山歩き

一軒家…冠山…冠山北回り…源流碑
2018/3/3

一軒家…中の谷の滝…冠山…冠山北回り…源流碑…5.4mブナ…頓原雨量観測局…一軒家

■冠山(カムリヤマ・コウソンカムリ)1339m:広島県佐伯郡吉和村字吉和西(点の記) (廿日市市)

一軒家駐車場
雪が覆う伴蔵川沿いの林道
除雪されたタキガ谷林道
タキガ谷林道の除雪は最初の分岐地点
タキガ谷
中の谷から落ちる滝
中の谷を渡る
中の谷から植林地に入る
スギ林を登る 1100m付近
山頂直下のスギ林に入る
山頂尾根を進む
羅漢山から横山方向を望む
クルソン岩を望む
道標
十方山を望む
冠山北面の岩壁下に出る
岩壁
岩壁に下がるツララ
広高山
源流碑
フカ谷水源のスギ林を進む
クマ棚
散乱する木くずと突いた痕
幹全体に爪痕
白いゴルフ場
鬼ヶ城山、羅漢山を望む
5.4mブナ
頓原雨量観測局
林道を下る 左の林道は観測局から北へ延びる林道
6:25 一軒家 気温−3度 晴れ
 

7:50 林道終点
11:55 冠山
13:20 冠山南登山道合流
13:30 源流碑
14:00 1184P
14:25 5.4mブナ
14:40 頓原雨量観測局
15:10 林道合流
15:50 除雪地点
16:00 一軒家 


 雪の残る一軒家駐車場を出発。林道の水溜まりに氷が張っている。伴蔵川左岸の林道とフカ谷に上がる林道は、まだ雪が覆っているが、タキガ谷林道入口はゲートが開けられ、除雪されていた。

 植林地を進むと、除雪されていたのは、49番鉄塔の南から西へ上がる林道分岐までで、ここからタキガ谷林道は雪が覆っていた。ここからカンジキを履く。タキガ谷林道に足跡が続いている。

 眼下に高速道を走る車が見える。タキガ谷の水流がだんだんと大きくなる。眼下に見えるタキガ谷は、白く泡立っている。林道は一旦、タキガ谷を離れてU字に回り、再びタキガ谷右岸に入る。出発から林道終点まで1時間半掛かった。

ノウサギの糞

 前方に中の谷から落ちる滝が見える。林道終点から右岸斜面の柔らかい雪に埋まりながら、滝上に出る。中の谷の右岸斜面を進む。左岸に頓原造林地の看板が見える。雪融けで増水した中の谷を渡る。急斜面を這い上がり、スギの植林地に入る。

 柔らかい雪の植林地を進む。ノウサギの糞があちこちに転がっている。尾根が急坂に変わると、ひざ下まで埋まりながらの登りとなる。西側に岩壁が見え、中の谷の滝音が聞こえてくる。

 柔らかい雪の植林地の尾根を登る。1100m付近から雪が締まってくる。気温は9度だった。ノウサギの足跡が続く、少し進むと、また雪に埋まり始める。1200mを越えた辺りから雪が締まってくる。山頂直下のスギ林に入る。深い雪を抜けて稜線に出る。急に景色が広がる。

 眼下にクルソン岩が見え、その左に鉄塔と高速道が見える。山頂の道標は雪に埋まり、頭が出ている。北端の展望地に進む。遠くは霞んでいるが、旧羅漢山、恐羅漢山、右に十方山、その間に苅尾山、右手に立岩山が見える。十方山の手前に送電線を結ぶ鉄塔が左右に長く続いている。

落とし穴にはまる

 北端から引き返して、冠山東面を下る。十方山を見ながら、急斜面を北側へ進む。冠山北面の岩壁下に出る。下の尾根に大きいブナが見える。岩壁の下の急斜面をトラバースして北側へ回る。広高山が大きく見え、右に赤谷山(立岩山)、大神ヶ岳が見える。岩壁にツララが下がっている。

