山歩き

中津谷…冠山…坊主西峯…三坂八郎林道
2015/6/28

中津谷…魚切林道…冠山…ウシロカムリ…ボーギのキビレ…坊主西峯…青山キビレ…三坂八郎林道…八郎橋…488号線

■冠山(カムリヤマ・コウソンカムリ)1339m:広島県佐伯郡吉和村字吉和西(点の記) (廿日市市)

中津谷
増水で白波立つ中津谷川
スギ林を登る
41番鉄塔
ササゲ峠
魚切林道に出る
魚切林道はオトウゴヤ谷を渡り、ウシオ谷側へ
魚切林道はクルソン谷の登山道を横切る
ブナ林を登る
ガスの蔽う山頂
ウシロカムリ
ボーギノキビレ
広高山分岐
ノブガハラ谷鞍部
坊主西峯のブナ
尾根を塞ぐミズナラの巨木
林間から千両山が見える
青山キビレから植林地の谷を下る
青山林道
地上4mほどのモリアオガエルの卵
八郎橋の釣り人
不栗付橋の上に見える41番鉄塔
5:00 中津谷 晴れ 気温13度
 

5:40 41番鉄塔
6:25 ササゲ峠
6:40 魚切林道
7:10 クルソン谷登山道
8:20 冠山
9:10 ウシロカムリ
9:30 ボーギノキビレ
9:55 広高山分岐
12:30 坊主西峯
13:40 青山キビレ
14:05 三坂八郎林道
15:30 八郎橋
16:30 出合橋
17:10 中津谷

 中津谷川右岸の488号線入口を出発。昨日の雨で中津谷川は白波が立つ。不栗付橋の少し手前に、高圧線鉄塔へ上がる道がある。入口は繁っているが、見上げると植林地に道が入っている。

 暗いスギ林の中に、山道が入っている。植林地から広葉樹の林に変わり、尾根に出るとクリの花穂が落ちていた。41番鉄塔に出る。植林された木が伸びて展望はない。5年前には展望があったので、それから大分伸びたようだ。

 鉄塔道は南の尾根に下りている。尾根を西へ進む。尾根上にクリの花穂が多い。イノシシの掘った跡がある。ウシオ谷左岸の丘は、「コフシヤウの原」と呼ばれている。トロン谷水源のササゲ峠に下りる。ここは広い平坦地で、トロン谷側へ少し下ると湿地になっている。

オカトラノオ
ヤマアジサイ

 ササゲ峠から15分ほどで魚切林道に出た。標識には「林道魚切線汐谷工区」とあり、林道はウオキリ谷水源からウシオ谷へ下りている。林道はオトウゴヤ谷をU字に曲がり、クルソン谷の登山道を横切ってエンコウ谷手前で終点となっている。

 ヤマアジサイの咲く林道から、クルソン谷の登山道に入る。クルソン分岐を過ぎて、冠山直下のブナ帯を登る。魚切林道から1時間ほどで冠山。ガスで展望はない。ウリハダカエデが果実をぶら下げる。コアジサイ、クロヅルが咲いている。気温10度で肌寒い。

 登山道を下ると、ネズミが一匹死んでいた。大沼ヶ原を通り、冠山南登山道分岐に出る。オオヤマレンゲ自生地、1282ピークを通り、県境尾根に入る。踏跡が残っている。冠山から1時間ほどでウシロカムリ。

ウリハダカエデ
コアジサイ

 北へ県境尾根を下る。踏跡があり、テープが続く。20分ほどでボーギノキビレ。ブドウゴヤ谷へ下りる山道があり、オサカエノエキへテープが続いていた。

 植林地の県境尾根を登り、広高山分岐に出る。明瞭な踏跡はここまでで、植林地の県境尾根を北へ進む。スギ林とブナ林を進み、1099ピークを通過。ヒロコウ谷から上がるノブガハラ谷鞍部は平坦なスギ林である。

 坊主山西の坊主西峯に上がる。山頂西面に大きいブナがある。県境尾根を進むと、枯れた周囲6mを越えるミズナラがある。瘠せ尾根の間から千両山が見える。1060ピークを通り、青山キビレへ下る。

 キビレから植林地の谷を下る。谷は草薮と化し、倒木が多い。20分ほどで三坂八郎林道に出た。西側へ青山林道が入っている。この林道は県境の1111ピーク手前まで入っている。

