山歩き

カメイダニ…岩倉山 2007/5/6
亀井谷入口…亀井谷奥橋…亀井谷林道…鳥越…岩倉山…鳥越…亀井谷奥橋…亀井谷入口

■岩倉山(イワクラヤマ)1022.6m:島根県美濃郡匹見町大字道川字岩倉山(点の記) (益田市)

亀井谷落口と匹見川
亀井谷落口と匹見川
亀井谷入口の橋
ミツバウツギ
ミツバウツギ
株立ちのミツバウツギ
亀井谷
鎖止め
亀井谷奥橋

春日山

岩倉山
鳥越
岩倉山
11:10 亀井谷入口出発 雨
 

12:00 亀井谷奥橋
13:05 鳥越
13:25 岩倉山
14:30 亀井谷奥橋
15:20 亀井谷入口

 匹見川右岸に下りるリョウシ谷を過ぎて、県道から亀井谷へ向けて入り、匹見川の倉渡瀬橋を渡って左へ進むと、亀井谷に架かる橋がある。そこが亀井谷への入口である。倉渡瀬橋から見ると、匹見川の岩場のところに、亀井谷が降りている。

 雨の中、亀井谷に架かる橋を出発し、少し進んで驚いた。亀井谷の川口付近は、ミツバウツギが群生し、白い花が咲き始めていた。右岸の林道から山端にかけて、ミツバウツギの花でいっぱいである。左岸にもある。

ミツバウツギ
ミツバウツギの幹

 太い木は幹径が10cmほどあった。林道に沿ってミツバウツギの林が300mほど続いている。株立ちの樹皮には灰色の斑点がある。枝先にかたまってある花は、半開きのものが一つか二つで、あとは白いツボミのままである。「コメノキ」の方言があるが、白い丸いツボミはコメがぶらさがっているようにも見える。

 林道沿いに株立ちのカツラの巨木がある。ミツバウツギの林を抜けると、林道は鎖止めされているが、鍵は掛かっていない。鎖止めからほどなく亀井谷橋、橋の左岸にミツバウツギが二本あった。

 亀井谷橋から上流の亀井谷奥橋の間は、右岸に20本ほど、左岸に5本のミツバウツギがあった。川口周辺のミツバウツギの林から、上流へ種が運ばれてきたのであろうか。亀井谷の33曲がりの上流でも、以前ミツバウツギを見ている。

 亀井谷奥橋からU字にカープする林道を上がった。林道沿いはガマズミが多い。林間から白く煙る春日山が見える。山にはウワミズザクラの白い花が咲いている。亀井谷奥橋から1時間ほどで鳥越に出た。林道は東側へ降りているが、2万5千地形図では行き止まりである。急登を上がった。山々は白く煙り、展望はない。20分ほどでササ原の山頂に出た。

 山頂で雨がひどくなり、直ぐに引き返した。林道にイノシシの頭骨や肋骨が転がっていた。亀井谷奥橋から上の林道沿いに、ミツバウツギはなかった。谷沿いに茂る樹木のようである。山頂から2時間ほどで亀井谷入口に帰着した。

イノシシの頭骨


地名考
 
 亀井谷にミツバウツギの林があることは、恐羅漢山の山名の起源は、匹見側にあるのかもしれない。亀井谷の川尻に、ミツバウツギが多い。アイヌ語で以下の意がある。

 o-esorokanni-sam
 オ・エソロカンニ・サム
 川尻・ミツバウツギの・傍

 o-esorokanni → o-sorokan の転訛。

 「川尻に」の形式は、アイヌ語に多い地名である。

 帰りに、恐羅漢山の二軒小屋へ寄ってみたが、ミツバウツギが見られなかった。二軒小屋の古名、「しろへ谷こや」は、アイヌ語名で以下の意であろう。

 wensir-ke-tanne-ko-yan-pet
 ウェンシリ・ケ・タンネ・ヌプリ・コ・ヤン・ペッ
 悪い崖・の所・長い・山・に向って・上がる・川


 sir-ke-tanne-ko-yan →
                          siro-e-tani-ko-ya の転訛。

●ソカヒ山

 「『芸藩通志』(1825年)の戸河内村絵図にヲソラカン山≠ニあり、山林の項の十方山の所に『一に西十方をおそらかん山とよぶ、日本興地図に、石見界に高山そかひ山としるすは、おそらかんのことなるべし』とあるのはよく知られている」(「西中国山地」桑原良敏)。

 石見界では、恐羅漢山を「高山そかひ山」と呼んでいた。

 知里真志保の『分類アイヌ語辞典』(平凡社)に、ミツバウツギについて以下のような記述がある。

 esorokanni (e-so-ro-kan-ni) 「エソロカンニ」
 e-sor-kar-ni
 それで・カンナ・つくる・木

 ソカヒ山は以下の意。
 e-sor-kar-ni-un-nupuri
 エ・ソル・カル・ニ・ウン・ヌプリ
 それで・箸・つくる・木・の・山

 「そかひ」は以下の転訛と思われる。
 sor-kar-ni → so-ka-hi

ウワミズザグラ
アケビ

●亀井谷 カメイダニ

 亀井谷が匹見川と交わる付近の所在地は、「匹見町大字道川字亀井谷ロ602番地」(島根県HP)である。亀井谷の地名は、亀井谷川口の小字名「カメイダニ」によるものであろう。

○亀井谷
○大亀谷山(恐羅漢山)
○カマのキビレ

 亀井谷水源の鞍部にある「カマのキビレ」は、「亀井谷のキビレ」の意と思われる。「亀」は「カメ」「カマ」と呼ばれていたと思われる。

 亀井谷と匹見川の合流点は岩が削られた所であり、昔は大岩が目立っていたと思われる。川尻にミツバウツギと平岩があるアイヌ語名は以下となる。

 亀井谷 カメイダニ 
 o-esorokanni-sam-us-nay
 オ・エソロカンニ・サム・ウシ・ナイ
 川尻・ミツバウツギの・傍・にある・川


 亀井谷(別名:大亀谷山) 
 o-kama-un-nay
 オ・カマ・ウン・ナイ
 川尻・平岩・ある・川

 カマのキビレ
 o-kama-un-nay-kipir
 オ・カマ・ウン・ナイ・キピリ
 カメイ谷の・丘

亀井谷左岸のミツバウツギ
ウリハダカエデ


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カシミールデータ
総沿面距離13.0km
標高差582m

区間沿面距離
亀井谷入口
↓ 2.6km
亀井谷奥橋
↓ 3.9km
岩倉山
↓ 6.5km
亀井谷入口
 

ミツバウツギ群生する亀井谷林道
春日山 亀井谷林道から
登路(青線は磁北線 薄茶は900m超 茶は1000m超)