が見えてくる。
カラマツ林に入ると、見上げる黄葉が綺麗だった。下って行くと、東のアンテナ塔が上方に見えてくる。東側の谷の紅葉を眺めながら下る。レイホウカタケに上がる途中で振り返ると、下りてきた山腹の渋い紅葉が美しかった。ガマズミの赤い実があちこちに残っている。
オオウラジロノキの実 |
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防火用水の赤いドラム缶の所から、54番鉄塔に出る。鉄塔の左にゴルフ場の建物が見え、大峯山の頭が覗く。伐採された丸太に座り、一休み。傍にはカシワの幼木が葉を出していた。葉がすべて落ちたガマズミの実だけの木があった。カシワの大きい木がある。
小室井山と日の平山の間に送電線が延びて、鉄塔が続いている。53番鉄塔に下りる山道を下る。ガマズミの赤い実が多い。カシワの木が点々とある。山全体が渋い紅葉に覆われていた。20分ほどで53番鉄塔に下りた。そこからコンクリート舗装の道を下る。
舗装路の両側は草が茂る。ヤマノイモが果実をたくさんつけている。セイタカアワダチソウは背丈を越える。紅葉の林の向こうに伴蔵川が流れる。フカ谷の鉄橋を渡り、谷で顔を洗う。
冠山トンネルの喚起塔の横を通る。ツルウメモドキの橙色の実が残る。クマシデが果穂を下げる。マムシグサの黒い軸があらわれていた。見上げるとカエデの紅葉が美しかった。
ユキザサ |
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カラマツの黄葉 |
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カラマツ |
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登山道のカエデ |
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登山道のウリハダカエデ |
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ガマズミ |
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ガマズミ |
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カシワの幼木 |
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伴蔵川左岸のカシワ |
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ヤマノイモ |
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ツルウメモドキ |
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クマシデ |
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マムシグサ |
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一軒家のカエデ |
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■地名考
冠山(かんむりやま)の呼称は、はじめ「カムリヤマ」と呼ばれ、後に「冠山」の字が当てられ、「かんむりやま」と呼ぶようになった。
才乙の「冠山」も、元の呼び名は「かむり」と呼ばれ、地元では「かぶりやま」と呼ばれている。
島根県瑞穂町の「冠山」は、元の呼び名は「カフリ山」であった。
出雲風土記に冠山がある。出雲風土記、神門郡の山野にある冠山は「かがふりやま」と読む。
「郡家の東南五里二百五十六歩の所にある。〔大神の御冠(みかがふり)である〕」(出雲風土記)。
出雲風土記の冠山の由来は、大神の「みかがふり」ということから、山の形が大神の冠に似ているので冠山と呼んでいる。
古事記に「みかがふり」がある。「次に投げ捨てた御冠(みかがふり)に生まれた神の名は、 飽咋(あきぐひ)のウシノの神」とあるように、冠(かんむり)の意として使われている。
万葉集に「かがふり」を含む歌が3首ある。
歌番号892
麻被 引可賀布利(原文)
あさぶすま ひきかがふり(かな)
麻ぶすまをかぶる(かける・ひっかぶる)(訳)
「かがふり」はかぶる、掛けるの意。
歌番号3858
五位乃冠(原文)
ごゐのかがふり(かな)
五位の位階(冠は位を示す文書に代わった)
「かがふり」は位を示す。
古くは位階によって冠の色が違った。
歌番号4321
美許等加我布理(原文)
みことかがふり(かな)
天皇の命令を受け(訳)
「かがふり」は受けるの意。
「かがふり」は古代には、「かんむり」「かぶる」「うける」の意があったことがわかる。
次のような方言がある。
首里・那覇方言
カカイムン (名詞)
憑きもの。もののけが憑くこと。生霊または死霊が何か頼みごとなどあって人に憑くこと。
今帰仁方言
「カガーミー」「カンヂュイ」=鶏冠
「カンビン」「ハンビン」は、被るの意。
沖縄方言
「カンムイ」は、頭にかぶるもの一般、帽子の意。
「カンジュン」は、かぶるの意。
奄美方言
「カブルリ」は、かぶるの意。
宮古方言
「カヴ」は、生えるの意。
「カムギ」は、鶏冠の意。
次のようなアイヌ語がある。
sikakamure シカカムレ 頭にかぶせる
si-ka-kamure 自分・の上・にかぶせる
上記の例から次のようにあらわすことができる。
ka-kamure-i
カ・カムレ・イ=カカムリ
上・にかぶせる・もの
「カカムリ」は古代語「かがふり」に近い。
「カカムリ」が「カガフリ」に転訛したとも考えられる。
「カガフリ」は「上にかぶせるもの」の意であり、「かんむり」「かぶる」の意となった。
次のようなアイヌ語がある。
kamu カム かぶさる・覆う
kamu-re カムレ かぶせる・おおう
kamuy カムイ 神 カム・イ=かぶさる・もの
ka-mu-i カ・ム・イ 上面・ふさがる・もの
(黒雲=カミナリ、雷雨 神=魔=おそろしいもの)
国語辞書に次のようにある。
被る(かがふる)=かぶる・受ける・賜る
被る(かぶる) かがふるの音韻変化、かうぶるからさらに変化、覆う・浴びる・受ける・こうむる。
こうぶる・かうぶる
こうむる・かうむる こうぶるの音韻変化。
カシミール3Dデータ
総沿面距離14.0km
標高差645m
区間沿面距離
一軒家
↓ 2.9km
林道終点
↓ 3.1km
クルソン岩
↓ 1.7km
冠山
↓ 1.4km
分岐
↓ 4.9km
一軒家
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