5:20出発 晴れ後曇り 気温−6度
駄荷バス停と駄荷集落
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7:30林道取付点
8:20日の平山
林道鎖止め |
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めがひらスキー場を過ぎて、駄荷のバス停付近から出発。放射冷却で寒い。気温はマイナス6度だが、今日は気温が高くなる予報なので、日が出れば雪道はシャーベットのようになるだろう。早めに稜線に上がろうと思い、まだ暗い内に出発した。
もう家の灯かりが点いている駄荷の集落を通って林道へ入った。15分ほどで林道は鎖止め。鎖を越えて足を踏み入れると、雪の中へ沈む。ここでカンジキを履いた。スノーシューを一度試して見たいのだが、二十数年前、的場にあった好日山荘で買ったアルミのカンジキが長持ちしていて、まだ壊れそうにない。満天の星と月明かりの中を進んだ。前方をキツネのような動物が横切った。
林道標柱 |
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地図にない林道が通っており、途中で道を間違え、大廻してしまった。林道分岐に小田山線≠フ標柱があった。1時間余り歩いて振り返ると、めがひらスキー場の明かりが輝いていた。6時半を過ぎると、少しずつ明るくなってきた。稜線が赤く染まり始め、その上に満月から4日目の月があった。駄荷から2時間ほどで、林道から日の平山へ登る尾根の取り付き点に到着。尾根筋を上がったが、雪がやわらかく、膝まで埋まる。稜線近くまで来ると、雪がだんだん締まってきて、歩きやすくなった。8時ごろ稜線に出ると、西側の展望が開け、雪の十方山が目前に現れた。
雪の吹き溜まった稜線を日の平山へ向かった。しばらく行くと赤テープや青ビニールのひもが巻いてあった。大きなブナの向こうに日の平山があった。ノウサギが横切っている。稜線に出てから20分で日の平山へ到着。東側はスギの植林帯で南西への展望がある。登ってきた稜線の向こうに女鹿平山、その後ろに冠山。細見谷を挟んで沼長トロ山と黒ダキ山。
オオイヌノフグリ |
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国土地理院の地図では、日の平山は立岩山になっている。ネットで検索して見ると、日の平山を立岩山としている人は誰もいないようだ。「西中国山地」(桑原良敏著)は、「国土地理院の地図には、日の平を立岩山としてあるが、これには疑義がある」として、「芸藩通志」(1825年)の記述を引用し、「山頂に実乗観音をまつってある石窟のある山が立岩山である」と述べている。1135峯が立岩山であることは明確であろう。
国土地理院の三山の「点の記」を紹介しておこう。
●日の平山(地図は立岩山)
三等三角点
点名 日の平
所在地 吉和村吉和東1595番地
平成5年8月3日更新
●立岩山(地図は山名なし)
四等三角点
点名 観音
所在地 筒賀村大字上筒賀字立岩山926−1番地
昭和47年12月20日新設
●市間山(地図は市間山)
三等三角点
点名 市間山
所在地 筒賀村大字上筒賀字市間山131番
昭和47年12月20日更新 |
9:40立岩山
尾根の足跡 |
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日の平山から少し下ると、稜線上に立岩山の特徴的な岩峯が見えてきた。真っ白な深入山が目立つ。尾根道に大阪営林局の「境界見出標」が貼ってあった。登山道にはどこまでも動物の足跡が続いていた。動物たちも山歩きを楽しんでいるのか。雪はまだ締まっており、埋まることはない。稜線の東側は霞んでおり、はっきりしない。立岩山が近くなると、稜線は細くなる。稜線が岩塊に変わるとまもなく立岩山。
スギ |
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立岩山からの展望は素晴らしかった。東側は霞んでいるが、西側は鳥瞰図を見ているようだ。目前の十方山と立岩貯水池。北側の白い深入山と市間山への稜線。南西方向へ伸びる十方山稜線と黒ダキ山、冠山。
瀬戸滝登山口から十方山への登山道を目で追うことが出来る。十方山の南西の稜線近くを縫うように、下山林道が通っている。十方山周辺や細見谷をよく歩いたが、山の構造が手に取るように分かる。十方山を眺めるためなら、立岩山が一番だろう。市間・立岩・日の平の山塊は平凡な山だが、西側への展望は本当に素晴らしい。
10:30 1071標高
11:00市間山
11:30下山地点
フキノトウ |
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立岩山から市間山へ進んだ。雪はだんだんと柔らかくなっている。登山道にブナの大木が残っていた。1071標高はなだらかなピークだ。1071峯の次のピークが、地図で確認しておいた立岩ダムへ降りる地点だ。急な尾根が立岩貯水池の方向へ降りていた。市間山から東側へ伸びる稜線が見えると、ほどなく市間山到着。林で展望はない。東側へ落ちる山道が続いていた。下山地点へ引き返した。
12:10 929標高
13:10 653標高
13:30立岩ダム
15:55駄荷バス停
クマの爪痕 |
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ヤマドリ |
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下山地点から尾根を下った。雪はシャーベット状で滑りながら降りた。赤テープやビニールひもが巻いてある。この雪では逆のコースだと登りは大変だろう。幾つか尾根があるが、境谷側へ入り込まないようにしながら、左側の尾根を下りていく。途中、上部が折れたブナの大木があった。押ヶ垰の集落が林越しに見えた。十方山から落ちるナガオノオカが目前に迫ってきた。下るに連れて緑が多くなり、春の芽吹きがある。クリの木のクマ棚が残っていた。爪痕もある。ヤマドリの足跡があった。
アセビ |
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なだらかなスギの植林帯を通り、中国電力の高圧線鉄塔を過ぎると653標高。この辺りの北側を大休ミの丘という。雪は斑になりカンジキを外した。653標高から急な尾根を下って、立岩貯水池東側の山道へ出た。この道は小松原橋まで続いているようだ。下山地点から2時間ほどかかった。ここから数分で立岩ダム。
立岩ダムで数名が作業していた。聞いてみると、ダムを通る導水管にゴミがたまり、撤去しているという。貯水池には氷が張っていた。立岩貯水池の底には、かつて人々が住んでいた。「立岩貯水池側の集落は水没して無人になった…地図には水没した集落名は記していないが、大字名は下山、小字名として、立野、小松原、広瀬、一の原、二の原、大畠、三の原、立岩があったという」(「西中国山地」)。細見谷の左岸にある廃道は下山林道というが、大字名の下山のことなのだろう。
ヤブツバキ |
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駄荷の道路情報 |
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県道296号線を歩いた。ナガオノオカの降下地点を確認しておいた。ところどころ日の当たるところには可憐な花が咲いていた。寒いといっても寒さは一様でないようだ。イノシシが県道沿いの土をあちこちで掘り返していた。十方山登山口にはオフロード車が1台止まっている。十方山へ登っているようだ。先週の雪は大分少なくなっていた。細見谷入口を過ぎて県道を下ると、やっと駄荷の集落が見えて来た。駄荷の道路情報では、県道は積雪通行止めになっていたが、ダムまでは通れるようだ。立岩ダムから駄荷まで2時間半かかった。
氷の張った立岩貯水池 |
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カシミールデータ
総沿面距離19.1km
標高差656m
区間沿面距離
駄荷バス停
↓ 4.0km
林道取付
↓ 0.7km
日の平山
↓ 1.5km
立岩山
↓ 2.1km
市間山
↓ 0.5km
下山地点
↓ 2.5km
立岩ダム
↓ 7.8km
駄荷バス停
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