山歩き

亀井谷…広見山…三本栃…恐羅漢山 2005/6/25
牛小屋…ナツヤケノキビレ…管理林道…台所原…33曲り…カメイ谷…ジョシ谷…ジョシのキビレ…広見山…半四郎山…向半四郎…広見林道…
ハゲノ谷…三本栃…旧羅漢山…恐羅漢山…牛小屋

■広見山(ヒロミヤマ)1186.7m:島根県匹見町 
■半四郎山(ハンシロウヤマ)1126m:島根県匹見町

砥石川山方向 恐羅漢登山道から

コアジサイ

左から野田原の頭 高岳 比尻山
林道終点の土場 先は中ノ甲林道
台所原 分岐のミズナラ
33曲りの谷
デミセ谷左岸の銅山跡

ジョシ谷 分岐付近

ノコギリソウ クロズル
リョウブ タンナサワフタギ
サワグルミ ジョシのキビレ下

十方山とバーのキビレ 広見山から

半四郎山と向半四郎
遠景は十方山 ボーギのキビレ オオアカ谷
向半四郎のジグザグ

半四郎山 向半四郎から

ヨツバヒヨドリ ナツトウダイ
ミズタビラコ ノアザミ
水田跡の石垣
砂利道の広見林道
広見川
ハゲの谷分岐の広場 小屋跡
広見林道終点
広見山 旧羅漢山から
6:20出発 晴れ 気温21度


ショウキラン

6:45夏焼峠
7:05林道分岐
7:20管理林道
8:00林道終点
8:35 33曲り
9:20ジョシ谷
9:40谷分岐
10:45ジョシのキビレ
11:05広見山分岐
11:45広見山

ひっくり返った
カタツムリ 

 朝から気温が20度を超えている。今日は暑くなりそうだ。ひと雨欲しいところだ。登山道沿いに、ササユリが咲いている。20分ほどでナツヤケノキビレ。強い陽射しを背に受けて恐羅漢登山道を上がった。リョウブがいっせいにツボミを出している。カタツムリが登山道を這っていた。カメラを向けると、角を引っ込めた途端にひっくり返った。20分ほどで管理林道分岐、太いリョウブが分岐にある。15分ほどで管理林道へ出た。

 林道を歩きながら、天杉山から中川山の稜線を一望できる。昨年10月、視界のない雨の林道を歩いたので、こんな展望があるとは思っても見なかった。恐羅漢の南側では終わっているコアジサイが、こちらでは見頃である。林道から見る恐羅漢の北面は、鬱蒼とした原生林が残っている。中ノ川谷の先に、比尻山、高岳の連山が薄っすらと見える。中川山の南面は立ち枯れの白骨林が目立つ。40分ほどで林道終点の土場に出た。ここは伐採した木材の集積地だった。

ヒトツメカギバ

 中ノ甲国有林の看板の先の中ノ甲林道を上がり、ミズナラの大木がある台所原へ出た。ここは恐羅漢山、中川山、33曲りへの分岐になる。踏み跡を背丈を越えるササを掻き分けて西へ進み、少しトラバースして登ると、長い下りのトラバース道が続く。樹林帯を下って、33曲りの谷へ接すると、谷に沿ってジグザグ道を下る。分岐から30分ほどで33曲りへ出た。少し休憩し、冷たい谷水で顔を洗った。

 亀井谷を下った。ところどころ石垣が残っている。この道は車が通れるほどの幅広の道だったようだ。33曲りの500mほど奥まで石垣が残っている。昔は木材の運搬に使われ、人の出入りも多かったのだろう。

ササユリ

 島根県の炭焼きは、たたら製鉄と深くかかわり15世紀半ばには木炭生産に取り組んだという。大正末から昭和にかけて、島根の木炭が産業として注目され始める。亀井谷下流の道川にはタタラ遺跡が多い。
 道川に美濃地屋敷が残っているが、美濃地家は数村を管理下においた割元庄屋(大庄屋)だった。美濃地家は、1751年に道川でタタラ事業を始めた時代から、総支配人としてこの地に入っている。

