7:30出発 曇りのち晴れ 気温9度
8:20恐羅漢山
8:45旧羅漢山
牛小屋駐車場には、まだ入山者がいない。今日は晴れの予想だが、曇っている。立山尾根を登る。数年前の登り口と少し違っている。スキー場の整備のためだろう。以前は、林の中に見えていた山毛欅乃木小屋のすぐ傍を通る径に変わっていた。この辺りは、昔はササが覆っていた。
中腹のゲレンデから振り返ると、牛小屋高原の堰堤の水面が輝いていた。
登山道に小さな糞があった。小動物のようだが、分からない。ツルリンドウの実がまだ残っていた。枯れかけたアキノキリンソウもある。夏焼峠への分岐を通り、50分ほどで恐羅漢山。ガスで周囲はなにも見えない。旧羅漢山へ向かう。平太小屋原へ緩やかに下ると、ときどき空は明るくなるが、ガスは消えない。20分ほどで旧羅漢山。ここもキリで見通しがない。
クマの糞 |
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ウリカエデ |
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9:40カマノキビレ
9:55 1155峯
旧羅漢山の径は三叉路になっている。左は焼杉山分岐を経て、十方山登山口のあるシシガ谷手前の十方林道へ出る。右はカマノキビレを通って三本栃へ出る。旧羅漢を下り、カマノキビレへ向かった。頂上の北側の急坂を下ると、ブナ帯にはいる。大きな苔むしたブナがあった。さらに下ると、スギの植林帯に変わる。径の右側はササになっている。ここにもツルリンドウの小さな実が残っていた。クマの古い糞もあった。
ブナ |
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旧羅漢山から1時間ほどでカマノキビレ付近に到着。黄色のテープが巻いてある。ここから径は急に尾根をはずれ、南へ下っている。三本栃へ向かう径だろう。下の方へ尾根への分岐があるかと思って少し下って見たが、分岐はなかった。尾根へ引き返した。見通しの良いササ原に出て尾根筋を見ると300mほど先に1155峯が見える。2万5千地図にある破線の径は残っていない。
ミズナラ |
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「ジョシのキビレからカマノキビレまでの尾根は、伐採後成長した広葉樹の中低木帯で尾根には立派な切り開きがあり踏跡もわずかにのこっている。背の低いササをこぐ部分が多いが歩き易い」(「西中国山地」桑原良敏)。尾根径は、長年歩かれず、茂ったのだろう。
径は密集したササ薮が続いていた。尾根上の右はササ帯、左はスギの植林帯。尾根上のスギ林は小枝が入り込んでおり、掻き分けながら進む。15分ほどで1155峯。
10:40ジョシ谷分岐
11:40 1090峯
12:10 ジョシのキビレ
コアジサイ |
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山火防止 |
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1155峯から緩やかな下りになる。不思議なことに、背丈ほどあったササがやや低くなり、尾根上に少し踏み跡が現れてきた。ところどころ大きなブナが目を楽しませてくれる。伐採を免れたブナだろう。日が射すと、林間から台所原の鞍部が錦色に輝いて見える。台風で根元から折れたブナもあった。10時40分頃、2万5千地図にあるジョシ谷への分岐に到着したが、分岐を示すものは何もなかった。ササ薮がカメイ谷へ落ちているだけだった。この辺りは枝尾根が多く、キリがあれば迷うだろう。
チドリノキ |
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鞍部に下り、1090峯の登りに入ると、径はササと薮で歩きにくい。尾根径に「山火防止」の錆びた丸い看板が落ちていた。「たきび たばこ 御用心」とあった。かつて、この径はしっかりとした径だったに違いない。しばらくして尾根径では初めて、赤テープの目印があった。カマノキビレから2時間ほどで1090峯に到着。黄色のテープが巻いてある。林で展望はない。ここからは500mほどの下りでジョシのキビレ。下りのササ薮は楽だった。
13:40カメイ谷
カメイ谷 |
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コバノガマズミ |
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ジョシのキビレにはカメイ谷方向とミチガ谷方向へテープがある。ミチガ谷への径は、スギ林を降りている。ミチガ谷を降りて三本栃を通って帰るか迷った。結局、カメイ谷へ降りた。入口こそテープがあったがその先は何もない。ジョシのキビレから伸びる小谷へ下り、「西中国山地」にあるジョシ谷へ向かうトラバース径を探してみた。ジョシ谷への踏み跡が残っていたが茂っていた。少し歩いてみたが、途中で消失していた。結局、ジョシのキビレからの小谷を降りた。やがてジョシ谷と合流し、カメイ谷のイヨキリ滝付近へ下りていた。途中、赤テープが一つあった。カメイ谷の入口にも赤と黄のテープがあり、木に「広見入口」と彫ってある。広見山への入口のようだ。先週ここを通ったが気が付かなかった。
コミネカエデ |
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カメイ谷からジョシのキビレへの径は、ジョシ谷から入る谷径しかないようだ。「広見入口」の対岸に岩壁がある。
「(カメイ谷)本流が二分した所に、イヨキリ滝がかかっている。左岸を通り平坦地の寺床原に出る。二万五千分の一地図に、ジョシ谷の奥を越す破線径が記されているが、この地図上の径はない。小径はジョシ谷の奥で右折し旧羅漢山西尾根の最低鞍部であるジョシのキビレに向かって付けられている」(「西中国山地」)。この「右折」する径は消失している。
イタヤカエデ |
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14:35 33曲り
15:30台所原
16:30恐羅漢山
17:10牛小屋
33曲りに向かう。すぐに右岸に渡り、寺床付近を通り、石垣を過ぎて左岸に渡り、右岸を渡ってしばらくすると33曲り。14時35分。谷を詰めてみたいが時間がない。33曲りから谷筋を少し入って見ると、径は左岸に渡っている。またの機会にしよう。引き返して33曲りを登った。
カメイ谷に日が射して、一段と紅葉が輝いて見えた。今年の紅葉はまもなく最後だろうか。先週、雨で見過ごした33曲りから見る中ノ川山斜面のブナ林もすばらしい。100年すればブナの大木の森となるだろう。ほどなく台所原。ミズナラのある三叉路を恐羅漢山へ登った。夕暮れのブナの径は静かだった。
分岐から山頂へ寄ってみた。眺めは少し霞んではいたが、左から砥石川山、サバノ頭、十方山が目前に在った。
カシミールデータ
総沿面距離
11.3km
標高差700m
区間沿面距離
牛小屋駐車場
↓ 1.5km
恐羅漢山
↓ 0.9km
旧羅漢山
↓ 1.0km
カマノキビレ
↓ 1.9km
ジョシのキビレ
↓ 1.1km
カメイ谷
↓ 1.9km
台所原
↓ 1.5km
恐羅漢山
↓ 1.5km
牛小屋駐車場
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