山歩き

一軒家…魚切林道…冠山…源流碑
2020/9/26

一軒家…鉄塔道…タキガ谷…ソーラー発電所…魚切林道…国体コース…源流碑…オオリュウズ…タキガ谷林道

■冠山(カムリヤマ・コウソンカムリ)1339m:広島県佐伯郡吉和村字吉和西(点の記) (廿日市市)

アスファルトが抉れた林道
タキガ谷林道に入る
47番鉄塔
47番から車道に出る
タキガ谷の枝谷右岸を進む
植林地の中の山道 タキガ谷右岸
タキガ谷右岸の大岩
タキガ谷を渡る
タキガ谷左岸の山道を進む
46番鉄塔に出る
木橋を渡る
45番鉄塔に出る
44番鉄塔
高速道下の階段に出る
小椋谷の墓所に出る
ハシノ谷の高架を潜る
42番鉄塔の下に出る
ソーラー発電所と42番鉄塔
箱罠のクマ
唸り声をあげて威嚇するクマ
魚切林道に出る
ヒキアゲ谷の工事現場
工事現場
ヒキアゲ谷とチャウズ谷の間の尾根に取り付く
国体コースの大岩の間を通る
ササを敷いたクマの休み場
登山道に出る
冠山
ガスの展望地
源流碑
オオリュウズ水源を下る
スギ林のオオリュウズ源流を下る
林道へ降りる
林道からアンテナ塔が見える
オオリュウズへ入る薮の林道の入り口
ヘイケ谷のスギ林
6:35 一軒家 気温16度 曇り
 

7:05 47番鉄塔
7:45 46番鉄塔
7:55 45番鉄塔
8:10 44番鉄塔
9:00 ソーラー発電所
9:25 魚切林道
10:15 林道工事現場
11:45 1129P
13:05 冠山
13:30 源流碑
14:20 オオリュウズの林道終点
14:55 雨量観測局(タキガ谷林道)
15:50 一軒家

 
 曇り空の一軒家、濡れた林道を進む。ツリフネソウ、ミゾソバが咲いている。林道のアスファルトが流されて、抉れていた。大雨の時は林道が川のようになるのだろう。タキガ谷林道に入る。キバナアキギリが咲く。

 48番鉄塔を過ぎると曇り空の前方に47番鉄塔が見える。30分ほどで47番鉄塔入り口、スギ林の横道に入ると古い榾木が立ててあったが、朽ちていた。47番鉄塔は鉄柵で囲まれ、46、48への表示がある。

 鉄塔道を進むとすぐに分岐、左へ進むが薮となり、引き返して右へ進む。高速道沿いの舗装路に出る。東側に山が見える。車道からタキガ谷右岸の広い山道に入る。タキガ谷の枝谷沿いを進むと大きいトチノキがあった。電柱のある所から暗いスギ林に入ると道が通っていた。

タキガ谷右岸のトチノキ
ナガミノツルキケマン
キバナアキギリ

 道を少し下って大岩の所からタキガ谷左岸にわたると山道が通っていた。山道を進み、途中から46番鉄塔に出る。南側から道が上がっている。鉄塔道を進むとクヌギにクマ棚があった。下に枝が散乱していた。木橋を渡る。45番鉄塔に出る。

 鉄塔道はサコ谷を迂回して山側に入る。木橋を渡る。伐採地に出ると44番鉄塔が見える。途中猛烈な薮になっている。ガマズミの真っ赤な実が生る。小谷にイノシシの足跡があった。アケボノソウが咲く。44番に出る。鉄塔道を下ると林道に出た。道は高速道から山側に入っている。

 小椋谷の高架へ降りる道があるようだが、猛烈な薮が覆っていた。高速には工事中の標識が置いてある。引き返して林を抜け谷へ降りると、高速道へ上がる階段に出た。階段を下り、小椋谷に架かる橋を渡り、左岸の道を下る。エゴノキにたくさんの実が付いている。

クマ棚の下にクヌギの枝が散乱
イノシシの足跡
ミヤマガマズミ
エゴノキ

 墓所を過ぎて集落道に出る。ハシノ谷右岸の道を進み、高架を潜り、高速道沿いに道に出る。ノイバラに赤い実が付き、アキノキリンソウが咲く。頓原の高架まで下ると42番鉄塔が左に見える。車道を上がり太陽光パネルに出る。入り口に「梶広建設ソーラー発電所」の看板がある。

 一休みして発電所を通り、クリ畑の前の農道を進むと、道の角に箱罠が仕掛けてあり、クマが入っていた。うずくまっていたクマが起き上り、箱罠に前足を掛けて起き上り、唸り声をあげて威嚇してきた。クマの檻の後ろの林を抜けたかったのだが、相棒でも潜んでいるかと思い、早々に東側の谷へ下る。

 潮原南谷の木橋を渡り、植林地を抜けて農道に出る。そこから舗装された魚切林道に出た。下方に倉庫が見え、その先に鵜の子山が見える。クマノミズキ、キバナアキギリが咲く。

ソーラー発電所
ソーラー発電所
箱罠のクマ
潮原南谷の木橋

 林道はUターンし、北向きに変わる。突然、バーンバーンと2発の銃声が下方から聞こえた。クマを捕獲した箱罠から400mほどの所だった。時刻は9時51分、クマに遭遇して40分が経過していた。クマは殺処分されたようだ。

 898ピークを周り込み、ヒキアゲ谷を渡るところに2台のパワーショベルが止まっていた。谷の下に導水管が頭を出していた。魚切線平成29年度事業の標識がある。谷を渡り少し進むと2台の重機が止まっていた。その先で作業中の現場に出た。そこから尾根に取り付く。

