6:10出発 晴れ 気温-2度
6:20小松原橋
7:50 882標高
8:25 914標高
9:15登山道合流
駄荷交通情報 |
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駄荷の交通情報は戸河内方面積雪通行止め。県道は立野分岐から小松原橋まで積雪で通れない。立野分岐を出発。スギの林を抜けて小松原橋へ出ると薄明るくなる。吉和川の雪はもうなくなっていた。橋を渡って、トチの大木の左横からナガ谷とニイハタ谷の間の尾根に取り付く。尾根沿いの径をしばらく登る。30分ほどで径はナガ谷方向と尾根道に分岐する。尾根に続く踏み跡を登った。
日本製紙の「火の用心」の標識が木に取り付けてあった。山は日本製紙の所有なのだろうか。森林開発公団の「境界見出票」の標識も取り付けてある。標高700m付近でカンジキを履いた。尾根道はツガが多い。古いものだが、ツガの樹皮が剥がされクマの爪痕が残っていた。ツガの樹脂を食べているようだ。細見谷ではマツの樹皮が剥がされていた。雪で消えかかっていたが、大型の動物の足跡が残っていた。
ツガの剥皮と爪痕 |

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「立岩貯水池の小松原橋よりナガ谷へ入る。小径はすぐナガ谷とニイハタ谷に挟まれた尾根を登るが、ツガの純林(約730メートル標高)の中よりナガ谷上部へトラバース気味に降り、この谷のつめまで踏跡が続いている。谷の上部で、右の尾根に取り付いてもよいし、左の尾根にある営林署の見廻り径へブッシュをこいで登ってもよい」(「西中国山地」桑原良敏)。
尾根筋にはツガの大木が多い。直径1mを越えるものも幾本かあった。ブナも現れ始める。750m付近で5センチほどの大きさの番号札が、数本の木に貼ってあった。普通のマツや雑木なのだが。高度を上げ、800m付近から十方山が見え始める。ミズナラにクマ棚が残っていた。黒ダキ山登山道合流点までの中間の882標高到着。小松原橋から1時間半。この付近にもツガの剥皮があった。914標高手前辺りから、ピンクの目印が尾根沿いにあった。この目印は黒ダキ山登山道まで続いていた。目印は境界測量のためのようで、尾根道が多少整備されたのかもしれない。小松原橋から黒ダキ山登山道へ合流する尾根道は、黒ダキ山への登路として使えそうだ。
登山道合流点が近づくと、左側に黒ダキ山登山道の尾根が迫ってくる。尾根は細くなり、尾根に迫り出したセッピの上にノウサギの足跡があった。急坂を這いつくばって登山道へ出た。合流点の赤い吸殻入れが頭を出していた。小松原橋から3時間。十方山は日に輝いていた。三ツ倉とナガオノオカが正面に見える。十方山登山道を人が歩いていれば見える位置だ。
10:00黒ダキ山
10:30 仏石
10:55十方南西尾根
登山道を黒ダキ山へ向かった。今の時期、葉がないので展望が非常に良い。十方山と南西へ延びる稜線、瀬戸谷全体を見渡すことができる。スギ林が赤茶色になっている。南側は枝が多いので広い展望はないが、ときどき林間から冠山や女鹿平山が展望できる。下山林道が林道峠から黒ダキ山方向へ、終点までのびているのが間近に見える。黒ダキ山から南東にあるクロ懸崖(タキ)の上にはマツが生えている。合流点から40分ほどで黒ダキ山。山頂は昨年伐採され、少し展望が良くなっている。山頂にある三等三角点の標柱は頭を出していたが、吸殻入れはまだ雪に埋まっていた。
一息いれて、十方山南西尾根へ向かった。尾根方向に仏石の大きな石柱が確認できる。仏石は黒ダキ山から下りた鞍部にある。昨年の1月3日に黒ダキ山へ登った時は、仏石を過ぎた辺りでカンジキを履いたので、今年の雪は相当多い。尾根上に壁のようになった雪を体ごと崩して這い上がった。黒ダキ山から1時間ほどで十方山南西尾根。
11:25 1142標高
11:35下山林道峠
12:35バーのキビレ
ヤシャブシ |
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トビムシ |
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十方山から延びている尾根は細見谷のロクロ谷付近へ降りている。南西尾根から京ツカ山や1158峯が間近に見える。1142標高を過ぎると、前方に十方山の稜線が見えてくる。そこから10分ほどで下山林道の峠。峠の西側へ降りた。峠からの展望はすばらしい。京ツカ山と1158峯が目前にある。峠から五月谷が細見谷へ降り、京ツカ山へ回り込むトリゴエ谷を目で追うことができる。峠の東方向に立岩山が頭を出している。峠にはヤシャブシの実が残っていた。この実は林道沿いに多くある。
峠の西側から尾根へ上がった。南西尾根は背丈を越えるササ帯だが、今は雪の下にある。雪を踏み抜いて腰上まで埋まった。雪の下にはブナの倒木が隠れていた。ノウサギの足跡が二匹並んで続いていた。番だろうか。左側に焼杉山が大きく見える。日陰だとマイナス2度ほどだが、日が射すと4、5度になる。雪の上で2ミリ前後の多くのトビムシがノミのように跳ねていた。小さすぎてピントが合わない。トビムシはどこから涌いてきたのだろうか。
ピークを過ぎてバーのキビレへ下った。恐羅漢スキー場からアナウンスが聞こえた。峠から1時間でバーのキビレ。この辺りは背丈を越えるササが密集している所だ。東側は三ツ倉、西側にはボーギのキビレの南の尾根が見える。立岩側から細見谷へ抜ける近道はこの鞍部越だろう。もっとも急峻な瀬戸谷を登らないといけないが。
14:10ケルン
14:35十方山頂上
16:00三ツ倉
17:10瀬戸滝登山口
17:30立野分岐
バーのキビレを過ぎれば、十方山への最後の登りとなる。ブナ林の道を登った。背中に日が射すと暑いくらいだ。高度が増すに連れ、東側の展望が開ける。吉和の町と女鹿平山が見える。振り返ると、登って来た南西尾根と黒ダキ山の稜線が一望できる。小さな樹林帯を過ぎると、樹木が疎らになってくる。雪の下はササとブッシュが絡んで天然の生垣のようになっており、無雪期はとても歩けたものではない。見慣れた平原地帯へ出ると、左側に恐羅漢山から五里山までの長い稜線を見渡すことができる。ちょうどケルン付近に到着した。木の枝に雪の花が咲いていた。
ケルン 後ろは旧羅漢、恐羅漢山 |

