山歩き

飯山…稗原峠…ハシガ谷…鬼ヶ城山 2007/5/26
飯山…稗原峠…ハシガ谷…入江谷…ハチマン谷…新五郎畑…床越…鬼ヶ城山…三つ岩…平岩…飯山

■鬼ヶ城山(オニガジョウヤマ)1030.9m:山口県玖珂郡錦町大字宇佐字鬼ヶ城(点の記) (岩国市)

河内神社のトチノキ
飯山集落
稗原峠 西側の踏み跡
ハシガ谷上部の石積
スギ林のハシガ谷
鬼ヶ城トンネル
竜ケタキ
キショウブ

寂地峡入り口

ハシガ谷入り口
入江谷入り口
薮のハチマン谷入り口
ハチマン谷堰堤
ヤマウグイスカグラ
ヤマウグイスカグラ
径36mmのヤマウグイスカグラの幹
ヤマウグイスカグラ
林道終点付近
シロモジの登山道
鬼ヶ城山
鬼ヶ城山の岩崖
カンボク
コゴメウツギ
マタタビのツボミ
7:00 飯山河内神社出発 晴れ 気温13度

ミズタビラコ 

8:00 稗原峠
10:05 ハシガ谷入口
10:40 ハチマン谷入口
13:30 新五郎畑
13:55 床越
14:15 鬼ヶ城山
15:05 平岩
15:40 飯山


 河内神社のトチノキの花が咲いている。車道の真ん中にヤモリがじっとしていると思って近づくと、腹の赤いイモリであった。どこから這い上がってきたのだろうか。ムラサキのマムシグサが多い。林道の分岐を稗原峠に向かって上がる。ほどなく山道への分岐となる。

車道のイモリ
ムラサキマムシグサ
ゼンマイ

 スギ林の山道を上がる。林床はどこもチゴユリ、タチシオデが咲いている。葉が広がったゼンマイの葉から茶色の胞子葉が伸びている。コバノガマズミが咲いている。

 出発から1時間ほどで稗原峠。西側へ踏み跡がある。南側は鬼ヶ城への登山道である。

 「稗原峠(ヒエバラ)は『防長地下上申』や『防長風土注進案』に記されている古い呼称であるが、山崎、飯山の人達はこの名を使っている。昔からよく利用されたいた峠道であるが現在は手入れすることもなく通過困難となっている」(「西中国山地」桑原良敏)。

 稗原峠から踏み跡を西へ少し進み、スギ林のハシガ谷の水源へ降りると、すぐに林道がある。林道のトチノキが花をつけている。この林道は二万五千地形図では、北から上がる林道で、南側で行き止まりになっているようだ。

 林道から谷へ下ると、すぐにワサビ田があった。溶岩が流れ落ちてきたような岩壁の間を下ると、ワサビ田の石垣が残っている。谷には三つ岩と同じような、小石が突き出たような岩が多い。

 谷の開けた分岐付近は崩れやすく、その先の左岸に小さい竹林があった。しばらくスギ林の左岸の踏み跡を下る。シロダモが青い実を付けている。サンショウに触れると、匂いが広がる。踏み跡が右岸へ渡ると、ほどなく高速道手前の車道に出た。ハシガ谷の橋に、葉裏が白緑のサルナシのウラジロマタタビが小さなツボミを付けていた。

ウラジロマタタビのツボミ
キブシ
ヒメジャノメ

ヤブラビラコ


 車道を西へ進むと、高速道の鬼ヶ城トンネルの所で行き止まり。その先は中電の80番鉄塔に上がる道であった。引き返してハシガ谷左岸の小道を通って高速道を潜ると、スギ林の踏み跡が続いている。

 山道が途中で分岐したので、ハシガ谷へ降りた。ハシガ谷の水を引いて、水路が右岸にある。その水路に沿って降りると、農家の人が草刈をされている水田に出た。そこから前方に岩崖が見える。寂地川入り口の竜ケタキのようである。その左の山は横吹山とカラスバ山だろうか。

 反対方向へ少し登って車道へ出た。ノイバラが咲いている。キショウブが一本だけ咲いていた。国道434号線に出ると、寂地峡、宇佐八幡宮への入り口だった。国道沿いにカキノキが多い。ハシガ谷に架かる橋名は「東田地川橋」となっている。ハシガ谷の左谷の川名であろうか。

 ハシガ谷の川口付近を少し上がってウグイスカグラを探してみたがなかった。ヒメジャノメが留まっていた。少し進むと入江谷の小谷がある。すぐ上に堰堤がある。堰堤の下を見ると、イモリとともに10cm足らずの小魚が居た。入江谷の横にお地蔵さんが祀ってある。

 国道から脇道へ入るとすぐハチマン谷である。入り口は薮となっている。左岸の薮から入り、右岸の急な崖を上った。右岸のスギ林を進むと大きな堰堤がある。右岸の尾根に上がると踏み跡があった。少し進むと82番鉄塔への道が上がっていた。
 
 道が鉄塔へ上がり始めた所でハチマン谷へ降り、左岸へ渡った。高速道を潜り車道へ出た。車道は鬼ヶ城トンネルの西側で行き止まりとなっている。ヤマグワが赤い果実をつけている谷へ降りた。右岸のスギ林を踏み跡が上がっている。

