山歩き 2012/11/25
盛太ヶ岳
2014/6/1
入江谷林道

スズノオオ谷…伝法寺跡…鈴ノ大谷山…タグチヤマ谷 2006/9/10
鈴ノ大谷・林道入口…鈴ノ大谷…伝法寺跡…982P…982P…鈴ノ大谷山…登山口…タグチヤマ谷…入江山橋…出発点

■鈴ノ大谷山(スズノオオタニヤマ)1036.2m:島根県鹿足郡柿木村大字糀谷字鈴ノ大谷山(点の記)

鈴ノ大谷へ入る林道入口 正面は568P
柿木村生椎茸菌床センター
石垣の道が続く歩道

水害遭難死者精霊位

コンクリートの軌道橋
埋もれたレール
鈴ノ大谷の石垣
オシガ谷
炭焼窯跡
小ゴルジュ
歩道
歩道終点の右岸
銚子の口
銚子の口 上流
伝法寺跡
尾根のブナ
7:40 林道入口出発 雨 気温19度

8:35 軌道橋
9:30 オシガ谷
11:05 「歩道」終点
12:50 伝法寺跡
14:00 尾根道
16:05 鈴ノ大谷山
16:40 登山口
17:40 入江山橋
18:10 出発点

 しばらく雨の止むのを待った。鈴ノ大谷へ入る林道は、島根県道3号線から福川川(フクガワガワ)とトンガリ山の568ピークの間を降りている。福川川に架かる橋を渡り、アスファルトの道をそのまま進むと「柿木村生椎茸菌床センター」で道は終わる。すぐ横の林道へ上がる。しばらく谷沿いを進むと、「歩道入口」と書かれた道標があり、林道はそこから谷へ降りたところで終点。

 小雨の中、暗いスギ林の「歩道」を上がった。左側は石垣が続き、掘り下げた道である。しばらく進むと、左に上がる石段があり、上に「水害遭難死者精霊位」があり、碑の横に「昭和十一年九月十一日」とあった。そこからすぐ先に橋が架かっている。進入禁止のロープが渡してあり、手すりは朽ちて心もとない。少し谷へ降りて、下から橋を見ると真ん中が空洞のコンクリート製の軌道橋だった。真ん中を踏み抜け無ければ大丈夫と、恐る恐る片側のコンリートの上を渡った。

石段の奥に慰霊碑

 軌道橋を渡ると、「歩道」は回りこんで谷沿いを上がっていく。レールの一部が残っていた。この道は「インクラ」と言って、木材を運ぶための傾斜鉄道(インクライン・レール・ウェイ)だったようだ。インクラの道を進んだ。ナカノ谷を渡る橋は流されてない。昨夜来の雨で、小谷だが水量は多い。土砂に埋もれたレールが残っていた。レールの間隔が81cm、レールの上幅が3cm、下幅が6.2cmで、小さなトロッコのような軌道だったようだ。

 オシガ谷付近の鈴ノ大谷を渡る橋も流されている。両岸に橋の跡が残っているだけだった。浅瀬を渡ったところで一休みした。ここで道を見失ってしまった。オシガ谷は両岸が、石垣が組まれ、底も石が敷かれた谷になっている。こんな山奥の谷に、立派な谷の改修の跡が崩壊せず残っていた。

 鈴ノ大谷沿いの石垣に沿って進んだ。炭焼き窯の跡が残っている。谷沿いに進み、水量の多いゴルジュで右岸を見上げると石垣があった。上に登るとインクラの道に出た。5万地形図に破線道があり、オシガ谷付近で鈴ノ大谷右岸の上部へ入っており、インクラの道は大分上を通っているようだ。

 しばらく進むと道は右岸に渡るが橋はない。谷を渡ってしばらく進んだところでインクラの終点だった。そこから谷沿いに「銚子の口」の滝へ進む。谷は右へ曲がりゴルジュに入る。谷を歩く予定でなかったが、滝の見えるところまでと思い、上がってみた。結局、「銚子の口」らしきものはなく、そのままゴルジュを乗り越してしまった。谷が右へ曲がる手前に、北へ入る谷があったので、おそらくその先にあるのだろう。

 ゴルジュの上の岩場で一休みした後、尾根を登った。5分ほどで「歩道」に出た。そこから少し進むと、982ピーク北の鞍部から降りる小谷に出た。「歩道」は鈴ノ大谷沿いに続いている。小谷を100mほど登ると、平らな右岸がある。そこが伝法寺跡である。立てかけたインクラのレールに「伝法寺跡」の道標がぶら下がっている。その辺りは平坦なところで、建物があったといえばそんな気がしてくる。ただ見渡したところ礎石らしきものはない。掘り返して、基礎の石でも出てくれば、本当に寺跡だったのかもしれない。

 しばらく休憩の後、小谷を登った。谷に倒木が覆いはじめたところで尾根を登った。伝法寺跡から1時間ほどで尾根に出た。尾根道はササ薮である。開けたところはガスで展望はない。この道はブナも少ない。鈴ノ大谷山北面で、目測周囲4mほどの大ブナを見た。尾根に出てから2時間ほどで、ようやくササ薮を抜けて山頂に着いた。東側は開けているがガスで展望はない。

 鈴ノ大谷山は、点名、大谷山、選点は明治27年で、二等三角点、林野庁が所有している。

 「スズ」はアイヌ語の、susu スス 「柳の木」を連想させる。

 福岡県に鈴ノ耳納(スズノミノ)と呼ぶ、931m峯の変わった山名がある。

 鈴ノ耳納は、
 susu-un-pi-not-nay
 スス・ウン・ピ・ノッ・ナイ
 「柳・ある・石・崎・川」の意。

スズノミノ

 鈴ノ大谷山の初見は『吉賀記』(1804年)で、「錫の大谷山」とある。『吉賀記』はこの谷について

「錫の大谷 凡二里餘奥銚子の口と云名石有崔嵬(サイカイ)たる巌石より水洋に落る事凡二十丈許下に凹ありて是を受け又谷へ落る寔此凡二里の内中大にして調子に錫より酒をつぐが如し故に此名有」とある(「西中国山地」桑原良敏)。

 鈴ノ大谷山は、「銚子の口」の滝が昔から知られていたようである。

 銚子の口
 so-us-nay-or-kuti
 チョウ・ウシ・ナイ・オロ・クチ
 滝・ある・川・の所の・その崖

 鈴ノ大谷山
 susu-un-poro-nay
 スス・ウン・ポロ・ナイ
 ヤナギ・ある・大・川

 南東に下りる急な山道を下った。スギ林に入ると平坦な道となる。30分ほどで登山口の林道に出た。こちらにも「歩道入口」の道標があった。林道はまだ上に上がっている。林道を下った。小谷や本谷の随所に堰堤が築かれている。1時間ほどで島根県道3号線の入江山橋に到着。福川川に沿う県道を下った。雨は止んだが、山々はまだガスに煙っていた。県道に出てから30分ほどで出発点に帰着した。

鈴ノ大谷山
登山口
福川川
福川川
 
 


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カシミールデータ
総沿面距離14.2km
標高差676m

区間沿面距離
林道入口
↓ 4.0km
「歩道」終点
↓ 0.8km
伝法寺跡
↓ 2.5km
鈴ノ大谷山
↓ 4.8km
入江山橋
↓ 2.1km
出発点
 

 
 

伝法寺跡
鈴ノ大谷ゴルジュ
登路(薄茶は900m超 茶は1000m超)  「カシミール3D」+「国土地理院『ウォッちず』12500」より