登山道のネズミ
タンナサワフタギ

 北側の千両橋からツリハシ林道に上がると、二艘船岩がある。三坂八郎林道を東へ進む。林道沿いにウバユリが咲き始めている。頭上4mほどのところに、モリアオガエルの卵が枝にぶら下がっていた。その真下に幅30cmほどの道路側溝の水溜りがあった。位置が少しずれると、卵は道路上に落ちそうであった。

 モリアオガエルの卵が点々と続く。コアジサイがまだ残っている。1時間ほどで八郎橋。釣り人が二人、橋上から糸を垂れる。長者原を過ぎ、長浜を回り込む。吉和漁協の人から「釣れましたか」と尋ねられた。出合橋付近に蝶を追う人がいた。不栗付橋の上を送電線が通り、41番鉄塔が見える。三坂八郎林道から3時間ほどで中津谷に帰着。

ウリノキ
クロヅル
エンレイソウ
ニシノヤマタイミンガサ
ヤマアジサイ
ユキザサ
ウバユリ
キブシ
ツルアジサイ
ネジキ

地名考

●コフシヤウの原
 kop-us-yaw-nup
 コプシ・ヤウ・ヌ 
 ドングリ・多い・小・野

 ウシオ谷左岸の丘を「コフシヤウの原」と呼ぶ。変わった呼名である。ミズナラ・コナラ方言に以下がある。

 ミズナラ方言
 島根県 ゴンダ・ゴンタマキ・ゴンダラマキ・ゴンタロー 
 広島県 ゴンダローマキ 
 岡山県 ゴーナラ・ゴマギ

 コナラ方言
 秋田 コメナラ 
 京都 コメボソ

 西中国山地ではミズナラをゴンタマキと呼ぶ。

 アイヌ語ではドングリを次のように呼ぶ。
 kom(コム)、kop(コプ)、kum(クム)、hom(ホム)

 ミズナラ、コナラ方言の「ゴン」「ゴー」「コメ」はアイヌ語(縄文語)「kom」(コム)の転訛と考えられる。

 吉和の遺跡からは磨石が4点出土している。磨石は、縄文時代、クリ、クルミ、ドングリなどの堅果類をすりつぶす道具である。周辺には頓原遺跡(旧石器・縄文早期)、焼山遺跡(旧石器・縄文)、汐谷遺跡(旧石器・縄文)、半坂遺跡(縄文早期・土壙)がある。

 コフシヤウの原付近に黒ボク土は無く、山焼きは行われなかった。植生はクリ−ミズナラ群落である。

 近くの小室井山(コムロイヤマ)に黒ボク土は無く、周辺はクリ−ミズナラ群落である。西中国山地地名にコムギ谷、コムギ原などがある。

 コムロイ 
 kom-ruy 
 コム・ルイ 
 ドングリ・甚だしい

●大沼田の丘・大沼田・大沼ヶ原

 oo-nuta
 オオ・ヌタ
 大きい・湿地

 ウシロカムリ山の西と南に「大沼田」「大沼」の地名がある。

 「沼」は「ヌマ」「ヌ」の読み方がある。万葉集では「ヌマ」と読む場合もあるが、「ヌ」と読む方が多い。

 西中国山地に湿地をあらわす「ノタ」「ノダ」「ヌタ」があるが、「沼田」(ヌタ)から音韻変化したと思われる。周辺の地名は、「ノタ」「ヌタ」地名であり、「沼田」は「ヌタ」と呼んでいたと考えられる。

 松の木峠東 ヌタスヤマ
 小室井山西 野田ケ原
 十方山南尾根 コノタのギシ
 羅漢山と法華山の間の鞍部 ノタガ原
 鬼ヶ城山南 ノタノ原(大沼田)
 奥匹見峡水源 のたの原
 ヒロコウ谷右岸の山 ヌタノ原
 大峯山西 野田ヶ原

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

カシミール3Dデータ

総沿面距離25.5km
標高差721m

区間沿面距離

中津谷
↓ 3.0km
魚切林道
↓ 3.2km
冠山
↓ 5.7km
坊主西峯
↓ 1.7km
三坂八郎林道
↓ 11.9km
中津谷
 

冠山周辺の黒ボク土(Ysi−1・Ysi−2)
(国土交通省土地分類基本調査土壌図+カシミール3D 赤線は登路)
 
冠山周辺の植生図第2回植生調査植生図(昭和54年)+カシミール3D
(4:クリ−ミズナラ群落 赤線は登路)
 
植生図凡例
 
坊主西峯北の周囲6mの枯れたミズナラ
  
登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)