6:30 土橋バス停出発 晴れ 気温0度
シハイスミレ |
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6:40 ハルニレ
7:35 林道終点
8:25 千人立峠
9:05 千人立
10:05 アシハラ峠
11:40 オオシゲ谷入口
12:10 小谷入口
13:50 大休ミ
14:10 雲月山
14:35 859P
14:45 牧場入口
15:15 土橋バス停
土橋のカラマツが葉を出し始めていた。朝の日が入る田んぼを通り、ハルニレの所に寄った。ハルニレは花が終わったあとだった。ハシバミの小さい赤い花が咲いていた。ハタガ谷の右岸の道を上がる。クロモジが多い。アセビが白い花を付ける。ハンノキが道沿いにあった。
林道終点で山道が分かれる。右のヒノキ林を進むと山道が無くなるが、先のテープのところに進むと、掘り下げた山道があった。地形図にある道はまだ残っていた。山道はハタガ谷右岸のヒノキ林とコナラ、ミズナラの広葉樹の境界を上がって行く。タムシバが咲く。
山道が分かれる。右の笹道を進む。目立つヤマザクラがあった。ハタガ谷の水源に入ると石の谷となる。オオカメノキが咲き始めていた。ナガバモミジイチゴの棘が覆う谷を進む。大岩を通り、倒れたススキの覆う千人立峠に到着。
花が終わったハルニレ |
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土橋のカラマツ |
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峠に石積があり、「千人立を圣て雲月山へ」の道標がある。笹を分けて県境尾根を進むと土塁が現われる。このあたりも牧草地であったのだろうか。花咲くクロモジが多い。土塁の上を進むとヤマハンノキがあった。カラマツが一斉に葉を出している。ピークへ近づくと高杉山、天狗石山が見えてくる。
千人立の南側はススキ原となっている。ピークには十数本のヤマハンノキがあった。出始めた葉裏を見ると毛が多い。ケヤマハンノキかもしれない。ピークから西北のカラマツの小尾根を進む。東側の小谷を見るとハンノキ林であった。谷全体がハンノキで埋まっている。緑化事業で植えられたものだろうか。落葉を見るとケヤマハンノキのようであった。一番大きいものは胸高直径48cm。一般的な広葉樹の生長速度が45cmで120年と言う。成長の早いハンノキだから、100年ほどの木であろうか。
ハンノキの谷を下り、堰堤を越えて林道に出た。林道の下の谷もヤマハンノキが続いていた。ハンノキの林道を進む。林道上にたくさんのヤマハンノキの雌花が落ちている。ほどなく「雲月かんな跡」。加計の隅屋もここで鉄を取っていたと言う。かんな跡は若いハンノキ林となっている。
オオカメノキ |
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ワサビ |
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かんな跡のすぐ先を52号線が島根の旭町に下りている。ヤシャブシが葉を出している。車道を進みアシハラ峠に出た。東から上がるヨシハラ谷の水源の峠である。林道がオオエキの谷を降りていた。ヒノキ林の林道を下った。ヤシャブシがあった。谷沿いにハンノキがある。展望地から金木山が見える。ミズキが花芽を出していた。
大分下った所で、キハダ、ケヤキが現われる。ヤマハンノキの下を水量多いオオエキの谷が流れる。コタチツボスミレが咲く。ニワトコの太い木があった。一番奥の民家の所に出た。民家前の水田では田起こし作業が始まっていた。畦道をオオシゲ谷の入口に進んだ。川口の上・下流は水田跡が残っている。川口に大きいハリギリがあった。
オオシゲ谷に少し入ってみた。ワサビの花が咲いていた。林の下に石垣が残っている。この谷の入口付近にキハダは無かった。引き返して、左岸に水田跡のあるオオエキの谷を進み、スギ林の中の南へ上がる谷へ入る。大きいハリギリの多い谷であった。谷沿いのチドリノキが葉を出す。
ショウジョウバカマ |
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ウグイスカグラ |
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大分上がった所で林道が横切る。右岸の開き道を上がる。大岩を越えると水源の谷となる。ヒノキ林を進む。ヒノキ林を抜け、笹谷を上がるとスギ林になる。スギ林の端に高さ10m、胸高径30cmほどの、幹が縦に深く割れ、上に花を付けている木があった。ハリギリかと思ったが、幹の途中から出ている葉を見るとニワトコのようであった。それにしても大きいニワトコであった。
スギ林を抜けて大休ミに出た。雲月峠西の遠見所山は山焼きされていた。ミツバツチグリがたくさん咲いている。山頂北のカラマツ林は一斉に葉を出す。登山道に小さいヤシャブシがあった。今日は見通しがよく、土橋の先に高杉山、天狗石山、三ツ石へ続く峯が見え、高山の先に三瓶山、その左に大江高山が見える。雲月山から中の谷が通る牧場入口へ下った。
■地名考
日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。
アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。
西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。
●千人立(センニンタチ)
千人立の北側にハンノキ林がある。
「ミドリシジミが姿を見せ始めたのはやはり16時半頃からでした。第3湿地西寄りにあるハンノキがまず第一演舞場」「ミドリシジミ生息概況等 第3湿地から第4湿地のハンノキに産卵」(『大きなニレと野生のものたち』ツチハシの自然誌)。
雲月山、高山、千人立は名の付いている山として古くから呼ばれていたようだ(「西中国山地」)。太いハンノキがあることから、植林されたのでなく、昔からハンノキの多い山であったと思われる。
チセ部材の木材集計と材料木名 |
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部材名 |
材料名 |
数量 |
備考 |
※木材
集計 |
径12〜15cm(桁梁用) |
はんのき |
7 |
凡例
※炉・炉棚・付属施設は別
※サイズは最大値。単位(cm)
※端材で流用可能な材は集計に含めず |
径6〜8cm(垂木・三脚・棟木用) |
はんのき |
55 |
径3〜5cm(サクマ用) |
あおだも |
193 |
径15〜17cm股木(柱用) |
みずなら |
25 |
径10〜12cm(足場=茅支え用) |
材不問 |
21 |
計 |
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309 |
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セム小屋の部材と材料木名 |
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部材名 |
数量 |
材料名 |
セム小屋1 |
梁 |
1 |
はんのき |
2 |
垂木 |
6 |
はんのき |
3 |
屋根下地材(アウンサクマ) |
5 |
あおだも |
4 |
屋根茅押さえ材(ソユンサクマ) |
5 |
あおだも |
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●雲月山(ウツツキヤマ)
雲月山の山名は『陰徳太平記』(1712年)に「宇津々木多和合戦」(「西中国山地」)とあるので「ウツツキ」と呼ぶのであろう。
元々、雲月山は雲月峠の西のピークの呼称であったが、明治になって三角点がさらに西へ設置されたことにより、現在の位置にある。下の図は雨山から雲月山2kmの間の断面図である。「互いに出っ張っている」とは峯の山並みをことか、あるいは雲月峠の東西にある千人立と旧雲月山のことを言うのか。
雨山から雲月山の県境尾根の断面図 |
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カシミールデータ
ミツバツチグリ |
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総沿面距離13.0km
標高差375m
区間沿面距離
土橋バス停
↓ 3.1km
千人立
↓ 4.7km
オオシゲ谷入口
↓ 2.4km
雲月山
↓ 2.8km
土橋バス停
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