山歩き

内黒峠…サバノ頭…薮ヶ迫山…内黒山
2009/7/18

内黒峠…林道才ヶ谷線…サバノ頭…大キビレ…薮ヶ迫山…内黒山…内黒峠

■サバノ頭(サバノアタマ)1073m:広島縣山縣郡戸河内町字横川(点名:鯖ノ頭・点の記) 安芸太田町
■薮ヶ迫山(ヤブガサコヤマ)1050.3m:広島縣山縣郡戸河内町字柴木(点名:宮里・点の記) 安芸太田町
■内黒山(ウチグロヤマ)1082m:広島縣山縣郡戸河内町字柴木(三角点なし) 安芸太田町

才ヶ谷線入口
ナツヤケノキビレ
ブナと砥石郷山
サバノ頭
苅尾山
林道終点
木橋が残るトラバース道 キジヤ谷右岸
スギ林を進む
サバノ頭
展望岩のマムシ
大キビレ
オカトラノオに留まるアサギマダラ
薮ヶ迫山
スギ林の内黒山
ヒオドシチョウ 食草エノキ・エゾエノキ・ハルニレ
ミドリヒョウモン 食草スミレ類
ミドリヒョウモン
ヒロオビトンボエダシャク 食草ツルウメモドキ
7:15 内黒峠出発 晴れ 気温24度
 
ヤマアジサイ

8:20 林道終点
9:50 サバノ頭
10:25 林道
10:50 大キビレ
11:20 薮ヶ迫山
11:35 内黒山 
12:00 内黒峠  


 
 
 内黒峠を出発、気温24度だが風があり涼しい。鎖止めのある造林作業路、才ヶ谷線に入る。ナツツバキ、ヤマアジサイ、リョウブ、ノリウツギ、オカトラノオの花が咲く。林道の分岐を左に進んでみた。右側はサバノ頭への登山道である。林道は緩やかに下って行く。

 ヒヨドリバナにアサギマダラが群れる。今日はアサギマダラが多い。注意してみたが、マーキングは無かった。この地で生まれた個体が、これから南下するのかもしれない。食草はキジョラン、カモメヅル、イケマ、フヨウランなど。

 林道は地図上の終点を過ぎて、さらに奥へ続いている。林間から恐羅漢スキー場が見える。ヤマジノホトトギスが所々で咲いている。中山と砥石郷山が目前にある。大きいブナが残っている。ウリハダカエデが真っ赤な果実を下げていた。

リョウブ
ナツツバキ

 前方にサバノ頭が見えてきた。苅尾山が見える。アサギマダラの群れは林道の終点まで続いていた。キジヤ谷の手前で林道終点。薮を分けてスギ林に入る。朽ちた木橋が残っており、薮の中に踏み跡があった。キジヤ谷を回り込んでまた木橋があり、トラバース道が続いていた。

 スギ林を横切って行くと、下からの尾根道の分岐に出た。さらにトラバース道を進むと、次の分岐で道は無くなり、岩帯に出た。その辺りからスギ林の尾根を登った。足元にマムシがトグロを巻く。岩場を通り登山道に出た。スギ林の中に、テープを巻いたクリの木の幼木が植えられていた。

 そこからほどなく山頂。展望岩に出た。マムシが二匹お迎え。砥石郷山、比尻山が目の前にあり、聖湖が見える。岩場の周りは、ツルアジサイ、ノリウツギ、ナツツバキの花が咲き、ツタウルシ、クマシデが実を付ける。

ノリウツギ
アサギマダラ

 登山道を引き返す。ハスノハイチゴの棘が痛い。道は笹が茂っている。ほどなくヤマザクラのある林道に出た。眼下の三段峡の先に床尾山から正教山への山並みが見える。こちらの林道のヒヨドリバナにもアサギマダラが群れていた。サバノ頭の先に向山が見える。

 大キビレの林道分れを東へ進む。アサギマダラはすべてヒヨドリバナに留まっていたが、一匹だけオカトラノオに留まっていた。サバノ頭、深入山、向山が並んで見える。雨量計の丘の林道分れを右へ入る。

ムラサキマユミ
ウリハダカエデ

 宮里山への道標を上がると薮ヶ迫山。宮里は三角点の点名である。三角点は雨量観測中継局の横の草むらにある。南へ少し下ると展望岩がある。ここでもマムシがお迎え。内黒峠へ上がる林道が見え、市間山、立岩山、彦八の頭から奥三ツ倉への展望がある。

