6:30 駄荷集会所 気温-2度 曇り
8:05 五本桂三角点
8:35 論田の頭
9:20 日の平山
9:40 坂原分岐
10:30 立岩山
12:00 市間山
12:15 下降地点
12:55 929P
13:35 山道
13:55 11番鉄塔
14:15 貯水池歩道
14:20 立岩ダム
14:40 大谷川
14:50 バアガ谷
14:50 ニノワラのリュウズ
15:25 十方山登山口
15:50 立野入口
16:25 駄荷集会所
駄荷集会所を出発、2年前の2月19日は銀世界だったが、今年は雪が無い。駄荷集落を通り、林道に入るが、ここも雪が無かった。2年前は30cmほどの雪があり、ここからカンジキを履いたのだが。積雪の無い林道を進む。最初の分岐に重機が置いてあった。
分岐を過ぎた辺りから、昨日からの雪で数センチほどの雪道になる。小谷を渡り三つ目の分岐に、2年前と同様に箱罠が置いてあった。「造林作業路 五本桂線」の標柱も立っている。左岸の林道を進む。ノウサギの足跡が林道に続く。足跡は途中で谷へ降りて、そこで消えていた。右岸へ渡った形跡が無い。
五本桂線 |
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次の分岐を南へ折れる。さらに分岐を南へ進む。尾根に出る植林地の小谷を登る。ササの葉に雪が覆っている。立っていたササに昨日の雪が被さって傾いていた。ササ原の尾根を進む。尾根上の林道終点に出た。北側から林道が尾根に入っていた。尾根の東側は低い雲と林で展望が無い。
終点からほどなく五本桂三角点。雪で石柱が見当たらない。雪から枝を出したミヤマシキミが赤い実を付ける。ヒノキ林と雑木林のササ尾根を進む。五本桂から30分ほどで論田の頭。ノウサギの足跡がある。西尾根へ進む。ササの雪道を踏む。
ミヤマシキミ |
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日の平山への急なササ道になる。後ろを振り返ると、歩いて来た所のササの雪が落ちて、道が緑の帯になっていた。論田の頭から45分で日の平山。気温はマイナス2度。三角点が頭を出していた。三角点に座ってコーヒータイム。見上げると、ミズナラにクマ棚があった。
北尾根を進む。ノウサギの足跡が続く。ほどなく坂原分岐。市間山、十方山の尾根が薄っすらと見える。茶色になったブナの葉が残る。枝や冬芽に雪の結晶が棘のように出ている。林の向こう、西側の十方山尾根の山腹に雪の帯が見える。木々の枝は雪の衣を纏う。
ブナの葉と冬芽 |
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雪の衣 |
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雪尾根に真っすぐノウサギの足跡が続く。立岩山に近づくと岩尾根に変わる。立岩観音に出る。ロープを掴み、岩の上に出る。展望が開け、眼下に立岩貯水池が見えるが、十方山は低い雲に隠れる。歩いて来た尾根はガスで霞んでいる。岩尾根をさらに進み立岩山に出る。雪の中に三角点が覗く。気温は1度になっていた。
市間山はガスが掛かる。正面の十方山は雲が掛かる。眼下の山腹に垰集落が見える。立岩ダムは山の陰になって左岸の建物が見える。十方山登山道の尾根の先に黒ダキ山が見え、その後に五里山の峯が見える。ヤマグルマの実に雪が被る。
立岩山 |
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ヤマグルマ |
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幹に付いた雪の結晶 |
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枝に付いた雪の結晶 |
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岩場からロープを掴んで下る。幹から雪の結晶が棘のように出ている。枝も棘で覆われたようになっている。立岩山から尾根を進むと、吹き溜まりに埋まり始めた。そこからカンジキを履いた。平坦地のキハダ群生地を通り、急坂を下る。ノウサギの足跡がある。ミズナラにクマ棚があった。大きいブナの倒木を過ぎると、2,9mブナが立っている。
広い平坦地を進む。ツルアジサイのドライフラワーが雪の上に落ち、枝にも残っている。雪面は針のような雪の結晶で覆われていた。立岩ダムへの降下地点を過ぎると、吹き溜まりの雪が深くなる。立岩山から1時間半ほどで市間山。気温は0度になっていた。北側へ雪の登山道が続いている。
ツルアジサイ |
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雪の花 |
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雪の花 |