 島根県遺跡データベースにある道川のタタラ跡は35ヶ所もある。以下列挙してみた。森ヶ谷鈩跡、コグロミ谷鈩跡、山ノ谷鍛冶屋鈩跡、浜子鈩跡、火ノ谷鈩跡、鍛冶町鈩跡、ガケノ原鈩跡、炭田鈩跡、岩ヶ原鈩跡、一ノ谷鍛冶屋原鈩跡、田平吹屋鈩跡、大谷鈩跡、上仏原鈩跡、鍛冶屋床鈩跡、鱒渕鈩跡、岩ヶ原鈩跡、鍛冶原鈩跡、シモヌクイ鈩跡、カミヌクイ鈩跡、カナクソマチ鈩跡、本谷鈩跡、タキガサコ鈩跡、下臼木谷鈩跡、茗荷谷鈩跡、平蔵谷鈩跡、平神古鈩跡、仏谷鈩跡、矢玄地鈩跡、赤谷鈩原鈩跡、杉山鈩原鈩跡、平滑鈩跡、芽木屋鈩跡、寿美台鈩跡、大赤谷鈩跡。

 亀井谷下流には、仙床寺跡、岩ヶ原鈩跡があり、デミセ谷に銅山があった。
 1942年、亀井谷へ北海道から製炭者多数が入村、1949年ごろには広島県の加計町にあった民間会社、帝国製鉄の燃料用木炭の生産に追われるようになる。
 亀井谷に沿う幅広の山道は、たたら製鉄や炭焼き産業、デミセ谷の銅山のための幹線道として使用されていたのだろう。

ヤマツツジ


水鳥の足跡?

ジョシ谷入口

 亀井谷を少し下った川の砂地に足跡が残っていた。水鳥のようだ。細見谷にオシドリがやってくるが、もしかしたらオシドリかもしれない。

 デミセ谷左岸の銅山跡を過ぎて左岸へ渡るとジョシ谷落ち口。木に「広見入口」と彫ってある。亀井谷をもう少し下ると、ジョシ谷左岸に入る道の分岐に出る。谷を登るとまもなく左岸の道に合流する。道の草が踏まれて倒れている。先行者があるようだ。亀井谷から20分ほどで谷が分岐。「西中国山地」ではジョシ谷をさらに登って尾根を越えてジョシのキビレへ出る道がある。ジョシのキビレ付近から降りる谷を登った。すぐに20mほどの小滝がある。登りは適当にホールドがあるので登れるが、下りは滑りやすいので巻いたほうが良いだろう。

 1時間ほどでジョシのキビレの下に出た。チョウにカメラを向けていると、うしろで呼びかける。振り返ると、山慣れした三人がジョシ谷からのトラバース道を降りてくるところだった。この道から上がってくる人は「西中国山地」に係る相当の山の猛者だろうと思った。話してみると、なんとあの「ヤブ山突撃隊」のみなさんだった。ジョシ谷からジョシのキビレへ抜ける道を忠実に辿ったようだ。わたしはこの道を避けて、楽な谷径を選んだ。山に向かう「ヤブ山突撃隊」の姿勢をあらためて見直した。広見山まで同行させてもらった。

ヤブ山突撃隊のホームページ

 ジョシ谷は「西中国山地」では、京ツカ山北、馬頭山南の三ヶ所、平家ケ岳の北にジョシガ岳がある。

 ジョシのキビレを下り、広見山分岐をへて1時間ほどで広見山。昨年はガスで視界ゼロだったが、今日は少し霞んでいるが、展望は素晴らしい。広く見渡すことができる。東側は長い稜線が延びる十方山、その手前が焼杉山、十方山南西稜を下るとバーのキビレ、焼杉山南のボーギのキビレと重なって見える。十方山稜線と五里山稜線を、同時に一望できるのはここだけだろう。左にある恐羅漢山、旧羅漢山、ケンノジキビレ、焼杉山の尾根を目で追う。残念ながら西側の展望はない。山頂にササユリが一輪咲いていた。

