山歩き

汐原…冠山…広高山…ウオキリ谷 2007/6/24
汐原…魚切林道…1119P…冠山…ホン谷…ボーギノキビレ…広高山…奥出合橋…小川林道…魚切林道…ウオキリ谷…赤土峠…汐原

■冠山(カムリヤマ)1339m:広島県佐伯郡吉和村字吉和西(点の記) (廿日市市)
■広高山(ヒロコウヤマ)1271m:広島県佐伯郡吉和村吉和西 (廿日市市)

×印の東コース・国体コース
広場の先が登山道
法面を上がる登山道
1129ピークのヤマツツジ
冠山登山道
冠山
視界ゼロの展望所
冠山西面を下る

ホン谷

ボーギノキビレ
サルノコシカケ
広高山
広高山北尾根のスギ林
奥出合橋
モリアオガエルの卵塊
ウオキリ谷
赤土峠から下る谷
冠山登山道 ウシオ谷
冠山登山道入り口の橋
ミヤマハハソ
マタタビ 冠山登山口
6:55 汐原出発 雨
 
ブタナ 

9:20 1129P
9:30 クルソン分岐
10:25 冠山
11:15 ホン谷
12:15 ボーギノキビレ
12:45 広高山
14:40 奥出合橋
15:15 2号橋
15:55 ウオキリ谷
16:45 赤土峠
17:55 汐原



 雨の汐原を出発。登山道案内板の東コース・国体コースは×印がしてあり、現在は使われていないようだ。東コース入口の「林道魚切線」を上がると広場があり、その先から林道の法面に沿って山道が上がっている。上の木にキツツキが留まっていた。林道はすぐ先で行き止まり。樹林に入ると夕方のように暗い。ウリノキの花が咲いていた。

 しばらく登ると道は南の谷へ降りていく。西へ上がると、ウシオ谷の崩れかけた木の橋から上がっている国体コースの尾根に出た。国体コースの踏み跡を上がるが薮である。グミの実が鈴生りだった。口に含んだが、酸っぱい。しばらく、開けた尾根のヤブと格闘し、踏み跡が樹林に入るとヤブから解放される。

キツツキ?
ウリノキ
鈴生りのグミ


 大岩を過ぎてまもなくヤマツツジの咲く1129ピーク、少し下るとクルソン岩への分岐。コアジサイが咲いている。ほどなくクルソン谷分岐。雨の登山道は大きいヒキガエルが多い。タンナサワフタギが咲き始めている。

 汐原から3時間半で冠山。サラサドウダンの花がたくさん落ちていた。見上げると枝に僅かに花が残っていた。展望所の視界はゼロ。登山道を西へ進み、途中からホン谷へ降りた。冠山西面は大きいブナの残る所である。木に登ったツルアジサイが花を咲かせている。水音が聞こえてくるとホン谷である。ホン谷右岸に登山道がある。

冠山登山道のヒキガエル
冠山のサラサドウダン


 2万5千地形図では、ホン谷からボーギノキビレへ上がるトラバース道があるが、消失している。ホン谷から1時間ほどでボーギノキビレ。暗い樹林にダイダイに輝くサルノコシカケが目立つ。セミの抜け殻がスギに留まっていた。鞍部から30分ほどで広高山。山頂のチュウゴクザサが開花していた。今年はササの開花によく出会う。ササの開花の当たり年であろうか。

 広高山から北の尾根を下った。尾根の平坦地はスギ林が続く。株立ちの大きいブナがあった。コアジサイも多い。2時間ほどで奥出合橋に降りた。ヤマアジサイが咲き始めている。雨にもかかわらず、車が上り下りしている。鳥の観察をしているグループが上がっているようだ。アシガ谷の入口では、山頂に向かって望遠鏡をセットしていた。

エゾノヨツバムグラ
ササの開花


 2号橋から「林道魚切線」を上がった。モリアオガエルの白い卵塊が、ちょうど水が溜まる側溝の上にあった。うまく考えて卵を産んでいる。ヤマアジサイは赤、青、白と種類が多い。

 魚切林道はウオキリ谷を横切り、そこから200mほど先で終点だった。林道がさらに延長されると、ウシオ谷から上がる「林道魚切線」に繋がるようである。

 ウオキリ谷を上がった。1時間ほどで赤土峠。峠から谷へ降りる踏み跡が残っている。樹林に入ると暗い。しばらく下ると、谷の右岸に鮮明な踏み跡が現れる。踏み跡はクルソン谷の手前で左岸に渡る。ほどなくクルソン谷から降りる登山道と合流した。赤土峠から1時間ほどで汐原に帰着。

