山歩き

立野…一ノ谷…二ノ谷…細見谷
2013/8/4

駄荷集会所…立野…一ノ谷…二ノ谷水源…856P…オオリュウズ…ホトケ谷…黒ダキ谷…下山林道…立野…駄荷

■細見谷:広島県廿日市市吉和細見谷(黒ダキ山点の記所在地)

左から駄荷集会所 女鹿平山 ダニノ谷 ヤマメ養殖場
県道から細見谷へ下りる
静かな立野キャンプ場
鎖止めの細見谷橋を渡る
クマ捕獲用のドラムカン
二つ目のカーブミラーから一ノ谷へ下りる
一ノ谷入口
滝が連続する
冷風の谷を進む
急峻な谷
谷を倒木が塞ぐ
最後の滝
平坦地のワサビを掘り返した跡
オニグルミの樹林帯
倒木を潜る
一ノ谷水源鞍部
二ノ谷水源 オニグルミが多い
谷にワサビが続く
枝に鳥の巣
856ピーク付近
ブナの地点まで下る
オオリュウズ上部に出た
水量多いオオリュウズ
V字滝
ホトケ谷
イカダ滝上部をトラバース
下山林道に出た
7:15 駄荷集会所 曇り 気温24度
 

8:05 立野キャンプ場
8:40 一ノ谷
13:00 一ノ谷鞍部
14:10 856P
14:55 オオリュウズ
15:25 ホトケ谷
16:40 下山林道
16:50 黒ダキ山登山口
17:30 立野
18:20 駄荷集会所


 駄荷集会所から県道296号線を進む。ダニノ谷に架かる駄荷橋を渡り、左手にタニノ谷の水を利用したヤマメ養殖場を見ながら、吉和川右岸の車道を登る。サンショウの白い花が咲いている。オオキツネノカミソリが道路沿いに多く見られる。

 県道沿いに目に付いた花や実を順番に記しておく。ノリウツギ、オオハンゴウンソウ、マタタビの実、ウバユリ、オオバギボウシ、クサアジサイ、ネムノキ、ヤマアジサイ、カジノの木の実、ミヤマシグレ、ウリノキの実、ヌスビトハギなど。

オオキツネノカミソリ
オオハンゴンソウ

 ネムノキは植林地のスギを越えて、電線の上に伸びていた。県道から立野キャンプ場に下りる。車が2台止まるだけの、寂しいキャンプ場であった。ヤマメ養殖場手前の細見谷橋を渡り、下山林道に入る。

 暗い樹林の中に赤いフシグロセンノウが咲き、ウバユリが一輪咲いていた。20年以上転がっているクマ捕獲ようのドラムカンの横を通り、二つ目のカーブミラーから谷へ下りる。小尾根の先端に出ると、対岸が一ノ谷である。

 飛び石を伝い、対岸に渡る。入口から滝が連続する急峻な谷である。気温22度で快適な風が通り抜ける。左岸を巻く所にトチバニンジンが赤い実をつけていた。滝の上に出てさらに進むと倒木が塞ぐ滝があった。ここは以外と簡単に倒木の下から左岸を登ることが出来た。

ノリウツギ
マタタビ

 最後の滝を越えて、平坦地に入る。大きいオニグルミの木が多い。谷沿いには野生化したワサビが多くあった。石積は全く残っていないが、ここの水がワサビに適しているようだ。ワサビの茎を食べた跡があり、周辺を掘下げた跡がある。イノシシが出るようだ。

 大きいトチノキのある鬱蒼とした樹林の谷を進む。サルナシの実が落ちている。銅山三角点の北辺りの谷に、オニグルミの大木が多い。銅山三角点の西の鞍部からワサビ田に下りる道があったようだ。

 倒木のトンネルを潜ると、一ノ谷水源に入る。谷に入ってから4時間余りでようやく一ノ谷鞍部に上がった。ブナの尾根から二ノ谷水源に下りる。こちらもオニグルミの巨木が多い。この谷にもワサビの葉が続く。

オオバギボウシ
ウバユリ

 856ピークに上がる途中の木に、鳥の巣が枝先に作られ卵が一個入っていた。アセビの枝が覆う薮尾根を進む。一ノ谷鞍部から1時間ほどで856ピーク。ピークを過ぎると薮が少なくなり、真っ直ぐ北へ下る。

 尾根を下っていくと目立つブナがある。そのまま尾根を北東へ下ればイカダ滝の上部に出る。ブナの地点から滝音のするオオリュウズへ下った。ちょうどオオリュウズの滝の上部に出た。滝は普段より大分水流が多い。

 この付近の細見谷右岸にある山道はほとんど消失している。30年ほど前には明瞭だったが、最近は釣り人が入ることも無いのだろうか。眼下にオオリュウズ、V字滝を見ながらトラバースし、谷へ下りた。

ヤマアジサイ
カジノキ

 谷へ下りて見ると、水流が相当多く、腰下まで浸かりながら、飛び石伝いにホトケ谷落口に出た。一休みして、ホトケ谷からジグザグ道を登る。この道もササで覆われ消失している。上部のトラバース地点に出て、イカダ谷上部の崖を横へ進み、黒ダキ山から下りる尾根に出る。

