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5:30出発 晴れ 6℃
5時過ぎから明るくなる。瀬戸滝への新道を登る。
6:00瀬戸滝上
瀬戸滝上流の溪を歩く。所々石垣が残っている。「木馬道が小谷を渡る所に架けてあった木橋は、全部落ちてなくなっている」(「西中国山地」桑原良敏)とあるが、この辺りに橋が架かっていたのだろうか。木馬道は寸断されており、溪が歩きやすい。
6:23右谷分れ
最初の溪の分れを右谷へ進む。左に行くと中ノ谷へ出る。右谷の左右に道はなく、ブッシュが多く歩けない。溪を歩く。しばらく歩いてキジヤ原に出ると、右側に径が確認できるが、この辺りを歩く人があまりないのか、径は薄くなっている。
6:55三ツ岩
三ツ岩手前まで石垣があった。ここまで木材運搬のための木馬道があったのだろう。三ツ岩からは大岩が多くなる。左右の崖が狭まって、鬱蒼としたブナ林が谷に被さっている。最後の小滝(大ビラメの滝)を抜けると溪は急になだらかなる。
20年ほど前、まだ渓流つりを楽しんでいた頃、大ビラメの滝の下部の落ち込みで、一尺ほどのゴギが悠然と泳いでいたのを見たことがある。数百万年ここでくらして来た祖先だったのか、それとも放流漁か。ずいぶんと魚影が少なくなったようだ。
8:30下山林道東
大ビラメの滝を抜けると、谷は平凡になり林道に出るまで、ゆるやかな溪が続いた。林道で小休止。林道を下れば十方山登山道へ出る。林道を登って雨量観測局の東へ折れる道を終点まで行けば、黒ダキ山や仏石が目前に迫る。
バーのキビレへの谷は倒木やブッシュも少なく傾斜も緩やかで歩きやすい。ただ、気温が高いためか、ハエや小虫がまとわりついてうるさい。キビレ手前の溪径はぬかるんで、地下足袋は泥で埋まってしまう。
9:05バーのキビレ
バーのキビレは笹で覆い尽くされ、ほんの数メートルほどの幅で、キビレを境に南東と北西に溪が落ちている。ここから十方山へは背丈を越える笹が続く。とくに頂上手前付近は笹と潅木が入り組んで、進行を妨げる。
昨年、黒ダキ山から十方山へ縦走したが、笹と潅木に苦しめられ、頂上を諦めかけたこともあった。キビレの東側には三ツ倉が見える。西は1168峯辺りだろうか。
9:19下山林道西
バーのキビレから下山林道西へはほんの僅かだった。林道へ降りる溪も歩き易い。下山林道へ出ると十方林道から四輪駆動車の警笛が絶え間なく響いている。
9:43下山橋
下山林道を下ると、ボーギのキビレや焼杉山が目の前に現れる。
時々、十方林道をけたたましいエンジンを鳴らして、マウンテンバイクが突っ走る音が聞こえる。二十数分で昭和52年に架けられた下山橋に到着。小休止。
10:16ケンノジ谷入口
林道を歩いているとバイクやオフロード車とすれ違う。林道や細見谷に沿って広がる渓畔林を歩くのは気持ちよい。年に一度は立野から細見谷を抜け、十方林道を歩き、十方山を回って帰ることがあるが、ただ歩くだけで気持ちが洗われる。
ところどころ測量の杭が埋まっている。林道を拡幅舗装するなんて馬鹿げたことをするものだ。いつまで自然を破壊することを続けるのだろう。遅かれ早かれ流域の人々にも源流破壊の結果がもたらされるであろう。残念なことだ。二十数分でケンノジ谷入口の橋に到着。
12:22頂上
細見谷の最も上流にあるケンノジ谷を遡上する。ケンノジ谷は歩きよいゆるやかな溪がつづくが、径はない。しかし焼杉山へ向かっている支流に入ると倒木や潅木が多い。支流の右側の杉林の尾根に取り付いてみた。尾根筋は潅木や笹も少なく、歩きやすかった。
頂上200メートル手前まで歩きやすい径が続いたが、そこから上は、笹と潅木が待ち構えていた。頂上付近の尾根から見える十方山のゆるやかな稜線がすばらしかった。十方山の新たな発見をした思いだった。
13:27下山
頂上の尾根は先月登った京ツカ山の頂上と同じように背丈を越える笹で埋まっている。登る人がないのか目印ひとつ見かけなかった。山頂で1時間余り三角点を探したが見つからない。頂上付近の稜線上を何度も往復して見たのだが発見できなかった。時間切れで下山した。次回の楽しみにしよう。
14:40ケンノジ谷入口
登ってきた谷に向かって降りる。谷沿いは潅木やぬかるみで歩きにくい。右側の尾根筋に取り付く。支流に出ると、左側の杉林を降りた。頂上からずっとハエがまとわりついて離れない。リュックを下ろすと数十匹のハエがリュックに群がった。十方林道に出て水越峠を経て十方山シシガ谷登山口へ。
15:00シシガ谷登山口
小休止して、十方へ。途中で半そでの登山者が鐘を鳴らしながら降りてきた。少し歩き過ぎたか、登りはくたびれた。
16:13頂上
頂上は誰もいなかった。カラスが二羽あわてて飛び立った。涼しい風があり、ここまではハエもついて来なかった。写真を撮った。いままで何度も十方山に登っているが、ここから焼杉山が見えるとは思っても見なかった。写真を撮っているとすぐに分かった。登ってみて初めて身近な山になるのだろうか。
18:05瀬戸滝登山口
登りもくたびれたが、下りは余計に足にきた。瀬戸滝登山口まで随分長く感じられた。
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