山歩き

コ谷…生山峠…羅漢山…板押峠
2014/6/15

コ谷…お鉢山遺跡D…165番鉄塔…832三角点…925三角点…境ヶ峠…羅漢山…オオカミジョウ…板押峠…コ谷

■羅漢山(ラカンザン)1109.1m:山口県玖珂郡錦町大字大原字羅漢山(点の記 点名:羅漢山) 岩国市

コ谷に入ると右岸に山道
ワサビ田跡
板押造林地
コ谷水源の安山岩
コ谷水源から尾根へ
大きいツガの所から鉄塔道へ下る
アカナメラ水源
お鉢山遺跡A地点
166鉄塔から167へ
オモ谷水源
オモ谷水源の滝
167番鉄塔南の三角点=832
168鉄塔と羅漢山レーダ
925三角点
オリコシ谷の別荘地
生山峠登山口
植林地の遊歩道を進む
レーダサイトの横に出る
山頂から鬼ヶ城山方向
レーダ東側 ササが刈られた登山道
オオカミジョウから板敷山方向
山道からすぐに広場に出る
板押峠西の道標
板押峠の標柱
中道の河内神社
中道小学校跡
6:15 コ谷 晴れ 気温18度
 

7:00 板押造林地
8:40 イイノ峠
9:15 お鉢山遺跡A
10:15 165鉄塔
10:50 832三角点
11:30 925三角点
11:40 林道
12:00 境ヶ峠
12:20 生山峠登山口
12:45 羅漢山
13:15 オオカミジョウ
13:55 板押峠
14:55 コ谷 


 植林地のコ谷に入ると右岸に山道が入っている。ヤマアジサイが咲き始めている。谷に直径10cmほどの壊れたビニールパイプがある。谷を通っていたものか。30分ほどで164、165番鉄塔へ上がる道の分岐。

 さらに山道を進むと、谷に倒木が多くなる。ワサビ田跡の石積みが続いている。40分ほどで板押造林地。この辺り、ヒノキが植林されている。谷を左に進むと黒滝山へ上がる山道に出る。右のコ谷水源に入る。

 倒木多い谷を進む。谷に黒っぽい安山岩の小石があった。163番鉄塔の北にあった安山岩と同じような石だった。上流には無かったので、山から落ちてきたものと思われる。

ササユリ
ツルアジサイ

 涸れた谷の植林地を進み、東側の小尾根に上がる。林床にシロモジが多い。尾根から鉄塔道に下りる。安山岩の地点に下りて鉄塔道を進み、針山から入る林道に出た。イイノ峠を通り、アカナメラ水源の林道を進むと、水音が大きい。お鉢山遺跡D地点に進む。ここから左の谷沿いにお鉢山遺跡C、B、A地点がある。

 A地点は、広島県のホームページでは「安山岩原石の露頭地」となっているが、作業道が開削されたためか、あたりを探してみたが確認できなかった。A地点から作業道を進み、植林地に入りアカナメラ水源を横切って、黒滝山から下りる登山道に出る。

 839ピーク南を回り165番鉄塔に出る。鉄塔から山道を下ると木橋に出る。次に鉄橋を渡り、植林地の小谷を進む。小尾根を上がると166番鉄塔。ササユリが咲いていた。山道を下ると鉄橋。オモ谷水源を渡って、右岸の山道を進むと、数段の斜め滝がある。そこから167番鉄塔に上がる。

キブシ
コガクウツギ

 鉄塔からほどなく832三角点、点称は板押。そこから尾根道を進む。山道から西よりに168番鉄塔がある。南側の送電線の左手に羅漢山レーダが見える。北側を見ると、手前に黒滝山、鬼ヶ城山、その後に茅帽子山、寂地山、冠山の峯峰が続く。送電線の右手に板敷山。

 168鉄塔から山道を進み県境尾根に入る。877ピークを経て925三角点、点称は生山だが、「イクヤマ」と読むようだ。そこから植林地を下り林道に出た。林道を進むとオリコシ谷の別荘地に入る。925三角点から30分ほどで境ヶ峠。ここに生山峠の看板がある。車道を進み20分ほどで生山峠登山口。

 NTTアンテナ塔の手前まで進むと、木の階段のある遊歩道の入口。植林地の中の長い木の階段を進む。レーダ雨量観測所の横に出て、登山口から30分ほどで羅漢山。あいにく展望所から見える周囲の山々は霞んでいる。

コアジサイ
ギンリョウソウ

 レーダ東側の山道を下る。2年前、この道はササ薮だったが、きれいに刈られている。少し進むと左側にも刈られた山道が下りていた。境ヶ峠へ下る道か。右手の急な山道を下る。植林地に入ると緩やかになる。憩いの広場分岐を経て、30分ほどでオオカミジョウ。

 オオカミジョウから東に進むと、カンメウノ谷右岸を下りる山道がある。少し進むと広場に出る。林道を下ると「板押峠1.0km」の道標がある。林道を進むと「悠遊の里」別荘地に出る。「石見津和野路」(津和野街道)の看板の横を通り、車道のある板押峠に出た。

 峠に「史跡 石見津和野路石たたみ道 出口」の標柱が立っている。車道に中国自然歩道の大きいパノラマ地図が設置されている。車道を下り、河内神社、中道を経て、コ谷入口に帰着。