 この尾根にあるアカマツの食痕は、長くクマが来ていないことを示していた。尾根から黒ダキ谷に降りる。大岩を回りこんで下山林道に出た。50分ほどで立野キャンプ場。水場で一休みして、県道を駄荷へ帰着。


フシグロセンノウ
ミヤマシグレ
トチバニンジン
イワタバコ
ヤマシャクヤクの実
サルナシ
ヒナノウスズボ


地名考

 日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。

 アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。

 西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。

 吉和には旧石器から縄文、弥生、古墳、中世へと継続する遺跡がある。縄文期に形成された地名は、現代に引き継がれた。


●細見谷(ホソミダニ)
 hos-o-mintar-nay
 ホソミ
 狼・群れる・庭・川


●吉和川(ヨシワガワ)
 yospe-wakka-wen-pet
 ヨシワカウ
 屈曲の・水・悪い・川


●吉和西(ヨシワニシ)
 yospe-wakka-nu-us-i
 ヨシワニシ
 屈曲の・水に・漁・ある・所

 十方山の所在地は、点の記では、広島県佐伯郡吉和村吉和西(廿日市市)になっている。十方山は吉和の東端にある。

 冠山の所在地も「吉和西」である。「吉和西」は所在地を表わすのでなく、おそらく古くから「ヨシワニシ」と呼ばれた地名であったと思われる。


●十方山(ジッポウザン)
 situ-po-yuk-san-riyam
 シツポウサン
 尾根に・子・鹿・出る・越年場


●十方山(シッハウサン・古名)
 situ-haw-yuk-san-riyam
 シツハウサン
 尾根に・鳴く・鹿・出る・越年場


●十方辻(ジッポウツジ・十方山別名)
 situ-po-yuk-tuye-ci-riyam
 シツポウツチ
 尾根の・子・鹿・切る・我らの・越年場


●オオリュウズ 
 poro-rir-us-putu 
 ポロリウツ 
 大・波・ある・その口


●仏石(ホトケイシ) 
 nupuri-ohonto-ke-us-iwa 
 ホトケウシ 
 山の・尻の・所・にある・岩


●ホトケ谷 
 nupuri-ohonto-ke-us-pet 
 ホトケ 
 山の・尻の・所・にある・川


●黒ダキ山 
 yuk-ur-ot-ar-kipir-riyam 
 クロタキヤマ 
 鹿・丘に・群れる・片側・崖の・越年場


●立野(タチノ) 
 putu-ciw-nu 
 トチノ 
 その川口・波・立つ


●テンガタキ 
 etu-un-wakka-pet-ar-kipir 
 トンカタキ 
 鼻崎・にある・水・川の・片側・崖
 (水が岩崖を滑り落ちる)


 細見谷周辺の地名は狼に関連する地名が多いように思われる。狼に関して、アイヌ語、方言、古語などから以下のようにまとめてみた。

語彙 意味 地域

狼に関するアイヌ語

wose
ゥオセ
オセ
アイヌ語
wo-se
ゥオ・セ
オ・セ
ウォー・と吠える アイヌ語
wo-se-kamuy
ゥオ・セ・カムイ
ウォー・と吠える・神 アイヌ語
hos ホシ 犬をけしかける声 アイヌ語
ho-us-pe
ホウシペ
狼・居る・所 アイヌ語
wose-us-i
オオセウシ
狼・多い・所 アイヌ語
pon-horkew-kamuy
ポン・ホルケゥ・カムイ
小・狼・神 アイヌ語
 

狼方言(『縄文語の発掘』(鈴木健から)

語彙 意味 地域
ホシホシ 犬をけしかける 埼玉県幸手
伊豆
長崎
壱岐
ホシッホシッ 島根県美濃郡
ほしかける けしかける 新潟県北蒲原郡
富山県礪波地方
長野県東筑摩郡
山口県豊浦郡
大分
ほしかう 壱岐
ほしめかす
犬をホシメカス
九州
佐賀
対馬
ほしめる 対馬
 

マタギ言葉

語彙 意味 地域
オオノジ マタギ言葉
woo-nu-us-i
オオヌシ
狼・猟・ある・所 アイヌ語
 

古語にみる狼

於保加美
オホカミ
和名抄
woo-kamuy
オホカミ
狼・神
 
嘯き
ウソブキ
ほえる 古語辞典



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カシミール3Dデータ

総沿面距離15.0km
標高差423m

区間沿面距離

駄荷集会所
↓ 3.9km
一ノ谷
↓ 2.6km
一ノ谷鞍部
↓ 1.7km
オオリュウズ
↓ 3.6km
立野キャンプ場
↓ 3.2km
駄荷集会所
 

 
 
 
 
吉和の縄文遺跡(広島県HPから)
 


オオリュウズ
V字滝 
登路(薄茶は900m超 茶は1000m超)  「カシミール3D」+「国土地理院『ウォッちず』12500」より