山歩き

ヤシキ谷…内黒峠…ウラオレ谷…那須集落 2005/7/30
柴木林道分岐…クロヤマ谷…ヤシキ谷…内黒山…内黒峠…十方山登山道…カザゴヤキビレ…カラ谷…ウラオレ谷…風小屋林道…那須集落…
旧道…県道恐羅漢公園線…柴木林道分岐

■内黒山(ウチグロヤマ)1082m:広島県戸河内
■彦八の頭(ヒコハチノカシラ)1152m:広島県戸河内

柴木林道分岐

ヤシキ谷入口

スギ林のヤシキ谷
ヤシキ谷の滝 下部
内黒山へのスギ林
内黒峠へ
加藤武三の碑 内黒峠

彦八の頭

ウラオレ谷方向 彦八下りから 
トモエソウ ムラサキニガナ

やっと広くなったカラ谷

カラ谷最下部の滝 三ツ滝落ち口
大岩のウラオレ谷
左岸のスギ林の踏み跡

右岸のスギ林の石垣

踏み跡は林道の大石に出た。
那須集落
右 鍋山 旧道から
明治の道標 那須・横川分岐
ヨウシュヤマゴボウ コオニユリ
6:10出発 雨後曇り 気温21度

7:55ヤシキ谷の滝
9:10内黒山
9:25内黒峠
10:10 1166ピーク
10:40彦八の頭
11:05カザゴヤキビレ

イワタバコ

 出発しようとすると雨が降り始めた。小雨になったところで出発。県道恐羅漢公園線と柴木林道が交差する少し先をオオマキ峠という。県道沿いのクロヤマ谷に架かる橋を渡ると、左岸に林道がある。スギ林の林道が行き止まりになるとヤシキ谷の入口。県道から見るとヤシキ谷の入口は小さい。スギ林が覆う谷は暗い。
 サワガニの死骸があった。大ミミズほどの大きさの小さなヘビが多い。ところどころ左岸、右岸に踏み跡がある。「ヤシキ谷から内黒山へ登り、内黒峠へ出る径も一時使われていた」(「西中国山地」桑原良敏)というから、その踏み跡なのだろう。

ツチアケビ

 上部で水流が二分すると右へ進む。だんだんと岩壁が狭まり、ゴルジュを過ぎると階段状の滝が現れる。水量が少ないためか、思ったほどの迫力はない。適当にホールドがあるので直登できる。上下二段になっている。滝の上部に登ると右岸に踏み跡がある。内黒山へ登る径のようだ。滝の左岸を回る径があるようだ。
 そのまま谷を進むとスギ林の中に大きなツチアケビが咲いていた。滝の上部は平坦で、しばらく登って枝が覆い始めたところで、右岸の尾根に登った。スギ林を登り、尾根に取り付いてから40分ほどで内黒山。

 内黒山近くの道標で少し休憩して、登山道を内黒峠へ下った。道沿いに大きなブナがある。林間から砥石川山が覗いている。内黒山から15分で内黒峠。加藤武三の碑の横を通って十方山登山道を登った。

 加藤氏が編集した日地出版の古い案内書に内黒峠の件がある。「恐羅漢山の登山根拠地、古屋敷へのコースは内黒峠を越えるのが最短コースである。北アルプスの徳本峠に比すべくもないが、この千米の峠では冬季既に三名の登山者が遭難死している。内黒山(1050m)の肩を越えるこの峠は全長12km、かなりアゴの出るアプローチである」。昔は恐羅漢山への入口として、三段峡駅や上本郷からこの峠を越えた。

「加藤氏は、山を愛し山を詩った山歩きの人で、恐羅漢を中心に中国山地をくまなく歩き、ガイドブックなどを発行した。その遺徳を称え、思いでの山々を望む内黒峠に、山毛欅(ブナ)会、(広島山の会)が建てた追悼碑である」(「とごうち石の文化」戸河内町教育委員会・郷土歴史研究会、編集・発行)。

