山歩き

松の木峠…寂地山…ヤブガ峠…ようたあ林道
2013/4/21

伴蔵…松の木峠…寺床…冠山分岐…寂地山…ミノコシ峠…茅帽子山…ヤブガ峠…宇佐…ようたあ林道…松の木峠…伴蔵

■寂地山(ジャクジサン)1337m:山口県錦町大字宇佐(1233P・三角点右谷山の所在地) (岩国市)
■茅帽子山(カヤボウシヤマ・右谷山)1233.9m:山口県錦町大字宇佐(点の記・点名:鳥庭) (岩国市)

松の木峠
1164ピーク先のカラマツ林
寺床の平坦地
冠山分岐
大沼田ノ丘西のブナ
寂地山
寂地林道分岐
ミノコシ峠
茅帽子山(右谷山)
植林地をヤブガ峠へ下る
ヤブガ峠 前方は容谷山へ上がる道
左岸へ渡る橋
右谷に架かる橋
木目の滝
鬼ヶ城山と羅漢山 峠口から
最奥の民家からヨウタ谷南の尾根道に入る
尾根の山道
通路をヨウタ谷右岸に渡る
通路から見える横吹山とカラスバ山
東側の尾根から見える中国道の陸橋
手摺のある道を進むと高圧線鉄塔に出る
植林地の尾根に山道がある
尾根道から ようたあ林道に出た
向峠から小五郎山へ続く尾根
ようたあ林道から鉄塔道へ入る
伐採された鉄塔道
6:15 伴蔵 小雪後晴れ 気温3度
 

6:20 松の木峠
8:05 寺床
8:30 冠山分岐
9:25 寂地山
10:20 ミノコシ峠
10:55 茅帽子山(右谷山)
11:30 ヤブガ峠
12:25 右谷分岐(林道)
13:20 宇佐
13:55 中国道西側
14:50 ようたあ林道
15:40 松の木峠
15:45 伴蔵

 
 小雨の中を出発。松の木峠から登山道に入ると、葉に先だってミツバツツジの花が咲いている。植林地のレイホウカ岳に登り、ジャノウツ谷鞍部に下る。ジャノウツ山を越えて尾根を進むと、雪が点々と残る。1164ピークを過ぎると雪道となった。雨は小雪に変わる。雪のカラマツ林を進む。

 寺床の平坦地も雪化粧している。雪道を進むと、ツボミのカタクリがあらわれ始める。土滝山を過ぎると冠山への分岐。雪の舞うオオヤマレンゲ群生地を過ぎる。ウシロカムリ分岐を通り、大沼田ノ丘の南の登山道を進む。大沼田ノ丘の西の広い尾根に入ると大きいブナがある。

冠山南登山道のカタクリ
錦ヶ岳南のカタクリ

 ガクガク尾根分岐を通り、寂地山に到着。出発から3時間ほどであった。雪の降る登山道を下る。寂地林道分岐付近のカタクリはまだ咲いていないが、錦ヶ岳を下っていくと、カタクリのツボミが多くなる。登山道に点々と、カタクリのツボミの群生が見られる。ニシノヤマタイミンガサの群生もあった。

 寂地山から1時間ほどでミノコシ峠。峠から30分ほどで茅帽子山(右谷山)。小雪の尾根に、木々の枝に樹氷が見られる。尾根を進み、展望地に出ると微かに前方に尾根が見える。登山道には、ササの間に枯れたススキが残っている。

 植林地に入ると、ショウジョウバカマが多い。茅帽子山から30分ほどでヤブガ峠に下った。容谷山へ上がる尾根はササが伐採されている。木の階段を左谷へ下る。谷沿いにエンレイソウが多い。橋を左岸へ渡る。スギ林の下にミヤマカタバミの白い花が咲いている。

ニシノヤマタイミンガサ
右谷山の樹氷

 ヤブガ峠から1時間ほどで右谷に出た。橋を渡り林道に上がる。谷沿いにキブシが咲いている。木目の滝を見ながら、浦石峡左岸の林道を下る。林道の開けた所から、羅漢山、法華山、高鉢山が見える。オソ越を回りこんで、林道を東へ進む。峠口まで進むと、鬼ヶ城山の尾根への展望が開ける。鬼ヶ城山の右手に、黒滝山、羅漢山が見えてくる。

 宇佐から国道434号線に出て少し進み、宇佐川水源を渡って古道に入る。古道をジグザグに進み車道に出る。車道を進むと、最奥の民家で終点。植林地の尾根の山道を東へ進む。尾根道は中国道の手前で薮になって終わる。

 ヨウタ谷に通路が見えたので、谷側へ下ると中国道を囲む有刺鉄線に阻まれる。柵に沿って少し下るとヨウタ谷左岸の通路に出る。通路は高架下で右岸に渡っていた。そこから西側に横吹山、カラスバ山が見える。

ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ

 中国道を潜って、ヨウタ谷左岸へ渡り尾根を登る。中国道の上に出ると、なんと高速道に陸橋が架かっていた。西側の尾根道は末端は薮で先が見えなかったが、東側の尾根から見ると、一目瞭然だった。

 陸橋から東側に手摺の付いた山道が上がっている。山道を進むとすぐ高圧線鉄塔がある。地形図にある破線道は残っており、尾根には山道が続いていた。スギ林の尾根を登り、宇佐から1時間半ほどで、ようたあ林道に出た。

 林道を北へ進む。開けた所から向峠、小五郎山方向への展望がある。林道沿いにミツバツツジが咲く。林道の途中から鉄塔道に入る。光に照らされたカラマツの葉が緑に輝く。鉄塔道の周辺は伐採されて明るい。林の間から茅帽子山、ミノコシ峠、寂地山の尾根が見える。クロモジの咲く樹林から松の木峠に出た。