 境界標柱が続き、踏み跡がある。ツルアリドオシの赤い実。950m付近のブナにクマ棚があった。折られた枝にに実の殻が付いている。林床に赤い実や花芽をつけたミヤマシキミが多い。国体コースの尾根に出る。冠山噴火の痕跡か、大岩が点々と続く。地籍図根三角点の標柱がある。1129ピークは林で展望は無い。

クマノミズキ
ツルアリドオシ
クマ棚の下にブナの実の殻
地籍図根三角点

 1129ピークから下った所にクマの円座があった。ササの葉を丸く敷き、丁寧に座を拵えている。人が通らない旧登山道はクマの休み場になっている。登山道に出る。西に進むに連れ雨が降ったり止んだりする。アキチョウジの青が濃い。1時間ほどで冠山、ガスが覆っている。北の展望地は視界ゼロ。

 早々に南へ下り、源流碑に出る。一休みしてオオリュウズ水源を下る。緩やかな林の谷が続く。スギの大木が多い。途中から左岸の山道を下る。道が消失したところで植林地を下り林道に降りる。林道は所々大薮になっている。ようやく前方にアンテナ塔が見えてきた。

 雨量観測局のあるタキガ谷林道に出る。下って行くと、大きな角を付けた大シカが北側の林道の奥に逃げるのが見えた。その方向からキーンと言う甲高い鳴き声が聞こえた。冠山周辺でシカを見たのは初めてだった。2017年に細見谷での記録があり、それも大きいシカだった。1時間ほどで一軒家に下る。 

ツリフネソウ
アキチョウジ
アケボノソウ
キンミズヒキ
ミゾソバ
キクバヤマボクチ
ノイバラ
アキノキリンソウ
モミジガサ

 
 ■地名考


 冠山(1339m)の呼称は、はじめ「カムリヤマ」と呼ばれ、後に「冠山」の字が当てられ、「かんむりやま」と呼ぶようになった。冠山の西の峯は「ウシロカムリ」と呼ばれている。

 「冠山の山名の初見は『吉和村御建野山腰林帳』(1725年)と思われる。『高そん加むり山、この山の内。来留尊佛と申石御座候』と記されている」(「西中国山地」桑原良敏)。

 「高そん加むり山」は、「コウソンカムリヤマ」と呼ぶのだろう。「コウソンカムリ」は「クルソンカムリ」が訛ったものと思われる

 「クルソン」の地名は西日本だけのようである。
 黒尊岳(鹿児島県)、黒尊渓谷(高知県)、拘留孫山(山口県)、黒惣(岡山)、具留尊山(兵庫県)、倶留孫山(クロソ・奈良県)など。 

 才乙の「冠山」(1002m)は、元の呼び名は「かむり」と呼ばれ、地元では「かぶりやま」と呼ばれている。

 才乙の冠山の北東の島根県瑞穂町の「冠山」(859m)は、コウブリ山、コーブリ山、カウムリ山などの名があり、元の呼び名は「カフリ山」であった(『西中国山地』)。

 出雲風土記に冠山がある。出雲風土記、神門郡の山野にある冠山は「かがふりやま」と読む。

 「郡家の東南五里二百五十六歩の所にある。〔大神の御冠(みかがふり)である〕」(出雲風土記)。

 出雲風土記の冠山の由来は、大神の「みかがふり」ということから、山の形が大神の冠に似ているので冠山と呼んでいる。


 冠は古くは「かがふり」といった。頭にかぶるもの、かぶる、位階、頂く・受けるなどの意がある。

 古事記、万葉集に冠(かがふり)がある。

 古事記の冠(カガフリ)

 「次、於投棄御冠飽咋之宇斯神」(原文)

 「次に投げ棄つる御冠(みかがふり)に成りませる神の名は、飽咋の大人(あきぐひのうし)の神」

 ここにいう冠(かがふり)とは帽子のことで、頭にかぶるもの。

 万葉集の冠(かがふり)

 万葉集に「かがふり」を含む歌が3首ある。

 歌番号892
 麻被 引可賀布利(原文)
 あさぶすま ひきかがふり(かな)
 麻ぶすまをかぶる(かける・ひっかぶる)(訳)

 「かがふり」はかぶる、掛けるの意。

 歌番号3858
 五位乃冠(原文)
 ごゐのかがふり(かな)
 五位の位階(冠は位を示す文書に代わった)

 「かがふり」は位を示す。
 古くは位階によって冠の色が違った。

 歌番号4321
 美許等加我布理(原文)
 みことかがふり(かな)
 天皇の命令を受け(訳)

 「かがふり」は受けるの意。

 「かがふり」は古代には、「かんむり」「かぶる」「うける」の意があったことがわかる。


 カガフリ カウブリ カウブル カウムル カブリ カムリ カンムリ などと変化したと考えられる。


 万葉集(4238)に「かづらかむ」がある。

 「縵可牟」(かづらかむ=原文)で、「かづらを被る」の意である。「かぶる」「かむる」の用例は古くからあったと思われる。

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カシミール3Dデータ

総沿面距離20.2km
標高差698m

区間沿面距離

一軒家
↓ 7.0km
魚切林道
↓ 2.3km
魚切林道工事現場
↓ 3.8km
冠山
↓ 3.3km
雨量観測局
↓ 3.8km
一軒家
 

 
 
 
 
44番鉄塔と小室井山
箱罠のクマ
箱罠のクマ
鵜の子山を望む 魚切林道から
円座 クルソン岩南
  
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)