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枝に付いた雪の結晶 |
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雪の結晶 |
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木々の枝には雪の花が咲いていた。尾根の東側から雪が吹き付けていたのが分かる。枝の東側に雪の針が覆っている。降下地点からササが出た尾根を下る。北側へ砥石郷山の峯が見える。境谷へ降りる境界尾根にテープが続く。1030m付近のミズナラの根本に折れた枝が散乱していた。樹上にクマ棚が少し残っていた。
平坦な尾根を進む。植林地を西へ進む。929ピーク手前にクマ棚があった。929ピークから急坂を下ると大きいブナがある。前方に奥三ツ倉から下りる尾根が見える。ミヤマシキミに小さいツボミが付いている。大休ミの丘へ下りる山道に出た。山道を横切って西尾根を進む。
キリイシのタキ |
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ミヤマシキミ |
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尾根をしばらく進むとユズリハの群生地に出る。植林地を通り11番鉄塔に出た。ここから北へ進めば立岩ダムへ下りる山道に出るが、そのまま西尾根を下る。急坂に獣道が続く。貯水池の破線道の山道に下りた。尾根の降下地点から2時間ほどだった。
山道にホオノキの葉と実が落ちていた。立岩ダムへ進む。ダムの下流側の壁面を見ると亀裂が走り、修復した跡が見える。1939年から80年が経過している。貯水池には氷は見られなかった。左岸の車道に上がると押ヶ垰断層帯上の押ヶ垰集落が見える。
ユズリハが群生 |
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ホオノキの葉と実 |
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雪の無い車道を進む。ヤマコウバシの茶色の葉が落ちないで残っている。アセビはまだツボミだった。大谷川の上流に雪の尾根が見える。貯水池の上流に女鹿平山が見える。大谷川でコーヒータイム。観音地蔵の前を通る。湖岸の先に立岩山が見える。
バアガ谷を通る。市間山と降下地点から下る湖岸へ続く尾根が見える。法面に生えるヤブツバキはまだ蕾だった。ニノワラのリュウズに滝が落ちる。この時期、右岸の小谷から落ちる雪で車道は塞がれるのだが、雪が少ししか無かった。一ノ原の民家跡には「佐原屋家累代納骨塔」の碑が寂しく立っていた。
エビフライ |
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湖岸の水鳥が一斉に飛び出した。十方山登山口も全く雪が無かった。ニイハタ谷で顔を洗った。小松原橋手前に倒木。橋を渡った右岸にはいつも雪が残っているのだが、今年は少ししかない。そこから少し進んだ所に雪があったが、轍の跡があった。立野キャンプ場入口も雪が無い。
車道を大分進んだ。吉和川左岸のヒノ谷の落ち口が見える。松ぼっくりの食痕のエビフライが落ちていた。ムササビの仕業だろう。アセビにツボミが膨らんでいた。立岩ダムから2時間ほどで集会所に帰着。
2.9mブナ |
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市間山から北へ続く山道 |
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立岩ダム直下 |
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押ヶ垰集落 |
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大谷川 |
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観音地蔵 |
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ニノワラのリュウズ右岸の雪 |
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一ノ原 |
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十方山登山口 |
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セト谷 |
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ニイハタ谷 |
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小松原橋 |
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吉和川 |