 冠山西面に回り込み、登山道に合流した。冠山北面を回るのに1時間ほど掛かった。そこから10分ほどで源流碑に出た。源流碑の大きいブナを撮影し、フカ谷水源の南側のスギ林の尾根へ進む。スギ林のピークで、倒木の間にできた落とし穴にはまり、腰まで抜ける。

 ピークからブナ林の尾根を下る。下って行くと、ブナの熊棚が多くなる。頭上に折られた枝が固まった残り、幹には爪痕が多い。雪上にブナの実の殻がたくさん落ちていた。1184ピークを過ぎた所に木くずが散乱し、樹皮を突いた痕があった。

散乱するブナの殻

 さらに下ると、熊棚が派手に残るブナがあった。幹が爪痕だらけになったいた。この尾根は熊の痕跡が多い。下部の平家三角点の南側で、一昨年の11月にクマを目撃している。下って行くと、また落とし穴に落ちた。1100m付近の展望地に出る。眼下に白いゴルフ場が見える。鬼ヶ城山、羅漢山への見通しが良い。その左側に横山が大きく見える。

 ブナの尾根からスギ林の南へ下る。幹回り5.4mの巨ブナまで下った。冠山周辺では一番大きいブナと思われる。幹を支える根が地面に出て、その周りに瘤が多い。さらに下ると、尾根を岩壁が塞ぐ。左回りにスギ林を下り、林道が通る頓原雨量観測局に出た。

 南側にアンテナ塔が見える。東側のヘイケ谷水源の林道を下る。30分ほどで、今朝通った林道に合流。そこから40分ほどで除雪地点。林道ゲイト近くの分岐に除雪車が見えた。

源流碑のブナ
幹全体に爪痕
ブナのクマ棚
幹全体に爪痕
5.4mブナ
5.4mブナ
5.4mブナ
5.4mブナ
 
アンテナ塔


地名考

 冠山(かんむりやま)の呼称は、はじめ「カムリヤマ」と呼ばれ、後に「冠山」の字が当てられ、「かんむりやま」と呼ぶようになった。

 才乙の「冠山」も、元の呼び名は「かむり」と呼ばれ、地元では「かぶりやま」と呼ばれている。 

 島根県瑞穂町の「冠山」は、元の呼び名は「カフリ山」であった。


 出雲風土記に冠山がある。出雲風土記、神門郡の山野にある冠山は「かがふりやま」と読む。

 「郡家の東南五里二百五十六歩の所にある。〔大神の御冠(みかがふり)である〕」(出雲風土記)。

 出雲風土記の冠山の由来は、大神の「みかがふり」ということから、山の形が大神の冠に似ているので冠山と呼んでいる。


 古事記に「みかがふり」がある。「次に投げ捨てた御冠(みかがふり)に生まれた神の名は、 飽咋(あきぐひ)のウシノの神」とあるように、冠(かんむり)の意として使われている。


 万葉集に「かがふり」を含む歌が3首ある。 

 歌番号892 
 麻被 引可賀布利(原文)
 あさぶすま ひきかがふり(かな) 
 麻ぶすまをかぶる(かける・ひっかぶる)(訳) 

 「かがふり」はかぶる、掛けるの意。

 歌番号3858 
 五位乃冠(原文)
 ごゐのかがふり(かな)
 五位の位階(冠は位を示す文書に代わった)

 「かがふり」は位を示す。
 古くは位階によって冠の色が違った。

 歌番号4321
 美許等加我布理(原文)
 みことかがふり(かな)
 天皇の命令を受け(訳) 

