山歩き

R488…五里山…1158P…十方山林道
2016/3/20

R488…林道…県境尾根…五里山…1158P…十方山林道…押ヶ峠…林道終点

■五里山(ゴリヤマ)1130m:島根県と広島県県境の地形図上の峯

十方山林道入口
ヤマダチ谷、バンジョウ川合流点
コウサギノ谷林道入口
御境手前から林道に入る
県境尾根鞍部に残る雪
コナラのクマ棚
冠山 五里山西の展望地から
ササ原に出る 1064Pと十方山
植林地の鞍部に下りる 1064P西
県境尾根東側の小谷水源の雪原に出る
県境尾根から千両山を望む
1158Pから北東面へ進むと雪が残る
県境尾根の先に旧羅漢山が見える
小尾根の谷筋は雪が残る
雪の上に散乱するブナの実の殻
細見谷水源の先に見える丸子頭
雪の無い十方山林道
タキワケ谷
山の神
林道を覆う雪
展望地から見たザザラのタキへ下りる小尾根
押ヶ峠の林道の入口は倒木で塞がれている
7:05 長者原林道終点 気温0度 晴れ
 

7:40 林道入口
7:50 県境尾根
8:55 五里山
9:40 1064P
11:10 1158P
13:00 十方山林道(タキワケ谷)
13:55 祠(山の神)
14:15 オシガ谷からショートカット
14:30 カーブミラー(上の林道)
15:00 押ヶ垰
15:30 大向長者原林道終点


 国道488号線を進む。十方山林道は閉じられている。雪融けによるヤマダチ谷の水流が多い。バンジョウ川とヤマダチ谷合流点付近に雪が残っている。コウサギノ谷の林道に除雪された雪が積み上げられていた。
 
 バンジョウ川沿いに植林地のスギが軒並み倒れていた。崩れやすい斜面に植林されたもののようだ。判城橋を過ぎ、御境手前から林道に入る。植林地に入り、県境尾根に上がる。県境に雪は全く無かったが、鞍部に下ると残っていた。

 尾根を進むと、点々と雪が残る。ササはまだ倒れたままである。1100m付近のコナラにクマ棚があった。この付近はクマの痕跡の多いところである。

ミヤマシキミ

 県境尾根を少し外れて、雪の斜面を進む。五里山からササの倒れている鞍部を通り、五里山東面に出る。1064ピークが見えてくる。五里山東面のササ原を下る。1064ピークへの視界が開け、右手に十方山の峯、左手に向半四郎と半四郎山、広見山が見える。

 雪の無いササ原を下り、植林地の鞍部に下りると雪が残っていた。植林地を登り、1064ピークに出る。鞍部へ下り、県境尾根東側の植林地を登る。深いササを避けて、県境尾根東側の谷の水源の雪の残る窪地に出る。

 雪が無くなったところから、薮の急坂を登り県境尾根に上がる。冠山への展望が一気に広がる。五里山の先に千両山が見える。足元に枯れたススキが残っていた。薮の1158ピークを過ぎ、北東面に進むと雪が残っていた。十方山の峯が見える。左手に県境尾根の先に旧羅漢山の頭が見える。

ブナのクマ棚
大きいブナ
ブナの爪痕

 県境尾根から東側の小尾根を下る。谷筋には雪が残っている。ブナにクマ棚があった。ブナの間から十方山と県境尾根が見える。ブナ林の中に一際大きいブナがあった。ブナの幹に小さい爪痕の筋が幾つもある。木の下には枝が散乱していた。雪の上に空っぽのブナの実がたくさん落ちていた。

 尾根を大分下ると、細見谷水源の先に丸子頭のピークが見えた。尾根の薮を避けて、途中からササの小谷を下る。1158ピークから2時間ほどで雪が全く無い十方山林道に下りた。ちょうど対岸がタキワケ谷だった。

 林道を下るとアテツマンサクの黄色い花が咲いていた。水溜りにいた大きいヒキガエルが、あわてて泥の中に潜ろうとバタバタしている。あちこちの水溜りに大きいヒキガエルが陣取っている。倒木が林道を塞ぐ。1時間ほどで山の神の祠。眼下に細見谷を見下ろす。

細見谷のアテツマンサク
細見谷のアテツマンサク
泥の中に隠れるヒキガエル

 スキヤドウの橋のところで、ようやく林道を覆う雪があった。この付近から林道は雪や倒木に覆われるようになった。林道がオシガ谷でUターンするところからショートカット。植林地の急な斜面を登り15分ほどで上のカーブミラーに出た。谷を回りこむと東側が開ける。ザザラのタキへ下りる小尾根が見える。

