山歩き

クロブチ谷…市間山…立岩山…日の平山 2005/6/4
那須分岐…クロブチ谷…市間山…立岩山…日の平山…オオズエ谷…立岩貯水池東岸…立岩ダム…県道…那須分岐

■市間山(イチマヤマ)1108.8m:広島県筒賀
■立岩山(タテイワヤマ)1135.0m:広島県筒賀
■日の平山(ヒノヒラヤマ)1091.4m:広島県吉和

クロブチ谷落ち口

クロブチ谷入口

サワグルミ
クロブチ谷分岐付近
スギ林
スギ林のクロブチ谷
市間山

 2.9mブナ

登山道のブナ

十方山

押ヶ垰集落 山頂から
カマツカ ヤマウルシ
ネコノメソウ オヘビイチゴ
オオズエ谷への降下地点
オオズエ谷

オオズエ谷 カツラの巨木

右瀬戸谷川 左吉和川
立岩貯水池東岸の道
サワハコベ オククルマムグラ
ツリバナ ウツギ
立岩貯水池 竹林から
立岩貯水池 奥は大谷川
水田跡の石垣
タケノオク谷に架かる橋
左奥が境谷
5:45出発 晴れ 気温15度

6:50分岐 町有林看板
7:15分岐
8:10ハチガ谷の頭分岐
9:15市間山

那須分岐から見たクロブチ谷


サルメンエビネ
カモガヤ

 那須分岐から県道を南へ進み、高圧線鉄塔のあるスギ林を抜けて太田川に下りた。対岸にクロブチ谷の落ち口がる。少し下流に打梨発電所がある。砂地に足跡が残っているので、釣り人が入っているようだ。おそらく那須川を遡上したのだろう。落ち口左側に石垣があり、発電所からクロブチ谷へ道があるようだ。川を渡り、谷の急な入口を登ると、右岸から道が入っていた。

「ハチガ谷の頭へクロブチ谷より植林径がつけられていたが、現在上部は消えている」(「西中国山地」)。

 谷は岩で埋まっている。少し登るとコンクリートの塊があった。堰堤があったようだが、岩で押し流されたのか、痕跡がまったくない。谷はサワグルミが多い。道は右岸に続いているようだ。道には、古くはない丸太が架けてあったので、この道はまだ利用されているようだ。

サンインマイマイ?
ミヤマシキミ

 出発から30分ほどで、向イ山町有林の看板のある分岐に出た。このあたりは向イ山と言うようだ。植栽面積43ヘクタール、植栽年度昭和30−35年とある。看板の横のスギを測ってみると、直径30cmほどだった。植栽から半世紀が経過しているので、年に数ミリ成長している。分岐を左へ進むと滝が連続する。カタツムリの殻が落ちていた。殻の高さが高いサンインマイマイのようだ。ミヤマシキミが青い実をつけている。ほどなく谷が分岐。右へ進んだ。左の谷はハチガ谷へ延びる尾根に出るようだ。登るに連れて、谷をスギ林が迫ってくる。

市間山
サワガニの殻

 昨年は、どの谷へ入っても、点々とクマと思われる食痕が残っていたのだが、今年はほとんど見当たらない。クマが居なくなったのだろうか。茶碗の欠けらが落ちていた。山師が落としたものか。ニシキマイマイの殻やサワガニの殻があった。サワガニは1000m付近で随分高いところに居る。水源部に入り、スギ林を登る。頂上まで200m付近でスギ林を抜け、サワグルミ、ブナなどが現れ、ササ帯に入る。ハリギリの太い木が、鋭い棘で待ち構えていた。ササを掻き分けて山頂へ出た。

 クロブチ谷周辺は大木も残っておらず、伐採し尽された山のようだ。危険な所もなく、頂上の下100mほどのササ漕ぎがあるくらいで、市間山への登路として十分使えるだろう。

「市間山の山名は『芸藩通志』(1825年)に見られる。『戸河内森原家手鑑帳』(1715年)には清水山(セイズイ)の名が見える。市間山は布原、馬越、上田吹あたりの呼称であるようだ」(「西中国山地」桑原良敏)。

10:35立岩山
11:25日の平山

立岩山
イワカガミ

 林で市間山から展望はない。少し休憩して立岩山へ進んだ。雪道では展望のある尾根道だったが、茂った木々で展望はない。1071標高を少し過ぎたところで、大きなブナを計測してみた。周囲2.9m。登山道にブナの大木が倒れていた。1時間余りで立岩山。イワカガミはもう終わっていた。山頂はベニドウダンが満開。ほかにヤマツツジ、ヤマウルシ。今日は霞がほとんどなく展望が良い。三ツ倉から十方山頂へ延びている尾根がクッキリ見える。その向こうに、十方山南西稜の山腹を縫う下山林道の白い線。市間山稜線と三段峡の向山、深入山。先週歩いた那須と押ヶ垰を結ぶ断層線とケルンバットなどなど。貯水池の島の南側が干上がっており、水量が大分減っている。

オカタツナミソウ

 「松落葉集」(1768年)第三稿で削除された三合堂の詩がある。

 動きなき立岩山の数寄屋炭
 焼にし人は名のみ残りて

大意 立岩山で焼く数寄屋炭は、この焼いた人の名のみ残つて伝わつている。
(広島大学HPから)
 