 「かがふり」は受けるの意。

 「かがふり」は古代には、「かんむり」「かぶる」「うける」の意があったことがわかる。


 次のような方言がある。

 首里・那覇方言 
 カカイムン (名詞) 憑きもの。もののけが憑くこと。生霊または死霊が何か頼みごとなどあって人に憑くこと。 

 今帰仁方言
 「カガーミー」「カンヂュイ」=鶏冠
 「カンビン」「ハンビン」は、被るの意。

 沖縄方言
 「カンムイ」は、頭にかぶるもの一般、帽子の意。
 「カンジュン」は、かぶるの意。

 奄美方言
 「カブルリ」は、かぶるの意。

 宮古方言
 「カヴ」は、生えるの意。
 「カムギ」は、鶏冠の意。

 新潟県
 アゲカムリ 女のかぶりもの

 対馬
 カムリイシ 墓上に敷く平石を冠り石という

 伊豆の新島
 カムリカタビラ 被り帷子

 壱岐
 ワタボウシカムリ 綿帽子かむり

 福島県
 デンバカブリ 手拭きの被り方の一種

 岩手県
 トリコカブリ 手拭きの被り方

 喜界島
 ハブッサジ 祝女(のろ)の頭を覆う白布
  手拭きはハンサジといが、ハンはカブリの意

 壱岐
 フキカブリ 新築家屋の屋根葺終り


 次のようなアイヌ語がある。

 kamure (kamu-re)カムレ  
 〜にかぶさる・させる
 〜に〜をかぶせる

 sikakamure (si-ka-kamure)シカカムレ 
 自分・の上・〜に〜をかぶせる
 〜を頭の上にかぶる
 (以上『沙流方言辞典』)。

 kamu-re カムレ 
 かぶせる・おおう
 (『萱野茂アイヌ語辞典』)

 toy-kamure トイカムレ 
 土をかぶせる

 kamure カムレ 
 かぶせる・おおう・布をかぶせる
 (以上『アイヌ語』方言辞典)

 korkoni ham kamure コルコニ・ハム・カムレ 
 フキの葉をかぶせる

 ra-kamure ラカムレ 
 〜に覆いかぶさる

 si-ka-kamure シカカムレ 
 自分の上にかぶせる

 tek-u-kamure テクカムレ 
 手を互いに合わせる

 u-kamure ウカムレ 
 〜を重ね合わせる

 kamu カム 
 かぶさる
 (以上『アイヌ語電子辞書』)

 kamu kamu unhonkokishma
 カム カム ウンホンコキシマ
 おおいかぶさって,自分の腹にしっかりと私を抑えていました
 (『アイヌ神謡集』)


 上記の例から次のようにあらわすことができる。

 ka-kamure-i
 カ・カムレ・イ=カカムリ
 上・にかぶせる・もの

 「カカムリ」は古代語「かがふり」に近い。
 「カカムリ」が「カガフリ」に転訛したとも考えられる。

 「カガフリ」は「上にかぶせるもの」の意であり、「かんむり」「かぶる」の意となった。


 次のようなアイヌ語がある。

 kamu カム かぶさる・覆う

 kamu-re カムレ かぶせる・おおう

 kamuy カムイ 神 カム・イ=かぶさる・もの

 ka-mu-i カ・ム・イ 上面・ふさがる・もの
 (黒雲=カミナリ、雷雨 神=魔=おそろしいもの)


 国語辞書に次のようにある。

 被る(かがふる)=かぶる・受ける・賜る

 被る(かぶる) かがふるの音韻変化、かうぶるからさらに変化、覆う・浴びる・受ける・こうむる。

 こうぶる・かうぶる

 こうむる・かうむる こうぶるの音韻変化。

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カシミール3Dデータ

総沿面距離11.7km
標高差644m

区間沿面距離
一軒家
↓ 2.9km
林道終点
↓ 2.3km
冠山
↓ 1.4km
源流碑
↓ 1.7km
頓原雨量観測局
↓ 3.4km
一軒家
 

クロソン岩
旧羅漢山・恐羅漢山               苅尾山                 十方山      奥三ツ倉
冠山北面の岩壁
冠山北面から見た広高山
展望地から見た羅漢山と鬼ヶ城山
クマ棚
幹全体にクマの爪痕
5.4mブナ
 
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)