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昭和59年遭難碑 |

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ケルンからほどなく山頂。今日は珍しく風がない。見通しが利いた。南西尾根から3時間半。この尾根道は積雪期の方が楽なようだ。しばらく眺めを楽しんだ後、瀬戸滝登山道へ下った。昭和59年遭難碑は、先週より少し頭を出していた。3月の暖かい日差しを受けて、確実に雪は減っている。稜線から少し下った所で登ってくる人に会った。杖一本でカンジキも履かず勢いよく登って来た。元気のいい若者だった。足跡を見ると、そんなに埋まっていない。今日は暖かいが、雪がよく締まっているようだ。
山頂から2時間ほどで三ツ倉。遭難碑の雪は先週と変わらない。雪を背景に、東側の尾根の植林された木々が整然と並んでいるのが分かる。三ツ倉から30分ほどで水場。水場の雪は大分減っていた。ほどなく登山口に出た。県道の雪はほとんど融けている。車が2台吉和へ向かって行った。道端にヤマドリらしき羽が散乱していた。キツネかテンにでも殺られたのだろう。小松原橋を渡ったところで車が立ち往生していた。ここから先だけ雪が深い。登山口から20分ほどで立野分岐へ到着した。
散乱した鳥の羽 県道 |

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カシミールデータ
総沿面距離14.7km
標高差805m
区間沿面距離
立野分岐
↓ 0.5km
小松原橋
↓ 2.5km
登山道合流点
↓ 0.7km
黒ダキ山
↓ 0.8km
十方山南西尾根
↓ 0.9km
下山林道峠
↓ 1.1km
バーのキビレ
↓ 2.2km
十方山
↓ 2.3km
三ツ倉
↓ 2.4km
瀬戸滝登山口
↓ 1.3km
立野分岐
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