 清水の湧く山すそにフキノトウが頭を出している。植林地の林道を塞ぐ倒木が多い。押ヶ峠の入口は倒木で覆われていた。山の神の祠から1時間ほどで押ヶ峠。峠から少し進んだ小谷で顔を洗った。ヤマダチ谷に沿う林道を進む。ここにもアテツマンサクの花が咲いていた。

 林道を進むと、咲いているのはマンサクの花ばかりである。山腹にも黄色の模様が点在する。この谷沿いにはマンサクが多いようだ。林道のカーブ地点の先に一際目立つマンサクが咲いていた。押ヶ峠から30分ほどで出発点に帰着。

ヤマダチ谷のアテツマンサク
ヤマダチ谷のアテツマンサク
ヤマダチ谷のアテツマンサク
ヤマダチ谷の山腹を淡く染めるアテツマンサク
フキノトウ
フキノトウ
マムシグサ



地名考

 西中国山地、押ヶ峠、オシガ地名と関連地名

〇五里山周辺地名
 押ヶ峠、オシガ谷、シダワラ谷、オセキガ峠、御境(オサカエ)、細見谷(ホソミ)

〇十方山
 押ヶ垰(オシガタオ)、光石(ヒカルイシ)

〇安蔵寺山周辺
 狼岩、オオゼリ、香仙原(コウセンバラ)

〇鈴ノ大谷山周辺
 押ヶ峠、オシガ谷、馬ノ背(ウマノセ)、ヨコセ谷

〇聖山周辺の地名
 オシガエキ 、ホテのタキ 

 hotenao(ホテナオ)はアイヌ神謡集に「小狼の神が自ら歌った謡」があり、「ホテ」は狼の意である。

〇匹見川
 押ヶ谷川、押ヶ谷山

〇小室井山
 オシガ谷、ホシタニ

〇板ヶ谷
 オシガ谷

〇八幡原
 押ヶ峠


 狼は古語辞典では、「おほかみ」「大神」の意としている。「大神」は「立派なもの」の意で、狼は「立派な神」の意となる。

 アイヌ語では狼は「wo-se-kamuy」「ウォー・セ・カムイ」で、「ウォー・と吠える・神」の意である。

 狼=大神としたのは、後付られたものでないか。最初にアイヌ語=縄文語の「ウォーセカムイ」があり、「ウォーカム」「オオカミ」に転訛し、「大神」になった。

 「wose」は、「hosi」(ホシ)、「osi」(オシ)などに転訛したと思われる。

 マタギ言葉にオソヲタテル、オソビキがある。どちらも口笛を吹くことを意味する。

 「嘯き」(うそぶき)は、@口をすぼめて息を吹き、音を出す、口笛を吹くA咆哮する、ほえる、なく などの意がある。岩手では口笛をほそ笛(ホソベ)、山形ではホソと呼ぶ。

 能楽では空吹(うそふき)と表わし、うそ(口笛)を吹いているような表情から名づけられたもので、狐、猿、狸などの写実的な動物面が使用される。

 嘯む、嘯むくは嘯くに同じである。

 ウソム → オソム への転訛。

 ウソブキはオセ→オソ→ウソ のように転訛した。


●オシガ wose-ika オシカ 狼が・越える

●シダワラ sita-par シタパル 狼・入口

●オセキガ wose-eki オーセエキ 狼・谷

●オオゼリ wose-ru オーセル 狼・道

●狼岩 wose-kamuy-iwa オオカミイワ ウォーと・吠える・神・岩


 西中国山地にはマタギの風習の残っていた三葛地区やマタギの別名=ヤマダチ谷の地名などがある。狼を意味する地名が多く残っている可能性がある。

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カシミール3Dデータ

総沿面距離13.9km
標高差427m

区間沿面距離

大向長者原林道終点
↓ 2.8km
県境尾根
↓ 3.8km
1158P
↓ 1.7km
十方山林道
↓ 1.5km
祠(山の神)
↓ 4.1km
長者原林道終点
 

 
冠山 五里山西の展望地から
向半四郎、半四郎山、広見山、1064P   五里山東面から
    広高山     寂地山                                 千両山  1158P西面から
                   坊主山
十方山の峯  1158P東面から
1158P西面の小尾根の大きいブナ
ヤマダチ谷のアテツマンサク
 
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)