 引き返して内黒山への登山道を進む。スギ林を進むと道標がある。内黒山はスギ林の中にあり、展望は無い。ブナの山道を下り、ほどなく内黒峠に帰着。

キツリフネ
ヒカゲチョウ 食草イネ科タケ科
ジャノメチョウ 食草ススキ・スゲ類


地名考

 日本の縄文語(日本列島共通語)を受け継いだのは、アイヌ語系民族であった。

 アイヌ語によって西日本の古い地名が合理的に説明できることは、その一つの証でもある。

 西中国山地にアイヌ語地名が存在することは、その地名は縄文時代から呼ばれていた可能性のある地名と思われ、またアイヌ語地名が存在することは、その地名の周辺に縄文遺跡が存在することを予見している。


●サバノ頭(サバノアタマ)
 sapa-not-an-tama
 サパ・ノッ・アン・タマ
 山崎の・突端に・ある・首飾り

 sapa-no-a-tama の転訛。

 アイヌ語の「sapa-un-pe」(サパンペ)は「頭・の・もの」「頭・に付いている・もの」の意。

 「男性は重要な儀式のときには頭にサパンペという冠をつけました。これは木の繊維で編んだ冠と一緒に削り掛けを束ねたもので、冠の中央に動物神をかたどった木偶などをつけたものです。
 女性は頭にマタンプシという刺繍のついた鉢巻きをし、耳にはニンカリをつけました。…盛装した女性。マタンプシ、ニンカリ、タマサイ(首飾り)をつけている」(アイヌ民族博物館HPより)。

 十方山から延びる長い尾根はサバノ頭から三段峡へ降りている。アイヌ語の「sapa」は、頭の意であるが、地形では岬を表わす。「not-etu」は「あご・鼻」だが、「岬の・突端」を表わす。

 sapa-not 「頭・あご」「山崎・突端」

 サバノ頭から三段峡に落ちる尾根を、コの字で囲むように三段峡が流れている。その地形は首飾りのようにも見える。この首飾り地形はサバノ頭の東にある展望岩から俯瞰することができる。

●サバノ頭(サバノアタマ)
 sapa-un-pe
 サパ・ウン・ペ(サパンペ)
 頭・に付いている・もの

 「頭」が和語である場合、横川から見たサバノ頭は頭に付ける何かを表しているようみ見える。「サパンペ」で検索するといろいろな冠類があることが分かる。

●内黒峠(オオクビレ・オオキビレ)
 wose-us-kipir
 ウォーセ・ウシ・キピリ
 狼・多い・丘

 オオキビレは内黒峠北東、南東にもあり、横川の北の鞍部にもある。狼はアイヌ語で「wose」「wose-kamuy」などがあり、分解すると以下の意。

 wo-se-kamuy
 ウォー・セ・カムイ
 ウォー・と吠える・神

 英語の「wolf」も「ウォー」と吠える意を含んでいると思われる。狼のアイヌ語地名に以下がある。

 wose-us-i 狼・多き・所
 wose-kamuy-ru-pes-pe セタカムイ岩への・峠道沢
 oose-usi 狼多き所

○オオ谷(内黒峠西)
 oose-us-pet
 オーセ・ウシ・ペッ
 狼・多い・沢

○オオカメ谷(内黒峠南東)
 oose-kamuy-us-pet
 オーセ・カムイ・ウシ・ペッ
 狼・多い・沢

 内黒峠の北方に狼岩山、狼岩があるがアイヌ語地名と思われる。

●狼岩山・狼岩(オオカミイワヤマ・オオカミイワ)

 wose-kamuy-iwa
 ウォーセ・カムイ・イワ
 狼の・山

 「狼岩山の山名は『樽床誌』に記されている。二つに裂けた岩があり、狼が住んでいた伝承による」(「西中国山地」)。加計の空谷地区には、絶滅したと言われるニホンオオカミの130年ほど前の頭骨が残っている。狼がこの辺りを闊歩した時代があったのは間違いないだろう。

 西中国山地では、畳山の南の追坂川(オッサカ)の水源に狼峠(オオカミダオ)があるが、これもアイヌ語地名と思われる。

●追坂(オッサカ)
 wose-kamuy-us-i
 ウォーセ・カムイ・ウシ・イ
 狼・多い・所

 oo-se-ka の転訛。

●狼峠(オオカミダオ)
 wose-kamuy-us-taor
 ウォーセ・カムイ・ウシ・タオル
 狼・多い・高い所

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

カシミールデータ

コナスビ

総沿面距離7.7km
標高差191m

区間沿面距離
内黒峠
↓ 3.9km
サバノ頭
↓ 2.5km
薮ヶ迫山
↓ 0.7km
内黒山
↓ 0.6km
内黒峠
 

 

 
展望岩から見たコの字地形の西側 2006/4/22
                 砥石郷山    野田原の頭                            比尻山 (サバノ頭から)
        サバノ頭                    深入山                    向山  (林道から)
                   奥三ツ倉 中三ツ倉                丸子頭 彦八の頭  (薮ヶ迫山から)
登路(薄茶は900m超 茶は1000m超)  「カシミール3D」+「国土地理院『ウォッちず』12500」より