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立野入口 |
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ヤマコウバシ |
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キクバヤマボクチ |
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サルトリイバラ |
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ヤブツバキ |
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ヤブツバキ |
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アセビ |
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■地名考
崖地名のツエ、クエは広く分布する。西日本に多く、中国、四国、九州に多い。
西中国山地地形方言「ツエ」「クエ」は「山崩れ」「崩れることをツエル」(「西中国山地」桑原良敏)という。
「西中国山地」に、「ツエ」「ズエ」を含む地名は15ヶ所ほどある。
「オオゼイ谷(柏原山)はかなり急な谷なので大崩壊したことがあるという。崩壊することをガレルとかツエルとか表現することはよく知られている」(「西中国山地」)。
オオゼイはオオツエの変化形と思われる。
「ツバクラ 崩岩。ツバキ(崖)。ツバケル(崩れる)。クラ(崖)。即ちツバケタクラ→ツバクラ。燕(ツバクラ)は当て字(「西中国山地」)。
市間山にツエ谷とオオズエ谷がある。立岩山の西にオオズエ谷がある。
市間山の西、大休ミの丘に「清水」(セイズイ)の地名があるが、これはツエ谷の入口付近の地名である。「ズイ」は、ツエ、ズエの変化形と考えられる。清水の西にタユウ谷、東にクラ谷がある。タユウはツエ、ツイの変化したものか。
「清水」を「セイズイ」「セイスイ」と読む地名が他に2か所ある。
清水(せいすい) [鹿児島県大島郡瀬戸内町]
清水(せいずい) [愛媛県北宇和郡鬼北町]
地名ツエは崩、潰、津江、杖などの字を当てている。
クエは久江、崩、久重、久会、久恵などを当てる。
松山市東方の白潰(シラツユ)
浜田市の潰(ツユ)
下松市の大崩(オオヅエ)
松山南部の明杖(アカツエ)
大阪富田林の青崩(アオグエ)
和歌山県寒川村の糠崩(ヌカクエ)
熊本県のクエ地名
辰崩、蛇崩、小崩、大崩、白崩
岡山県のツエ地名
赤崩、大崩、大づえ、小ヅエ、ツエヌケ
ズル、ヅリ、ヅエ、ジャレ、ツエ、退、摺、辷
大スリ、大ヅリ
大退、大退り、大退レ
高知県のツエ
ツエノハタ、ヲヲツエ、赤ツエ
浜田 ツエ、ツエル 山が崩れる事
奈良・十津川 ツエ、ツエル、クエ 崩れる
岡山 ツエ、ツエル 山崩れ
茨木・奈良・京都・和歌山・九州 クエル・ズエル・クユル
石見 クエル 崩れる・崩落する
柳井・浜田・広島 ズエル・ツエル 崩れる
ツエ地名は西日本(中部地方以西)に多い地名のようだ。
アイヌ語の崩壊地名
アイヌ語に tuy がある。
tuy トィ・ツィ きれる・くずれる
tuye トィエ・ツィエ きる
tuypa トィパ・ツィパ きる(複数形)
これらは、西中国山地地形方言、ツエ=山崩れ、ツバクラ=崩・崖に対応している。
koy-tuye コイトイ(コイツエ) 波が・崩す
tuye-pira トイピラ(ツエピラ) 潰・崖
to-tuye トートイ(トーツイ) 沼・潰
siri-tuye シリトイ(シリツイ) 山・潰
hure-tuye フレトイ(フレツイ) 赤・潰
アイヌ語では 「kina-tuye
草を・刈る」のように、「刈る」の意もある。
次のような方言がある。
トゥイパレン 取り払う 今帰仁
ツィムィバラ 切腹 奄美
ツム 切る 石見
ツバエル はしゃいで騒ぐ 石見
ツマエル 髪を切る 天草
ツミィ 刈る 宮古
トボス ともす・火をつける 各地
西中国山地の「ツエ」「ズエ」地名
ツエ谷(天狗石山)
オオツエ谷(柏原山)
ツエゲキ(春日山)
ツエオクエキ(三段峡)
ツエガ谷(半四郎山)
大峯破=オオズエ(匹見川)
オオズエ谷(高井山)
ツエ谷(市間山)
オオズエ谷(市間山)
オオズエ谷(立岩山)
ツエゲキ(大峯山)
オオズエ谷(燕岳)
ツエガダニ(大将陣山)
ツエガ谷(平家ヶ岳)
ツエヌケ(平家ヶ岳)
カシミール3Dデータ
総沿面距離19.7km
標高差635m
区間沿面距離
駄荷集会所
↓ 3.8km
五本桂
↓ 1.6km
日の平山
↓ 1.6km
立岩山
↓ 2.2km
市間山
↓ 3.2km
立岩ダム
↓ 7.3km
駄荷集会所
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