山歩き

セト谷…マド谷…十方山…大谷川
2012/5/13

大谷川入口…瀬戸滝登山口…瀬戸滝…オオビラメノ滝…マド谷…下山林道…ウシロヤマ谷…登山道…十方山…論所…大谷川

■十方山(ジッポウザン)1319m:広島県佐伯郡吉和村吉和西(点の記) (廿日市市)

立岩山
伐採されたスギ林
セト谷の壊れた橋
セト滝
アライゴウ
セト滝一段目
木馬道の石垣
セト滝落口
右岸の木馬道の石垣
左岸の石垣 水車跡
タガタノ谷左岸の平坦地
右谷へ進む
キジヤ原
谷の左岸に木馬道の石垣が残る
三ツ石付近の懸崖
ゴルジュを進む
オオビラメノ滝
ウシロヤマ谷
オオビラメノ滝上流の石積み
マド谷入口
滑る谷が続くマド谷
薮山から下山林道に出た
林道終点
ウシロヤマ谷水源を登る
十方山と立岩山
論所を下る
水源のサワグルミ
コスギナエノ谷が落ちるゴルジュ
コスギナエノ谷
イシノコヤと大谷川左谷
右岸のスギ林へ渡る
6:55 大谷川入口 晴れ 気温10度
 

7:30 瀬戸滝登山口
8:00 瀬戸滝上
9:00 キジヤ原
9:40 オオビラメノ滝
10:00 マド谷
11:00 下山林道
11:40 ウシロヤマ谷
12:15 登山道
12:50 十方山
13:00 論所
15:10 コスギナエノ谷
16:00 イシノ小屋
16:30 大谷川入口



 大谷川入口を出発。川の右岸のスギ林は伐採されている。立岩貯水池の向こうに立岩山がある。県道を進むと、ミヤマガマズミ、コガクウツギ、ミツバウツギ、ヤマフジなどが咲いている。オニグルミが赤い雌花を付け、雄花を垂らす。ハルニレの花は終わっていた。

 30分ほどで瀬戸滝登山口。瀬戸滝への遊歩道を進む。一番奥の橋は落石でもあったか、鉄の橋げたが壊れ、歩道が沈み込んでいた。瀬戸滝左岸のアライ川(ゴウ)に入り、アライ川右岸の踏み跡を登ると、瀬戸滝の上の落口に出る。一段目は水量が少なく、砂が溜まっていた。

 釣り人が掛けたと思われるロープを使って、石垣の上の木馬道に出た。木馬道はアライ川右岸で崩壊している。木馬道はセト谷の右岸に渡っているが、この道は荒れて寸断されている。ヤグルマソウで覆われた山道を進む。右岸の石垣を過ぎると、右岸の三つ目の谷に一ノ谷が落ちている。

オニグルミ


 釣り人がよく入るのか、踏み跡が多い。左岸に大きい石垣がある。水車跡だという。石垣の残るタガタノ谷を渡ると、ササ原の広い平坦地に出る。平坦地を横切ると、谷へ下りる踏み跡がある。下りると左谷と右谷の分岐に出る。

 一休みして右谷へ進む。谷を200m余り進むと、左岸にスギ林の平坦地がある。キジヤ原である。谷沿いに薄い踏み跡と石垣が残っている。谷の左岸に点々と石垣を残しながら、末端の石積みで道は終わる。その先の左岸は懸崖となっている。この付近を三ツ石と呼ぶ。その辺りは大岩が谷を埋める。

 岩を越えて進むと、谷が狭くなり曲流する。その先にオオビラメノ滝がある。ここで大きいゴギを釣ったことがある。左岸を巻いて滝を越える。右側からウシロヤマ谷が降りている。滝の上流右岸に石積みが残っているので、木馬道はオオビラメノ滝を越えていたようだ。

コガクウツギ


 滝上で一休みして左の谷を進むと、右岸に石積みが点々とある。マド谷手前の分岐にも石積みがあったので、木馬道はさらに上流に延びていたようだ。マド谷は懸崖の間から降りている。滑りやすいナメラ状の谷が続く。岩盤を貫流して出来た谷のようであった。

