6:15出発 雪 気温5度
7:20城山
8:40 922標高
吉和川沿いの林道を通り、2万5千地図にない行き止まりの林道を上がる。途中から城山方向へトラバースして登ると、地図にある林道に出る。林道終点まで上がり、急なスギ林を城山へ登った。城山まで1時間。809標高を通って鞍部を過ぎた辺りから道がはっきりしてくる。ピンクのテープが巻いてあり、境界測量で付けた道のようだ。この道はD峯まで続いている。
晴れていればなんでもない道だが、キリがあると厄介な道である。ヒノ谷や細見谷から幾筋も尾根が上がっており迷いやすい。だんだんと風、雪がひどくなる。尾根道の左はヒノキの植林帯になっている。尾根道を雪で消えかかった大きな足跡が幾つも残っていた。クマがもう出ているようだ。922標高は四等三角点、昨年取り付けられたものだ。国土地理院の標柱が頭を出していた。
9:00 D峯
11:35押ヶ峠
沼ノ原支流 |

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立野から3時間でD峯到着。気温はマイナス6度。雪、風が強く、見通しがない。D峯から沼ノ原支流へ降りて、沼ノ原へ出た。沼ノ原の雪はまだ深い。沼ノ原を少し上がって、沼長トロ山の周回路から降りている尾根を登った。周回路は雪の中からササが出ていた。ほどなくA峯へ向かう周回路を離れて、西へ延びる尾根へ降りた。左に林道がある。この辺りは、長者原林道から行き止まりの林道が幾つも上がっている。高圧線鉄塔の建設時に取り付けたものだろう。
ロクロ谷入口の鉄塔 |

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尾根道は大きなブナが目立つ。「お関の墓」のあるオセキガ峠から、鉄塔の間を長者原林道が降りていた。振り返ると沼長トロ山が見えた。尾根道の下りの鞍部の左横を林道が通っている。林道を歩いた。ほどなく鉄塔が立っているロクロ谷入口の峠に着いた。かつて吉和の木地師が、細見谷の有用材を求めて、この谷から入ったことからロクロ谷の名が残っている。地図で見ると、石州街道(長者原林道)から細見谷へ入るにはロクロ谷は一番の近道になる。
「木地屋とよばれている集団は滋賀県愛知郡小椋から出て全国の山地に分散居住し轆轤(ろくろ)を使って椀や盆を作っていたとされている。細見谷には中流部に<ロクロ谷>があり木地屋が入っていたのは事実らしい」(「西中国山地」桑原良敏)。
林道は955峯の横を通って、終点の鉄塔まで続いている。高圧線は北西方向の御境へ伸びている。鉄塔から尾根筋を登った。尾根はブナが多い。ブナ街道のようだ。ロクロ谷とオシガ谷の間はブナが多く、原生的な雰囲気を残しているところだ。ほどなく押ヶ峠手前の十方林道へ出た。立野キャンプ場から5時間半かかった。
押ヶ峠の看板 |
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恐羅漢細見峡 押ヶ峠 |

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13:00祠
14:00トリゴエ谷
押ヶ峠の標柱 |
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押ヶ峠手前から北西方向へ、鎖止めされた西山林業組合の林道が続いている。十方山林道の標柱や林道開通記念の石柱が頭を出していた。あいかわらず雪、風が強い。ここから五里山の稜線へ出ようと思っていたのだが、これでは景色が望めない。十方林道七曲を降りることにした。ポカリスエットはシャーベットになっていた。
「旧羅漢山より南へ続く広島・島根の長い県境主稜上の南端に五里山の名が記されている。…特定のピークに付けられたのではなく、かなり広範囲の山々に付けられている山名である…五里という呼称は、西中国山地の主稜を横断する石州街道の長さを表わしている。…五里山というのは、五里にわたる長い街道沿いの山々の総称というのが結論である。…地図に記されているようにオサカエ付近の山の呼称としておくべきだろう」(「西中国山地」)。
押ヶ峠からスギ林の林道を降りた。林道は1m以上の雪が残っている。ところどころ水が流れている所は雪が解けて川のようになっている。七曲の道は長い。祠まで1時間半かかった。峠から祠まで、直線で1km余りだが、林道は4kある。相変わらず雪が多く写真を撮るのに困る。祠付近から細見谷が一望できるのだが、谷を激しく流れる音が聞こえるだけだ。祠をしばらく下ると登りになる。細見谷左岸のタケワキ谷から落ちる滝を過ぎると、まもなく京ツカ山の登路のトリゴエ谷。五里山から続く稜線から、この辺りへ降りる予定にしていた。
16:00十方山南西尾根
16:45黒ダキ山
19:00立野キャンプ場
渡渉地点 |

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渡渉地点を探した。雪解けで谷は思った以上に水が多い。100円ショップで買った特大のビニール袋を5枚重ねにして、カンジキを履いたまま被せ、なんとも不恰好な渡渉となった。十方山南西尾根からトリゴエ谷付近に降りている、赤土谷の南側の尾根を登った。尾根筋から右手にザザラのタキが見える。時折ブリザードのような猛烈な雪煙が吹いた後、一瞬のあいだ明るくなった。振り向くと1158峯や京ツカ山が間近に見えた。この尾根道もブナが多い。渡渉してから1時間半で十方山南西尾根。新雪が20cmほど積もり、フカフカになっていた。
100mほどで黒ダキ山への分岐。急坂を下り仏石へ出た。黒ダキ山への登りで視界が開けると、左に十方山や瀬戸谷、右にロクロ谷の谷筋とその左右に、坊主山と千両山だろうか、見える。通ってきた鉄塔は随分遠くに見える。黒ダキ山の赤い吸殻いれは先週と比べて30cmほど頭を出していた。寒が戻ったとはいえやはり3月、確実に雪は減っている。
分岐の灰皿 |
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黒ダキ山登山道を急いで下山した。ナガ谷からの尾根道との合流点を過ぎて、吸殻入れのある細見谷へ降りる分岐へ着いたのが17時30分。キャンプ場へ下る尾根道を降りたが、はじめは良かったが、降りるに連れてブッシュ、倒木が多く、近道ではなかった。774峯手前からヘッドランプを点け、しばらく降りると下に明かりが見えた。急坂を滑るように下った。アマゴ養殖場付近の林道に出た。明かりは養殖場の建物だった。細見谷橋を渡ってカンジキを外した。すっかり暗くなっていたが、何故か、キャンプ場の明かりが点いていた。
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カシミールデータ
総沿面距離21.1km
標高差627m
区間沿面距離
立野キャンプ場
↓ 1.9km
城山
↓ 2.1km
922標高
↓ 0.8km
D峯
↓ 2.5km
ロクロ谷入口の峠
↓ 1.7km
押ヶ峠
↓ 4.4km
祠
↓ 2.0km
トリゴエ谷
↓ 1.3km
十方山南西尾根
↓ 0.9km
黒ダキ山
↓ 3.5km
立野キャンプ場
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