ヤマボウシ
イボタノキ
ウラジロノキ
ナツグミ
リョウブ
エゴノキ
マムシグサ
ヤマグワ
ヤマウルシ
スイカズラ
テウチグルミ


地名考

 日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。

 アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。

 西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。

 『日本語とアイヌ語』(片山龍峯)、『日本語とアイヌ語の起源』(鳴海日出志)では、「和語」と「アイヌ語」を比較し、つぎのように述べている。

 「日本語とアイヌ語、このふたつの言語がともに共通の祖先から流れ出た姉妹語である」(片山)。

 「かなり規則的に和語の語根に対応することを見れば、アイヌ語と和語は、太古、同源であるか、強い借用関係にあったとも推定される」(鳴海)。


 松の木峠南に広がる黒ボク土は、164番鉄塔付近まで延びている。その黒ボク土の中にお鉢山遺跡AからE地点がある。この遺跡は旧石器、縄文、弥生に遡るものである。

 地質図によると、冠山玄武岩の南端は針山の馬山付近まで達している(図のKK=青色)。163番鉄塔の北の山道に安山岩があり、コ谷水源に安山岩の小石があった。お鉢山遺跡A地点は、「安山岩原石の露頭地」になっている。

 針山産の安山岩が山口県の旧石器、縄文遺跡で使用されている。幸崎遺跡に5点、藤尾山遺跡に1点、岩上遺跡に1点、長桝遺跡に4点、南方遺跡に4点、合計15点が原産地が針山と推定された。
 このことは、旧石器、縄文時代を通じて、山口県の遺跡と針山地域に人々の出入りがあったことを証明している。


●針山(ハリヤマ)
 haru-yam-an
 ハルヤマ
 食料の・クリの実・ある

 周辺植生は現在、クリ−ミズナラ群落。

 アイヌ語地名に以下がある。
 haru-us-nay
 ハル・ウシ・ナイ
 食料・多い・川(春志内)

 haru-ta-us-nay
 ハル・タ・ウシ・ナイ
 食料・とる・いつもとる・沢(春立)


●羅漢山(ラカンサン)
 raka-an-san
 ラカンサン
 収穫・ある・棚

 山焼きの後に収穫がある。

 「焼山の副産物として蕨やぜんまいがおびただしく生えたものであるが、近時焼山を行わないので生産量は減じた。蕨はそのまま乾したが、ぜんまいはあくがあって虫がつくので、一旦灰汁で煮た上乾かして貯蔵する。七村・矢尾・三葛・石谷等が名産で美味。両方とも煮〆にして常用する」

 「わらび掘りのあとへは、必ずシズラの苗を補植し、毎年山を焼くことが肝要であった。こうして漸く七〜八年を経過すると、再び掘り取ることが出来、放任して置くと十四〜五年も経過してやっと蕨が生えはびこるのである」
(『石見匹見民俗』矢富熊一郎)。

 羅漢山も恐羅漢山も同じ「ラカン」の呼び名があるが、黒ボク土が共通してある。両山とも山焼きを行った山である。

不知火の杉掲示板から

●不知火の杉(シラヌイノスギ)
 sir-ar-nuy-nu-supki
 シラ・ヌイ・ヌ・スキ
 山の・半分・焔・もつ・茅原

 不知火の杉は羅漢山西側の地名である。

 「不知火の杉」の説明版によると、羅漢山周辺は野山を春に焼き払って、茅や草を採る草刈場であり、昭和の初めまでこの習慣が続いていたと言う。「不知火杉」の言い伝えは山焼きの中で生まれたと考えられる。

 羅漢山の西半分が黒ボク土であり、縄文期に山焼きが行われたと考えられる。山焼きはススキ原を伴う。ススキ草原に火入れが行われたと思われる。


●オオカミジョウ(狼岩)
 wose-kamuy-so
 オオカミショウ
 狼・岩

 近辺に鬼ヶ城山がある。オニガジョウは山頂北側の大岩のことであるが、アイヌ語「ショウ」は岩を意味する。オニガジョウ、オオカミジョウの「ジョウ」はアイヌ語「ショウ」に由来があると思われる。

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カシミール3Dデータ

総沿面距離18.1km
標高差520m

区間沿面距離

コ谷
↓ 3.4km
イイノ峠
↓ 7.0km
境ヶ峠
↓ 2.1km
羅漢山
↓ 2.5km
板押峠
↓ 3.1km
コ谷
 





お鉢山遺跡の概要 広島県HPから

針山産の安山岩が山口県の遺跡で使用された事例

『山口県における石器原材の原産地推定』(富樫孝志・松本征徰夫)から
山口県遺跡の位置

針山産の安山岩が山口県の遺跡で使用された事例
『山口県における石器原材の原産地推定』から

冠山周辺地質図(独立行政法人 産業技術総合研究所HP+カシミール3D)
玄武岩KK(青色)の分布
冠山周辺地質図の凡例(独立行政法人 産業技術総合研究所HP)

羅漢山黒ボク土(Tok−1)
(国土交通省土壌図+カシミール3D)
恐羅漢山の黒ボク土(Ysi−1)
(国土交通省土壌図+カシミール3D)

168番鉄塔から北を望む
                         茅帽子山          寂地山     鬼ヶ城山         冠山
                              黒滝山
168番鉄塔から見える羅漢山と169番鉄塔と925三角点

板押峠の中国自然歩道パノラマ地図

登路(「カシミール3D」+「地理院地図」より)