7:20 古屋敷出発 晴れ
7:55 ナエマン谷
12:05 恐羅漢山
12:35 旧羅漢山
13:35 旧羅漢山登山口
14:45 二軒小屋
15:05 古屋敷
サンインマイマイ? |
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古屋敷橋から横川川を上がった。右岸はスギ林に石垣があり、川沿いに水田があったと思われる。右岸にある横川浄化センター辺りの川底は掘り返され、車両の跡がある。おばさんがゼンマイを乾しておられた。シラカバ林を過ぎてスキー場へ上がる車道付近に、恐羅漢山からナエマン谷が降りている。
ナエマン谷の堰堤を越えて上がると、右岸に石垣がある。ナエマン谷沿いにも水田があったようだ。石垣に沿って右岸に道がある。雑木林の中に小屋があった。右岸はスギ林の山である。まだ葉の少ない山の斜面に日が入ってくる。谷筋はヤグルマソウが伸びはじめている。エンレイソウも多い。ハウチワカエデの笠があちらこちらに伸びはじめている。
ヤグルマソウ |
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ハイイヌガヤの雄花 |
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トチノキの幼木も谷筋にある。谷はサワグルミが多いようだ。ハイイヌガヤの雄株が白い粉を巻き上げる。今の時期、この谷沿いに咲く花のある木はオオカメノキだけである。ヤマシャクヤクのツボミが膨らんでいる。クロモジが多い谷である。クロモジの若葉の葉裏に毛がある。
「恐羅漢山、旧羅漢山は昭和三十年代の始め頃までは、全山ブナ−クロモジ群集の天然林に覆われた国有林の山であった。先ず東側が切られ、ついで南西の広見谷側が皆伐され、更に最近、中之甲側が択伐された。いま樹林が残されているのは、わずかに西面の亀井谷の水源帯だけという淋しい状態になった」(「西中国山地」桑原良敏)。
クロモジ |
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谷の境界石 |
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恐羅漢山東面が皆伐された後も、クロモジは残っていたのであろうか。1000mを越えた谷筋に「山」と書かれた境界石が埋められていた。谷の水が見えなくなると、潅木の谷に変わる。1100mを越えた所に、周囲4.3mのブナの巨木が残っていた。皆伐時に、伐採を免れたのであろうか。ブナが復活しつつある山であるのかもしれない。カタツムリの大きな殻があった。
谷が潅木に覆われた所で左岸の尾根の、笹と枝の潅木を登った。谷よりは尾根の方が少しは楽なようだ。1200mを越えた所で見通しのある岩場に出た。そこから潅木を進み、ほどなく登山道近くの岩場に上がった。岩場から見ると、平太小屋原の東側の、スギ林を抜けた尾根筋に広いササ原があるのが見える。
タムシバ |
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ミヤマカタバミ |
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恐羅漢山へ寄ってから、平太小屋原へ下った。鞍部にタムシバが咲いていた。鞍部の水溜りはカエルの卵塊でいっぱいになっている。トウモロコシのようなユキザサのツボミが出ていた。旧羅漢山の岩場で休憩した。
十方林道へ下った。尾根筋の花もタムシバ以外は、オオカメノキだけであった。1時間ほどで十方林道に出た。日陰にはミヤマカタバミが多い。シモミズコシの谷の細い水路に魚影が走った。見ると小さいイワナである。この水路にもゴギが上がっている。まもなくこの水路は道路工事で壊されてしまうだろう。
最奥の民家を過ぎた辺りで、パワーシャベルが唸りをあげていた。その辺りにあった雑木は跡形もない。二軒小屋では、もう一台のパワーシャベルが斜面を固めていた。林道の両岸は伐採され、上には石垣が見える。このような伐採道が細見谷を貫通するのであろうか。
■地名考
上本郷のミツバウツギ |
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戸河内上本郷のミツバウツギが咲き始めていた。恐羅漢山周辺の開花は2週間ほど遅いようである。亀井谷入口、亀井谷奥、那須辺りでは例年、5月半ばから20日にかけて咲いていた。今年も5月半ば頃の開花であろうか。
「西中国山地」に言えることだが、恐羅漢山周辺の谷名と山名は、ほとんど一致する。
●トイシ川 砥石川山
●亀井谷 大亀谷山(恐羅漢山)
●丸子谷 丸子頭
●ヒコハチ谷 彦八の頭
●中ノ川川 中ノ川山
●アマスギ谷 天杉山
●のたの原 野田原の頭
●カジヤ谷(古名:シシリ谷) ヒジリ山(聖山)
●広見川 広見山
●黒山谷 内黒山
●一の谷 岩倉山
●四の谷 春日山
●細見谷 十方山
●柴木川 サバノ頭
恐羅漢山も「オソラカン」と呼ぶ谷名があったと思われる。
戸河内村には、毛利氏の検地帳や慶長検地は現存しないが、戸河内村の地詰帳は大歳神社「手鑑帳」(正徳5年・1715年)、梶木家文書「万手鑑」(延享2年・1745年)に写されている。
「手鑑帳」によると、検地は、田代→横川→魚切→横川→古屋敷→しろへ谷こや→古屋敷→横川→魚切→田代の順に行われた。(『戸河内町史』)。
「しろえ谷こや」が横川川の一番奥で、そこから折り返して対岸を下って検地するコースであった。
このことから古屋敷の上流に、「しろえ谷小屋」と呼ぶ小字名があったことが分かり、これが二軒小屋の古名のようである。
「しろえ谷こや」は10畝ほどの広さなので、約30メートル平方余りの小さな耕地であった。
カシミールデータ
総沿面距離9.5km
標高差605m
区間沿面距離
古屋敷
↓ 1.2km
ナエマン谷
↓ 1.9km
恐羅漢山
↓ 3.0km
旧羅漢山登山口
↓ 3.4km
古屋敷
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