 立岩山周辺は、昔から炭焼きなど林業が盛んだったようだ。詩に添えられた墨絵には、鋭い岩峰が切立っている。

 日の平山へ進んだ。立岩山から下った鞍部に、立岩貯水池へ下る道があったようだ。
「立岩山南西の主稜鞍部より立岩貯水池のタケノオク谷を降り、水没した二の原の集落へ通じていて、筒賀村と吉和村を結ぶ主要道で村人によく利用されていた」(「西中国山地」)。

ウリノキ


ヤマドリ
日の平山

 前方のササの中で、ガサガサと音がする。メスのヤマドリが、数メートル前の登山道を鳴きながら横切って、右往左往している。やがて林の中へ消えた。大阪営林局の「境界見出標」が落ちていた。日の平山へ近づくと枝で道が覆われ、踏み跡が心細くなる。このあたりは余り歩かれてないのだろうか。1時間ほどで日の平山。林で見通しはない。南側のスギ林の下山路には目印が続いている。西側のブッシュと林の尾根を進んだ。赤テープが残っている。しばらくブッシュと格闘すると、スギ林の踏み跡がはっきりしてくる。日の平山から30分ほどで、オオズエ谷へ降りる地点に到着。

12:00下山地点
14:00オオズエ谷入口
16:30立岩ダム
18:05那須分岐

 スギ林の尾根から急坂をオオズエ谷へ下りた。しばらく下るとトラバース道が北へ続いていた。歩いてみたが茂っているので谷へ降りた。ゼンマイで覆われたスギ林が続く。この谷周辺も伐採し尽されたようだ。若い雑木が多い。サンショウの葉が香る。右岸にときどき踏み跡が現れる。谷にドラム缶が転がっていた。A重油と書いてある。600m付近にサワガニの殻が落ちていた。谷に錆びた鋼のロープが転がっている。オオズエ谷入口手前に周囲5mを超えるカツラの巨木があった。株立ちしているが、下部は相当傷んでいる。2時間ほどで谷を抜けた。

ギンリョウソウ

 オオズエ谷には金属製の橋が架かっていた。制限荷重400kgとある。下流の林の向こうに吉和川の河口が見える。対岸は瀬戸滝登山口で、瀬戸谷川と吉和川が合流している。小谷に木の橋や金属製の橋が架かっている。東側にスギ林が広がっている。しばらく進むと廃屋があった。周囲は竹林で、小屋の中に竹が突き出ていた。その先がコダニの谷。「中国電力所有土地」の看板がある。山へ踏み跡がある。おそらく高圧線鉄塔への道だろう。道の横に「送電線付近の伐採索道設置については先へご連絡下さい」と中電の標柱がある。古いバイクが転がっていた。進むと竹林があり、あちこち掘り返されている。イノシシの仕業だろう。

ミツバウツギの実

 次のフジキ谷から先は道が消えている。石垣が残っているので埋まってしまったのだろう。貯水池へ下り、湖岸沿いを渡って、イヨキリ谷の落ち口付近へ出た。フジキ谷とイヨキリ谷の間に、ところどころ石垣が見えたので道があったようだ。イヨキリ谷を上がって石垣の上に出た。2万5千地図にこの辺りから破線道があるが、幅広の車道だったようだ。しかし、ブッシュで覆われていた。立岩ダムが正面に見え、島があるあたりの道はスギの倒木で埋まっていた。タテイワ谷付近は水田跡や炭焼き釜の石垣が残っており、集落があったようだ。タテイワ谷は涸れている。次のタケノオク谷も涸れていた。上部はスギの植林帯で水持が悪いのかもしれない。境谷は水量は少ないが流れていた。境谷は貯水池から山へ深く入り込んでいる。

ウリノキに留まるサンインマイマイ?

 やっとダムへ到着。貯水池東岸の道は誤算だった。オオズエ谷入口から2時間半かかった。県道から東岸を見ると、道が続いているように思え、1時間もあれば十分と思っていた。もう何十年も人々が通っていない道なのだろう。ダムから県道を歩き、1時間半で那須分岐へ帰着。

押ヶ垰集落
カキノキの花
コアジサイ
カツラの巨木



カシミールデータ
総沿面距離16.7km
標高差741m

ナガバモミジイチゴ

区間沿面距離
那須分岐
↓ 2.3km
市間山
↓ 2.1km
立岩山
↓ 1.5km
日の平山
↓ 2.4km
オオズエ谷入口
↓ 4.2km
立岩ダム
↓ 4.2km
那須分岐


立岩山 押ヶ垰から

太田川上流 那須橋

谷の入口上部
分岐の看板とスギ

クロブチ谷

クロブチ谷

スギの境界付近

尾根道

倒れたブナ

山頂のベニドウダン

市間山
日の平山三角点
ハイイヌガヤ クリ
ヤブヘビイチゴ タチシオデ

オオズエ谷

オオズエ谷 サワグルミ

オオズエ谷

スギ林 貯水池東岸
廃小屋
ナツミカン ゲンノショウコ
フタリシズカ サギゴケ
イヨキリ谷左岸の石垣
スギの倒木で埋まった湖岸の道
タテイワ谷
境谷
立岩貯水池 ダムから
シロツメクサ ナルコユリ オカタツナミソイウ ヤグルマソウ オトコヨウゾメ
サイハイラン ツクバネソウ ウリノキ マユミ ガマズミ

クロブチ谷
十方山 立岩山から
押ヶ垰集落(左)と那須集落(右)の間の断層線東側のケルンバット 立岩山から
十方山
登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)
クロブチ谷から市間山への登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)