 懸崖の間のナメラ状の谷の両岸が狭まって、掴み所の無い所で、左岸の薮尾根に取り付いた。マド谷入口から1時間ほどで下山林道に出た。林道の水溜りにオタマジャクシがたくさんいた。廃車を過ぎると林道終点。踏み跡を下るとウシロヤマ谷に出る。

ミツバウツギ


 ウシロヤマ谷水源の谷を登り、途中から枝谷に入り、登山道に出た。登山道にオオカメノキ、平原にアセビの花が咲いていた。30分ほどで十方山。一休みして論所へ下る。鞍部の湿地にバイケイソウが葉を出す。論所から本谷水源を下る。

 崩れやすい急な岩の谷が続く。右谷の分岐に出ると、オヒョウニレが多かった。大きいサワグルミを過ぎると、狭まる谷の先に滝がある。左岸のガレ場を過ぎると、懸崖の間にコスギナエノノ谷が滝となって落ちる。さらに下ると巨石が谷を塞ぐ。

 イシノコヤ手前の左岸に獣道のような細い山道が上がっていた。滑り落ちそうな山道を抜けて、道は谷に下りる。そこから右岸に渡ると、スギ林の山道に入る。イシノコヤから30分ほどで県道に出た。

ミツバアケビ
ヤマフジ
サルメンエビネ
ウリハダカエデ
オオカメノキ
アセビ
ミヤマカタバミ
バイケイソウ
大谷川水源のオヒョウニレ
クルマバソウ
 
上から見たオオビラメノ滝
上流から見たオオビラメノ滝
コスギナエノ谷落口ゴルジュ
コスギナエノ谷



地名考

 日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。

 アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。

 西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。



●大谷川(オオダニゴウ) 
 


●本谷(ホンタニ) 
 


●イシノ小屋(イシノコヤ)
 iuk-sinot-ko-yan-pet
 

 イシノコヤは大谷川の左谷の分岐に巨石があることから、「石の小屋」と呼ばれている。


●コスギナエノ谷 
 


●ヒキジのオカ 
 

 ヒキジのオカはイシノ小屋から上がる西の尾根である。


●ナガオのオカ 
 


●バアガ谷
 


●ニノワラ谷
 


●ニノワラのリュウズ
 



●ハシゴのリュウズ
 



●セト谷 
 



●セトのリュウズ



●大休ミ(オオヤスミ)
 

 大休ミはセト滝の上の平坦地をいう。オオヤスミの地名は西中国山地に多い。


●一ノ谷(イチノタニ)
 


 一ノ谷はセト滝から上のセト谷右岸の三番目にある小谷である。大休ミの上流に一ノ谷がある。


●カツラ谷
 



●アライ川(アライゴウ) 
 

 アライ川と表わして「アライゴウ」と呼ぶ。


●タガタノ谷
 


●キジヤ原 
 

 セト谷に木地屋が入り込んだことから、キジヤ原は木地屋関連の地名と考えられている。


●サイガ原
 


●三ツ岩(ミツイワ)
 

 周辺に大岩が多い。


●大ビラメのタキ 
 



●ウシロヤマ谷 
 

 「ウシロ」の地名は西中国山地に多い。大ベラメのタキの上流にある。


●マド谷 
 


●コノタのギシ(コノタノギシ)
 


●十方山(ジッポウザン)
 



●十方山(シツハウサン)
 



●十方辻(ジッポウツジ)
 



●論所(ロンショ)
 


●堀割(ホリワリ=論所)
 

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カシミール3Dデータ

総沿面距離18.6km
標高差809m

区間沿面距離
大谷川入口
↓ 2.9km
瀬戸滝
↓ 6.5km
下山林道
↓ 3.9km
十方山
↓ 5.3km
大谷川入口
 

 

 
オオビラメノ滝
コスギナエノ谷
コスギナエノ谷
登路(薄茶は900m超 茶は1000m超)  「カシミール3D」+「国土地理院『ウォッちず』12500」より