5:45 亀井谷入口 晴れ 気温−1度
5:55 ネズミイシ谷
6:30 山道終点
8:15 林道
8:55 春日山
10:20 三の谷鞍部
11:30 林道終点
12:00 二の谷峠
12:30 茶屋床
12:40 眼鏡峠
14:00 イブシ谷
14:20 県道307号線
15:00 亀井谷入口
亀井谷落口上流の倉渡瀬橋付近を出発。倉渡瀬橋の下は岩礁となっている。土手のフキノトウの高く伸びている。ネズミイシ谷の入口にも岩礁がある。ネズミイシ谷の入口に小滝が落ちている。右岸を少し進んでスギ林のある左岸の山道に出る。
山道は滝の左岸を高く巻いている。ワラビがあちこちに出る。ヒノキの植林地が終わると、山道も終わった。ここまで入口から30分ほど。谷を進む。あちこちでゼンマイが頭を出す。小滝を越えると谷の分岐の頭に炭焼き跡があった。左岸の植林地を進む。
チャルメルソウ |
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サンインマイマイの破片 |
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ゴーロの薮を抜けると、ゴーロの岩で作った石垣のある林道に出た。この林道はリョウシ谷から上がり、西へ延びている。林道から上はスギの植林地の涸れ谷である。倒木が多く歩きにくい。登るに連れ点々と雪が残る。岩の上にカタツムリの破片が固まってあった。
雪が多くなったところで左岸の尾根に上がった。そこからまもなく登山道に出た。山頂に着くと南側が伐採されて展望があった。眼鏡峠の背後に西中国山地の障壁が取り囲んでいる。右手から青野山、燕岳、安蔵寺山、白旗山、赤谷山、大神ヶ岳、小郷山の峰峯がある。南面に出ると続いて眼鏡峠の左手に、冠山、五里山、向半四郎、半四郎山、広見山、十方山、旧羅漢山、恐羅漢山、中ノ川山、天杉山、高岳と西中国山地の主な山々を見渡すことができる。西側に日本海も望む。
植林地を回り込んで南の鞍部に下りる。尾根の広葉樹にアカマツが入り込んでいる。アカマツの巨木もあった。そのマツカサも大きい。ササ薮を進み展望地に出ると眼鏡峠が目前に近づく。眼鏡峠に向って、縫うように林道が山腹を通っている。薮を下り、地図にある破線道の三の谷鞍部を通過したが、道は見当たらず周辺は薮と化していた。進んでいくと右手に日晩山が見える。
キブシに集まる蜂 |
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クロモジ |
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林道が尾根直下に迫った所で、林道に下りた。東への展望が良い。広見山が目前にある。林道を10分ほど進むと、そこが終点であった。終点にイノシシの糞があった。772ピークへ上がり、ササ尾根を進む。二の谷峠はササ原であった。茶屋床の三角点に出た。林の向こうに春日山が見える。そこから10分ほどで石垣のある眼鏡峠へ下った。
匹見川沿いに道が無い時代、眼鏡峠は道川と萩原を結ぶ往還道にあり、道川街道と呼ばれていた。
「江田を過ぎ半田を通って萩原の下から険峻な密林に入る。ここは木戸口といい農業と茶店を兼ねた二軒茶屋があった。ここから道をたどり…八尾・東・下道川三村の境界をなす高度819.7m頂上に達する。ここが有名な眼鏡峠の険阻である。名の起こりは峠から東西、南北の景観が両眼の中に収められることに来由するものといい、又は峠道の両側に立つ10mの小丘が半円の弧を描いて対峙しておるのが、あたかも眼鏡を横たえたように見えるので名付けられたともいわれておる。…眼鏡峠から急坂をひた下ると木戸裏に出る」(『石見匹見町史』矢富熊一郎)。
往還道の石垣 |
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往還道を下った。道はアザミ谷水源の左岸の上の方を下っている。所々崩壊しているが、りっぱな山道が残っている。木に「井清水山」と書かれた板があった。「イシミズ」「イセイミズ」と読むのか、恐羅漢山水源に「ニセミズ」がある。
往還道はイブシ谷を渡り、558ピークの西の鞍部を越えて民家の裏を通り、県道307号線に出た。眼鏡峠から1時間40分ほどであった。
■地名考
日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。
アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。
西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。
周辺には前田中(下道川下)、ダヤ前(下道川上)、田中ノ尻(出合原)、蔵屋敷田(出合原)、塚ノ町(下臼木谷)などの縄文遺跡がある。
倉渡瀬橋左岸 |
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●春日山(カスガヤマ)
●神出ヶ嶽(カミイデガタケ・春日山古名・1816年)
春日山の古名は神出ヶ嶽と呼ぶ。
倉渡瀬橋下の岩礁 |
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匹見川左岸の小尾根の末端に倉渡瀬橋がある |
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下流から見た倉渡瀬橋と岩礁 |
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●倉渡瀬橋
倉渡瀬橋の下は岩礁
ネズミイシ谷落口の岩礁
匹見川左岸から川原が突き出ている |
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匹見川下流から見たネズミイシ谷 |
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●ネズミイシ谷
匹見川左岸の川原がネズミイシ谷に向って突き出ている。この川原は現在水田であるが、古代には林であったと思われる。ここにダヤ前縄文遺跡がある。
●ダヤ前(ダヤ前遺跡)
ダヤ前遺跡から石鏃と黒曜石片が出土している。
●大亀谷(亀井谷)
●アザミ谷
●茶屋床(チャヤドコ)
●眼鏡垰(メガネダオ)
●大峠(眼鏡垰別名)
●イサミゴエ(眼鏡垰別名)
●石ヶ休(眼鏡垰別名)
●ノマズガダニ(眼鏡垰・アザミ谷別名)
●赤水のエキ(アカミズノエキ=アザミ谷=不飲ガ谷)
●キトウラ
●小峠(コタオ・キトウラ)
カシミール3Dデータ
総沿面距離15.1km
標高差576m
区間沿面距離
亀井谷入口
↓ 3.8km
春日山
↓ 5.4km
眼鏡峠
↓ 3.4km
県道307号線(木戸裏)
↓ 2.5km
亀井谷入口
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