山歩き

坂根谷…藤十郎谷…那須集落 2005/8/7
坂根集落…坂根谷右谷…藤十郎…藤十郎谷…那須集落…トリゴエ谷…ツリンボウノ谷…坂根集落

復旧記念碑と坂根谷堰堤
左 ハチガ谷の頭
堰堤上部
分岐手前のカツラ
右谷入口 分岐付近
大岩帯 坂根谷右谷
ゴルジュへの分岐付近のスギ林
坂根谷右谷のゴルジュ帯
ゴルジュ帯中間の滝
3.2mオニグルミ
5mトチノキ
藤十郎のミズナラ
藤十郎谷 水源帯
藤十郎谷の滝

 

6:15出発 晴れ 気温21度

イワタバコ 

6:50左谷分岐
8:00ゴルジュ帯分岐
10:30藤十郎
13:30那須小学校跡
14:10トリゴエキビレ
15:00坂根集落

ヤマアジサイ

自動販売機に集まる
アオガエル 
堰堤の銘板

 上本郷の商店街の自動販売機にアオガエルが留まっていた。明かりに集まっているようだ。坂根集落に上がる打梨林道に入ると、山口ナンバーの車が止まっており、草刈をされていた。墓所には新しい花が供えられていた。山口県から里帰りしているようだ。

 「日本全国坂根町」のホームページを見ると、坂根の地名は西日本に集中している。24ヶ所の内、広島が6ヶ所、山口が5ヶ所で、広島、山口辺りに「坂根」のルーツがあるのかもしれない。

 朝陽に照らされた坂根谷を正面に見ながら、復旧記念碑の右横を通って堰堤へ上がった。堰堤の銘板を見ると、坂根川砂防ダムは平成8年12月に完成している。高さ10m、幅77mとある。堰堤から坂根集落を振り返ると、左にハチガ谷の頭、右に市間山からの稜線が目前にある。太田川沿いに朝霧が立ち込めていた。

 堰堤上部を覆う石ゴーロを通って谷へ入った。少し上がると左岸に踏み跡があり、石垣を通り抜けたところで、径は谷へ降りる。クサアジサイがまだ咲いている。30分ほどで左谷と右谷の分岐。分岐手前の谷の中央にカツラの木が踏ん張っている。

スギタニシロエダシャク
エダシャク科 
エダシャク科

 右谷へ入ると、岩の上でヒキガエルがじっとして動かない。水流は岩の下を流れて見えない。左にガレ場が現れるが、右へ進む。いまにも頭の上に落ちてきそうな大岩が続く。スギの樹林帯が現れるとゴルジュへの分岐になる。左谷分岐から1時間ほどかかった。

 コウモリ穴を見ようと大岩を注視していたが、通り過ぎたようだ。通り道の大岩の下にあると思っていたのだが、右の岩壁の下にあったようだ。

坂根の蝙蝠穴(打梨) 坂根の道路の終点より徒歩40分の坂根右谷に蝙蝠穴がある。穴入口高さ36m横2m、内の方へ4m程下ると広さ10mに20m高さ7m程の穴がある。この穴より又3m下ると段があり、広さ3mに3.6m位との隅に0.5m四方程の穴がある。この下に水の音が聞こえ、常に蝙蝠がこの穴に住んでいる。本町では唯一の巌窟だと思える(「戸河内の文化財をたずねて」)。

ゴルジュ帯分岐付近の石垣

 右谷のゴルジュへの分岐から水流が現れる。中へ入ると両側が垂壁になっている。入口から見るとなんとか通れそうだと思って入ったが、中間の滝から先へ進めない。両壁と滝で、取り掛かりがなく、腕と脚では無理なようだ。左岸を高巻くしかないだろう。引き返して入口へ戻り、右の谷を登った。分岐付近に石垣が残っている。ワサビ田でも作っていたのだろうか。

「右谷のゴルジュはV字形の谷で、右岸は高さ数十メートルの岸壁、左岸も二十メートル位の垂壁で、その底を細流が流れ出ている。これを通過するには岸壁の登攀はさけられない」(「西中国山地」桑原良敏)。

 登るに連れて、スギ林はいつのまにかオニグルミの多い谷に変わっていた。大分登ったところで、曲がりくねった大きなオニグルミがあった。こんな形のオニグルミは珍しい。計測してみると周囲3.2mで大きい。この辺りでは一番大きなオニグルミだろう。
 さらに少し登ったところで、一際目立つトチノキが現れた。急坂にあったので計るのに苦労したが、周囲5mあった。そばにトチノキの折れた大きな枝が落ちていた。

ミヤマクワガタ
オナガアゲハ

 倒木の上に大きなクワガタが留まっていた。ゴルジュ帯分岐から2時間ほどで稜線に出て、ほどなく藤十郎に着いた。
 少し休憩して登山道を下り、藤十郎谷水源帯へ降りた。ワラビで覆われた小さな谷が長く続く。谷筋はサワグルミが多い。スギの植林帯に入ると、左岸、右岸に踏み跡がある。大分下ったところで、上部にサワグルミが立っている小滝があったが、藤十郎谷は平凡な谷だった。水を溜めるコンクリート水槽があるところから、はっきりした山道になり、この道は風小屋林道の途中に出た。

藤十郎谷左岸のコンクリート水槽
那須集落

 風小屋林道の途中から山道へ入り、那須集落の上部へ出た。山中にも電機柵があり、集落全体を覆っているようだ。那須小学校跡へ着いたのが午後1時半。藤十郎から3時間ほどかかった。集落の稲穂が大分伸びている。町道沿いにキツネノカミソリやウバユリがいっせいに花を付けていた。

セミのヌケガラ

 町道を下って、藤十郎谷を過ぎると、トリゴエ谷。左岸のスギ林に入るとピンクのテープがある。このテープはトリゴエ谷、イデガサコの鞍部、ツリンボウノ谷を通り、坂根谷の打梨林道まで続いているので迷うことはない。
 スギ林に入ると歩く先々で、羽化したセミがいっせいに飛び立った。毎日、何万ものセミが羽化しているようだ。あちこちの草にセミの抜け殻が残っている。那須から40分ほどでトリゴエキビレ、1時間半で坂根集落に着いた。

オオキツネノカミソリ
ナツズイセン

 

ミズヒキ 

カシミールデータ
総沿面距離8.2km
標高差693m

区間沿面距離
坂根集落
↓ 2.4km
藤十郎
↓ 3.0km
那須集落
↓ 2.8km
坂根集落

 

 
アキチョウジ ノササゲ ヒメキンミズヒキ ノブキ
ガンクビソウ ムラサキニガナ ヌスビトハギ ギンバイソウ
ソバナ ヒナノウスツボ オトギリソウ ヤマゼリ
トチバニンジン ウバユリ ハナイカダ ツルシキミ
タケニグサ キキョウ クサアジサイ ミヤマフユイチゴ
イタドリ ムラサキニガナ ミズタマソウ


坂根谷堰堤

ハチガ谷の頭
堰堤上流
分岐のカツラ
右谷
坂根谷右谷のゴルジュ
ゴルジュ
ゴルジュ
ゴルジュ
ゴルジュ
5mトチノキ
5mトチノキ 坂根谷
藤十郎
トウジュウロウ谷の滝
那須集落の上に出る
トリゴエ谷の石垣
鳥越キビレ
ツリンボウノ谷
 
登路(青線は磁北線)