シロホタルガ

コシロシタバ
キンモンガ

 登山道沿いのリョウブの花はもうすぐ終わりだろう。コバノフユイチゴが赤い実を付けている。口に含むと少し酸っぱいが食べられる。白帯の良く目立つムシが止まっていた。ホタルガという。最初のピークを過ぎて少し下ると大きな夏ツバキがある。周辺にはたくさんの花が落ちていた。その先に朽かけたミズナラの大木がある。測ってみると周囲4.2m。下の部分は抉れて傷んでいるが、葉を出して頑張っている。

 1166標高手前で左の林間から、市間山からの長い稜線の向こうに天上山が見える。下りになると恐羅漢スキー場が見えてくる。正面に彦八の頭を見ながらワル谷キビレへ下る。壊れた大き目のカタツムリの殻が落ちていた。彦八の頭から下りに入ると恐羅漢スキー場が目前に見える。湿地帯を過ぎて少し下るとカザゴヤキビレ。左側のササ帯の先にウラオレ谷がある。内黒峠から1時間半ほどかかった。カザゴヤキビレから少し上がって、ブナ林をカメラに収めた。カザゴヤキビレから藤本新道分岐の間は、ちょっとしたブナ林を楽しめる。雪の季節もまた良いところだ。キビレに戻って少し休憩した。

12:30三ツ滝
14:25風小屋林道
15:10那須集落
16:50横川・那須分岐
17:05柴木林道分岐

コバノフユイチゴ

 カザゴヤキビレからカラ谷を下った。最初は背丈ほどのササを掻き分けて進んだが、だんだんと枝や棘が絡んでくる。緩やかな下りなので水源部がなかなか現れない。カラ谷というのは水源がない谷のことのようだ。身動き取れないところへスズメバチがやってきた。どうも斥候のようで時々威嚇する。近くに巣があるのかもしれない。念のために虫除け網をポケットに入れて、いつでも被れるようにした。やっと水流が現れたが、ササや枝が覆って歩けない。ササのトンネルを這いつくばって進んだ。キビレから三ツ滝の間を半分ほど進んだところで、やっと広めの谷になった。

 この時期、カラ谷は通らない方が良いだろう。むしろ1152ピークの尾根を下って、カラ谷の下半分の側へ降りた方が大分楽なようだ。小滝を三つ降りて三ツ滝の下部へ出た。ウラオレ谷の三ツ滝付近には、枝谷が幾つかあるので、どの谷がどこへ降りているのか歩いてみないと分からない。「西中国山地」にある地図は正確である。実際に歩いてみないと正確な地図は書けないだろう。

動かないヒキガエル

 三ツ滝の落ち口の枝に目印が掛かっている。禁漁のウラオレ谷に入る釣り人があるようだ。三ツ滝から下は、長いナメラ滝を過ぎると危険なところもなく、緩やかになる。大岩の転がる谷を降り、左岸に岸壁が現れると障子ダキ。障子ダキを抜けると谷は平凡になる。岩の上で大きなヒキガエルがじっとしている。今の時期、どういうわけか、前を通っても逃げない。障子ダキからしばらく降りて、左岸のスギ林を下ると踏み跡があった。この辺りはスギ林が続いているので、営林署の見廻り道なのだろう。スギ林の中にセミの抜け殻が残っていた。

ヒカゲチョウ
クロヒカゲ

 しばらく下ると道は右岸に渡る。壊れた木の橋が残っていた。イシノリ滝より大分上の方だ。右岸のスギ林の中に、水田跡の石垣がある。この辺りのウラオレ谷から藤十郎谷の間を台ヶ原と言い、棚田があったところだ。壊れた橋の少し上に取水口があり、ウラオレ谷の水を水田に引いていたようだ。江戸の時代から開墾されてきた石垣と思われる。踏み跡は風小屋林道終点手前の大石のところに出た。

 台ヶ原の棚田の歴史は古い。那須には終戦当時、田が7町6反あった。因みに延享3年(1746年)今より約260年前、田が5町3反2畝18歩あったことが「萬手鑑(よろずてかがみ)」(本田屋蔵文書)で明らかである。そのうち、家ナル(人家のまわりの田の俗称)に約2町歩、台ヶ原(だーがはら)に山田が5町歩余りある。那須集落の田の大半は台ヶ原にあった。
 台ヶ原の田に、「ジョウボー田」と「ハゴ田」というのがある。ジョウボー(リョウブとも云い、濶葉樹の一種でその葉を米などに混ぜて食べる)の葉を食べて開墾したのが「ジョウボー田」、ハゴ(蕎麦の葉を粉にしたもの)を食べて開墾したのが「ハゴ田」という伝承がある(「戸河内郷土誌考」)。