エンレイソウ
ミヤマキケマン
ネコノメソウ
エイザンスミレ
キブシ
ムラサキケマン
ヤブツバキ
ミツバツツジ
クロモジ


地名考

 日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。

 アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。

 西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。


 冠高原には石器製作遺跡の冠遺跡群がある。旧石器時代には、ここで石器を製作していたが、縄文期になると、原石を運んで、それぞれ現地で石器を製作するようになる。

 松の木峠から寺床付近まで黒ボク土があり、縄文期に山焼きが行われたと考えられる。冠山南登山道の尾根は縄文人の通路であったと思われる。

 三葛には石器製作遺跡である中ノ坪遺跡がある。冠高原の安山岩は、冠山南登山道の尾根、ガクガク尾根を通って三葛へ運んだと考えられる。

 茅帽子山からヤブガ峠にかけて黒ボク土が続く。またカラスバ山から横吹山にかけての尾根にも黒ボク土がある。ここも縄文期に山焼きが行われたと考えられる。

 松の木峠から寂地山周辺の尾根には、縄文時代から人々の出入りがあったと思われる。


 次のようなアイヌ語を地名に当てはめてみた。
 
 山 riyam リヤム 越年場
 峠 taor タオ 高岸
 ma マ 焼く
 ki キ 茅
 rar ラル 仕掛ける
 tek テク 枝
 o オ そこに・仕掛ける
 ama アマ 仕掛ける
 ku ク 弓
 cir チル 鳥
 un ウン 仕掛ける・そこに
 no ノ よく・十分
 ta タ 撃つ・切る・そこ
 mintar ミンタル 庭
 apka,yapka アプカ・ヤプカ 雄鹿


●松の木峠(マツノキタオ) 
 ma-tu-noski-oma-taor 
 マツノキタオ 
 焼く・尾根・の真ん中・にある・高岸

 周辺尾根は黒ボク土で、約一万年遡る。縄文期に山焼きが行われたと考えられる。


●寺床(テラトコ) 
 ci-tere-us-etoko 
 テレトコ 
 我ら・いつも・待つ・水源



●土滝山(ツチタキヤマ) 
 tu-cis-ta-kiraw-riyam 
 ツチタキヤム 
 尾根の・窪みの・方の・雄鹿の・越年場


●大沼田ノ丘(オオヌマタノオカ) 
 poro-yuk-numa-ta-no-oka 
 ポロヌマタノオカ 
 大きい・鹿の・毛・そこに・たいへん・多い


●雨杉山(アマスギヤマ) 
 a-ma-supki-riyam 
 アマスキヤム 
 我ら・焼く・茅の・越年場


●寂地山(ジャクジサン) 
 si-yak-sinot-san 
 シャクシサン 
 大きい・鹿・遊ぶ・棚


●寂地川(ジャクジカワ) 
 si-yak-sinot-ika-us-nay 
 シャクシカウ 
 大きい・鹿・遊ぶ・いつも・越える・川



●ミノコシ峠(ミノコシタオ) 
 mintar-not-yuk-o-sinot-nay-taor 
 ミノコシタオ 
 庭・崎・鹿・そこで・遊ぶ・川の・高岸


●ミノコシ谷
 mintar-not-yuk-o-sinot-nay 
 ミノコシ 
 庭・崎・鹿・そこで・遊ぶ・川


●茅帽子山(カヤボウシヤマ=右谷山) 
 ka-an-po-yuk-sinot-riyam 
 カアポウシヤム 
 ワナ・ある・子・鹿・遊ぶ・越年場


●ヤブガ峠(ヤブガタオ) 
 yapka-un-taor 
 ヤプカタオ 
 雄鹿・いる・高岸


●ヤブガ谷(ヤブガタニ) 
 yapka-un-nay 
 ヤプカ 
 雄鹿・いる・川


●ヨウタ谷(ヨウタア谷)
 i-o-uta-pet 
 イオウタ 
 それ・多い・川原・川


●ヨウタア(ようたあ林道)
 i-o-uta-ar-pet 
  イオウタア
 それ・多い・川原の・一方の・川

 ヨウタ谷はヨウタア林道がるので、ヨウタア谷とした。


●ガクガク石・ガクガク岩
 kakka-p-ku-us-iwa
 カクカクウシ・ガクガクイワ
 背負う・ものに・弓・仕掛ける・岩

 ガクガク岩は平たい岩が重なるものであるが、背負う岩のことと思われる。

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カシミール3Dデータ

総沿面距離19.9km
標高差781m

区間沿面距離

伴蔵
↓ 6.0km
寂地山
↓ 3.1km
茅帽子山
↓ 1.7km
ヤブガ峠
↓ 4.7km
宇佐
↓ 4.4km
伴蔵
 

 
 
 
 
登路周辺の黒ボク土(ピンク)
Ysi-1 Ysi-2 Tok-1 Age
(国土交通省土壌図+カシミール3D)
 
冠遺跡D地点の黒ボク層(松の木峠)
(『冠遺跡群 D地点の調査』1989年 財団法人広島県埋蔵文化財調査センター)から  
冠遺跡群D地点(松の木峠)の堆積物の分析結果

柱状図の上部の黒が黒ボク土(黒ボク土の間にアカホヤ火山灰がある(補正後7300年前)
6000年前に植物珪酸体含有率のピークがある。
 
(『冠遺跡群 D地点の調査』1989年 財団法人広島県埋蔵文化財調査センター)から  
 
峠口から
            鬼ヶ城山                          黒滝山                羅漢山
ようたあ林道から
            向峠                   十王山    大谷辻                          小五郎山
大沼田ノ丘西のブナ
登路(薄茶は900m超 茶は1000m超)  「カシミール3D」+「国土地理院『ウォッちず』12500」より