ニシキウツギ 汐原
キツリフネ
ヤマアジサイ
ヤマアジサイ
オオイタヤメイゲツ

 


地名考


 小川(オガワ)の水源に、冠山(カムリヤマ)、後冠(ウシロカムリ)がある。
 

○小川 オガワ
 horka-nay
 ホロカ・ナイ
 後戻りする・川

 小川
 o-kapar-us-i
 オ・カパル・ウシ・イ
 川尻・平岩・ある・所


○後冠 ウシロカムリ
 num-us-horka-mun-ri-nay
 ヌム・ウシ・ホロカ・ムン・リ・ナイ
 果実・多い・後戻りする・草・高い・川


○高そん加むり山 コウソンカムリ(冠山古名1725年)
 o-so-un-horka-mun-ri-nay
 オ・ソ・ウン・ホロカ・ムン・リ・ナイ
 川尻・滝・ある・後戻りする・草・高い・川


○冠山 カムリヤマ 1725年
 horka-mun-ri-nay
 ホロカ・ムン・リ・ナイ
 後戻りする・草・高い・川


 昔、小川の水源に大物のイワナが多かった。細見谷の水源のケンノジ谷の入口はコンクリート堰堤で閉じられたが、まだ水源に大きいゴギが残っている。恐羅漢山のナツヤケノキビレに上がるトイシ川も堰堤で閉じられてしまったが、大きなイワナが居たところである。


○ボーギのキビレ
 pon-ki-nup-pet-kipir
 ポン・キ・ヌプ・ペッ・キピリ
 小さい・茅・野・沢の・丘

 「ボウギ・ボーギは藩政時代に国境に立ててあった標識(分木)の意で、普通は榜示木と呼ばれている」
 「クビレ・キビレもこの地域特有な方言で、尾根の鞍部の意である」
 「ボーギのキビレは、榜木の立ててある鞍部の意であるが、この鞍部には必ず径が通じていたので、国境の峠の別称と理解してよい。国境にある峠名として、傍示、坊地、棒路、法師、法事、棒木等の呼称が記されている榜示木から出ていることは明らかである」(「西中国山地」桑原良敏)。

 ボーギノキビレは、「西中国山地」では細見谷と広見川を結ぶ峠にあり、二ヶ所だけである。キビレの地名は10余りある。アカゴウキビレ、十文字キビレ、カマのキビレ、ジョシのキビレ、夏ヤケのキビレ、ヤハチのキビレ、ケンノジキビレ、オオキビレ、鳥越キビレ、カザゴヤキビレ、ジャノクラキビレ、バーのキビレ など。

 キビレの呼び名に近いアイヌ語のキピリは崖の意で、ボーギノキビレはアイヌ語では違った意となる。

 
○広高山 ヒロコウヤマ
 poro-kotan-nay
 ポロ・コタン・ナイ
 大きい方の・村・川


 広高山北の県境尾根上に、周囲6mのミズナラの巨木がある。広高谷周辺は昔からミズナラの多いところだったのであろう。


○コブドチ谷
 kop-ta-us-nay
 コプ・タ・ウシ・ナイ
 ドングリを・採る・いつもする・沢

 コブドチ谷
 tapkop-at-us-nay
 タプコプ・アッ・ウシ・ナイ
 タンコブ山の・オヒョウニレ・群生する・沢

 『この茎で臼・杵などの家具を作った。果実は乾し貯えておき、目や傷の薬に使った。使う時は水に漬けて柔らかくし、それを割ってその浸出液で眼を洗ったり傷を洗ったりした』(『知里真志保著作集』・平凡社)。

 コブドチは日本語で瘤のトチノキだが、アイヌ語でもまったく同じ意である。


○ケブタの谷
 opke-mun-ta-us-nay
 オプケムン・タ・ウシ・ナイ
 キツリフネを・採る・いつもする・沢

 『この草の熟した果実は、それに一寸でも触れると、とたんに果実がくるりと揺れて種子を弾き飛ばす。
 opke-mun オプケ・ムン 放屁する・草』(『知里真志保著作集』・平凡社)。

 kene-pet-putu-nay
 ケネ・ペッ・プト・ナイ
 ハンノキ・川・口の・川


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カシミールデータ
総沿面距離16.6km
標高差712m
累積標高1430m

エビガライチゴ

区間沿面距離
汐原
↓ 4.4km
冠山
↓ 2.1km
広高山
↓ 3.8km
2号橋
↓ 3.1km
赤土峠
↓ 3.2km
汐原
 

 
冠山登山道
登路(青線は磁北線 薄茶は900m超 茶は1000m超)