 「広見山という山名の初見は『石見風土記』(736年)と思われる」(「西中国山地」桑原良敏)。広見山は恐羅漢山や十方山より歴史が古いのかもしれない。

オオモミジガサ

12:45半四郎山
13:10向半四郎
14:05半四郎山登山口
15:35ハゲの谷
16:10三本栃
16:35広見林道終点
17:00尾根分岐
17:40旧羅漢山
18:20恐羅漢山
19:00牛小屋

モンキチョウ 

キンモンガ

 ヤブ山突撃隊のみなさんに別れて、半四郎山へ向かった。七人小屋クビレからノノハラ谷へ降りる予定にしていたが、縦走することにした。30分余りで半四郎山。ボーギのキビレとオオアカ谷が迫ってくる。西の展望が開け、春日山が見える。

 山頂に匹見町の標柱(平成8年10月20日)がある。匹見町制施行40周年を記念して、第21回匹見町登山大会が開かれ、登山道が整備された。十方山南西稜や五里山稜線の道を整備すれば、素晴らしい縦走路になるのだが。ササユリの道を向半四郎へ向かった。少し下ると向半四郎のジグザグが鮮明に見えるようになる。30分ほどで向半四郎。

 目前に京ツカ山があるが、判別しにくい。コアカ谷を辿って京ツカ山と分かる。京ツカ山は東側から見ても分かりにくい。京ツカ山の名付人は、周辺を歩き慣れた人だったと思われる。京ツカ山北のジョシ谷を詰めても登れそうだ。山頂周辺のヤマツツジはもう終わりかけている。鈴ヶ岳へ延びる尾根と分かれて、登山口の広見林道へ下った。長いスギ林を下って、水田跡の石垣が現れ、やっと登山口へ出た。あんまり暑いので、シロワラビ谷で休憩し、体中に冷たい水をかけまくった。

林道のジムグリ
モリアオガエルの卵塊

 砂利の広見林道を上がった。砂利道は歩きにくい。小屋を過ぎたところで、林道にヘビが出ていた。林に戻そうと少し突付いたが動かない。林道のコンクリート壁の穴にモリアオガエルの卵塊があった。産卵場所は枝だけとは限らない。おしどり橋を渡った先で駐車していた人が、この先はどこに出るのか聞いてきた。恐羅漢山へ出ると言うと、行ってみたいので道を教えてくれと。

クマの糞

 コアカ谷、オオアカ谷を過ぎて橋を渡ると、大阪営林局の標柱の後に小屋跡があり、その先に踏み跡が山へ続いている。ノノハラ谷へ入る踏み跡のようだ。半四郎山登山口から1時間半で広場になっているハゲノ谷分岐へ到着。ハゲノ谷に沿う林道は倒木が多く、茂っている。途中、ヤマザクラの実を食べたようなクマの糞があった。このあたりはクマの通り道のようだ。
 ハゲノ谷左谷を渡り、スギ林を通ってハゲノ谷右谷を渡ると、しばらくスギ林が続くが、スギ林が開けると巨大なトチノキが姿を現す。匹見町教育委員会の標柱では周囲8.5m、樹高25m、推定年齢450年で、匹見町指定の天然記念物になっている。昨年の台風で折れた大きな枝が転がっている。昔から近隣に名の知れた巨木だったようだ(「西中国山地」)。

マムシ

 ハゲノ谷左谷に沿ってピンクのテープが下がっている。それに沿って上がると、広見林道終点に出る。林道から山道へ入ると、早速、今年初めてのマムシが迎えてくれた。尾を震わせて威嚇する。早々に退散した。30分ほどでカマノキビレ先の尾根分岐に出た。山道に新しいクマザサが伸びている。尾根分岐から40分で、ようやく旧羅漢山へ到着。大岩の上に立つと、広見山方向は霞んでシルエットだけになっている。周辺のオオヤマレンゲはもう終わりのようだ。大岩を伝って下へ降り、最後の花をカメラに収めた。
 恐羅漢山に着いたのが午後6時20分、今日は暑かったせいか大分くたびれた。立山尾根から牛小屋までの下りが長かった。