ユキノシタ
ヤマグワ
サラサドウダン


 踏み跡が谷の手前で消えているところで左岸に渡り、新五郎畑に向かう尾根を登った。そこから少し上がったところでウグイスカグラに似た妙な葉を見つけた。古い枝はウグイスカグラに似ているのだが、新しい枝から親の葉の倍もある葉や変形した葉が出ている。ただ枝を囲むように葉柄がつながるウグイスカグラの特徴があった。

葉柄がつながるヤマウグイスカグラと葉の変形
ヤマウグイスカグラ

 周辺を探してみたがウグイスカグラの親の木はなかった。そこからしばらく新五郎畑に向かって上がり、スギ林と広葉樹の間の明るい所でウグイスカグラを見つけた。緑の実は細長いが、赤いものは丸い。太い幹径は3.6cmほどあった。背丈を超える3mほどの高さの木もあった。そこはウグイスカグラの群生地であった。この辺りは毛のあるヤマウグイスカグラのようである。赤い実を食べてみると、少し甘くて酸っぱさはなかった。

 そこから少し上がると林道の終点に出た。おそらく稗原峠の西にある林道がここまで延びているようである。再び急なスギ林に変わり、新五郎畑を通り、ようやく登山道に出た。ハチマン谷入り口から3時間ほどであった。

 「鬼ヶ城山頂の山口県側の山腹に796メートル独標のある段の原とよばれている平坦地がある。この丘は北方の新五郎畑(820〜840m)、吉和地(680〜710m)と共に山腹の平坦地として注目され、花崗岩の台座平坦地と、その上に乗っている玄武岩との境界地形としてできたものとされている。段の原より低い部分は花崗岩、それより上部は玄武岩で鬼ヶ城山頂までの厚さは250mとなっている」(「西中国山地」)。

 一休みして鬼ヶ城山に向かった。尾根筋はシロモジが多い。数本のウグイスカグラがあった。大岩を過ぎるとササ帯に入り、ほどなく三等三角点の山頂。山頂は茂っていて展望はないが、林間から羅漢山が覗く。少し下って、山名の由来となっている岩崖で休憩した。

 広葉樹の下り道にウグイスカグラはなかった。しばらく下るとスギ林に入る。シダの茶色い胞子葉が伸びている。小石が突き出ている岩がある三ツ岩を過ぎると、林道手前に平岩がある。3m四方の平たい岩で、表面がウロコのようになっている。周辺は三つ岩にあるような岩が多い。そこから林道を通り30分ほどで河内神社に帰着した。


地名考

●ウグイスカグラとハシガ谷・入江谷・ハチマン谷

 ハシガ谷もハチマン谷もスギ、ヒノキの植林帯だが、ハチマン谷の南側の植林帯の切れ目にウグイスカグラの群生地があった。ウグイスカグラは広葉樹林下に多いようである。周辺の山々が植林される前は、ハシガ谷、ハチマン谷の山は、ウグイスカグラの群生地であったと思われる。

 同じスイカズラ科のクロミノウグイスカグラのアイヌ語名は、「エヌミタンネ」「ハシカプ」である。

 enumitanne エヌミタンネ
 e-numi-tanne
 エ・ヌミ・タンネ
 頭・の粒・長い

 haskap ハシカプ
 has-ka-o-p
 ハシ・カ・オ・プ
 枝・の上・に沢山なる・もの

 クロミノウグイスカグラを和人は、「エノミダニ」「ユノミ」などと呼んでいたようだ。ハシガ谷・入江谷・ハチマン谷のアイヌ語名は以下が考えられる。

○ハシガ谷
 haskap-us-sin-nay
 ハシカプ・ウシ・シン・ナイ
 ウグイスカグラ・群生する・山の・沢

 has-kar-pet
 ハシ・カル・ペッ
 潅木を・取る・沢

○入江谷
 sir-enumitanne-us-nay
 シリ・エノミタンネ・ウシ・ナイ
 山の・ウグイスカグラ・群生する・沢

 sir-etu-un-nay
 シリ・エッ・ウン・ナイ
 山・崎・に入る・川

○ハチマン谷
 haskap-oman-pet
 ハシカプ・オマン・ペッ
 ウグイスカグラの・山へ行く・沢

 has-or-oman-nay
 ハシ・オロ・オマン・ナイ
 潅木・の所の・山へ行く・川

●新五郎畑(シンゴロウハタ)
 sin-kotor-pa-ta
 シン・コトル・パ・タ
 山の・斜面・の上手・の方

●三つ岩(ミツイワ)
 pi-tuk-us-iwa
 ピッ・ツク・ウシ・イワ
 小石の・突起が・群在する・岩

三つ岩の表面

●平岩(ヒライワ)
 pi-ramram-us-iwa
 ピ・ラムラム・ウシ・イワ
 小石の・ウロコが・群在する・岩(表面がウロコ状の岩)

ヒライワの表面

●鬼ヶ城山
 o-nit-us-ke-so
 オ・ニッ・ウシ・ケ・ショウ
 そこに・串・付いている・所の・岩崖
 (岩崖の中央が裂けている)

チゴユリ
ナルコユリ
ヤブウツギ
クマシデ
シャク


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カシミールデータ
総沿面距離9.5km
標高差589m

ニガナ

区間沿面距離
飯山河内神社
↓ 1.8km
稗原峠
↓ 2.1km
ハシガ谷川口
↓ 3.0km
鬼ヶ城山
↓ 2.6km
飯山
 

 
竜ケタキと横吹山 カラスバ山
登路(青線は磁北線 薄茶は900m超 茶は1000m超)