ミヤマカラスアゲハ

オナガアゲハ


ヤマナシ

 林道を下るとにわか雨になった。今日は降ったり止んだりの天気だ。数センチの大きさのヤマナシの実を食べてみた。味のないリンゴのようだが、十分食える。林道を乗用車が上がっていったが、すぐに降りてきた。うらおれ橋でアゲハチョウが群れ、さかんに吸水していた。ミネラル分を取るためという。電気柵で囲まれた集落の稲穂が大分伸びていた。30分ほどで那須小学校跡に到着、少し休憩した。

クロコノマチョウ

 休憩しているとまた雨になった。小止みになったところで出発。那須川に架かる鉄の錆びた橋を渡り、ジグザグ道を登った。橋を渡ってすぐに那須川に沿って上がる道は、吉和郷の流田の手前に出る。石垣のある昔からの古道である。ジグザグ道をあがると、ほどなく分岐、上に登る道は県道恐羅漢公園線へ出る。トラバース道を真っ直ぐ進んだ。この道も上本郷へ抜ける古道である。那須側は大分整備されているが、本郷に近づくほど荒れてくる。途中、林間からハチガ谷の頭から降りる稜線の先に鍋山が大きく見える。

 スギ林の中に吉和郷町有林の看板があった。昭和35年の植林から、45年が経過している。太いスギも少しあるが、大半がやせて細いスギだ。那須から1時間半余りで那須・横川分岐。石の道標には「右 横川 左 那須 道 戸河内村本郷 吉本厘太郎 明治4年10月」とある。上本郷から入るこの道は、那須や横川へ抜ける分岐点だった。明治の時代に本郷の住人が立てたものである。分岐から10分余りで柴木林道入口へ帰着した。

ヤブラン
 


カシミールデータ
総沿面距離13.0km
標高差571m

ヌスビトハギ

区間沿面距離
柴木林道分岐
↓ 0.3km
ヤシキ谷入口
↓ 2.6km
内黒峠
↓ 2.7km
カザゴヤキビレ
↓ 0.7km
三ツ滝
↓ 1.7km
風小屋林道分岐
↓ 1.2km
那須小学校跡
↓ 3.8km
柴木林道分岐

 

クロヤマ谷沿いの林道

ヤシキ谷
ヤシキ谷

ヤシキ谷 上部

内黒山近くの道標

内黒峠

朽ちかけた4.2mミズナラ

恐羅漢スキー場 彦八下りから

登山道のブナ林 カザゴヤキビレ上

ヒメキンミズヒキ アキノタムラソウ
カラ谷 一番上の滝
三ツ滝
左岸の障子ダキ

壊れた木の橋

右岸のスギ林 下は水田だった

うらおれ橋で吸水するアゲハチョウ

那須小学校跡と錆びた鉄の橋
町有林の看板 旧道
県道から那須・横川分岐への入口
リョウブ ヒヨドリバナ


ヤシキ谷の滝 下部

朽ちかけた4.2mミズナラ 十方山登山道
恐羅漢スキー場 彦八の頭の下りから
ブナ林 カザゴヤキビレと藤本新道の間付近
登路(青線は磁北線)
 
モミジガサ フシグロセンノウ スノキ
アサクラザンショウ イヌザンショウ ヒメヒオウギスイセン
アカソ コアカソ キカラスウリ
サルトリイバラ キツネノボタン オトギリソウ ヤマゼリ ハナイカダ
フウリンウメモドキ サワフタギ ヤブデマリ ツリバナ ツノハシバミ
ホタルブクロ クサアジサイ ヤマジノホトトギス ノリウツギ ドウダンツツジ?
ブナの木を歩き回るザトウムシ ミヤマフキバッタ ナガバハエドクソウ モミジガサ