オオヤマレンゲ 旧羅漢山


 恐羅漢側から広見山へのアプローチは長い。亀井谷からジョシのキビレを経る道のほかに、旧羅漢山から三本栃へ下る道がある。カマノキビレ手前から道は尾根を外れ、広見林道終点に出る。林道を下ると、広見山登山口の道標のある分岐に出る。ここからミチガ谷に沿う、しっかりした道がある。昔はカマノキビレを通ってジョシノキビレへ抜ける道があったが、この道は大分茂っている。

 恐羅漢山、旧羅漢山、カマノキビレ、ジョシノキビレ、ジョシ谷、亀井谷、台所原、恐羅漢山の周回コースは、ヤブあり、谷あり、ブナの原生林ありの健脚向きの面白いコースだろう。

カシミールデータ
総沿面距離23.9km
標高差709m

アサガラ

区間沿面距離
牛小屋
↓ 4.6km
台所原
↓ 1.0km
33曲り
↓ 1.2km
ジョシ谷
↓ 1.1km
ジョシのキビレ
↓ 1.5km
広見山
↓ 1.5km
半四郎山
↓ 0.8km
向半四郎
↓ 1.9km
半四郎山登山口
↓ 5.2km
三本栃
↓ 2.2km
旧羅漢山
↓ 0.9km
恐羅漢山
↓ 1.6km
牛小屋

 

右が管理林道へ

天杉山 野田原の頭
中川山南面の白骨林

中ノ甲林道

33曲りへの樹林帯

亀井谷 石垣付近

亀井谷 デミセ谷付近

分岐入口の小滝

イヌトウバナ マムシグサ
コナスビ ニガナ

ジョシのキビレ

広見山頂上の道標
半四郎山 先は向半四郎

春日山 半四郎山から

京ツカ山 向半四郎から

鈴ヶ岳へ延びる尾根 向半四郎から

ウリノキ ショウキラン
ナルコユリ ヤブレガサ
半四郎山登山口
スギ林の広見林道
大阪営林局標柱 踏み跡が山へ続く
三本栃
ササが伸びる山道
霞むサバノ頭 恐羅漢山から
 
ヤマウルシ オカトラノオ シロバナニガナ ツルアリドオシ ウツボグサ
ミヤコグサ ヤグルマソウ ユキザサ バイケイソウ サワギク
オククルマムグラ アマドコロ イワガラミ アカショウマ クロモジ

左から 十方山 焼杉山 ボーギノキビレ バーノキビレ 広見山から
                     恐羅漢山       旧羅漢山                           十方山 焼杉山       ボーギノキビレ バーノキビレ      広見山から
            1168峯      コアカ谷                京ツカ山                                           1158峯      向半四郎から
三本栃
登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)
 
「ツキノワグマが殺されない為に」ホームページから(http://www.geocities.jp/moonneck/index.html)

ツキノワグマの食べ物の種類 西日本
3月 ミズナラ・クリ・残飯
4月 ミズナラ・クリ・ブナ・残飯・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ
5月 ミズナラ・クリ・ブナ・チチマザサ・タケノコ・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ・アリ類
6月 チチマザサ・タケノコ・キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ・アリ類・ハチ類
7月 キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ・アリ類・ハチ類
8月 クリ・ミズナラ・コナラ・キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ・アリ類・ハチ類
9月 クリ・ミズナラ・コナラ・キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・シシドウ・ヒメザゼンソウ・オオウバユリ・ウワバミソウ・イラクサ・セリ・アリ類・ハチ類
10月 クリ・ミズナラ・コナラ・キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・カキ・ハチ類
11月 クリ・ミズナラ・コナラ・キイチゴ類・サクラ類・ミズキ・マタタビ・サルナシ・カキ
12月 クリ・ミズナラ・コナラ・残飯
1月上旬 クリ・ミズナラ・コナラ・残飯