山歩き

十方林道…細見谷 2005/4/16
二軒小屋…十方林道…祠…細見谷…下山橋…十方林道…二軒小屋

十方林道入口

水越峠

ケンノジ谷
細見谷 ナメラ渕
キチダイゴヤ
ヒキガエルの産卵場

 十方林道長者原

ワサビ

 ノブスマ谷

カネヤン原中ノ谷
十方林道 祠
細見谷 祠下付近

アマゴ

細見谷 タキワケ谷手前
ネコヤナギの若い雄花
五月谷付近
ナシノキ谷
ワサビ田 ケヤキ原上
ブナ 長者原
長者原上
7:35出発 晴れ 気温4度

8:25水越峠
9:25下山橋
11:40十方林道祠

鎖止めの柱

 釣り人が二人、横川川を上がって行った。先月の26日には十方林道入口から1mを越える雪があったが、この20日ほどで融けてしまった。内黒峠の下りから見たスキー場の雪もほとんどなくなっていた。十方林道を上がって行くと、日陰にはまだ雪が残っている。民家の雪も残っていた。横川川右岸にある石垣の道は古道なのだろうか。道に薄い氷が張っていた。十方山登山口を過ぎて水越峠付近まで、道はまだ雪で埋まっている。1時間ほどで水越峠。消えかけた踏み跡が幾つか残っていた。峠から焼杉山が見える。峠を少し過ぎて右にカーブすると、昔、鎖止めに使ったと思われる、朽ちかけた柱と錆びた鎖が両側に残っていた。今まで何度も通っているが、見過ごしていた。
 押ヶ峠には十方山林道開通の記念碑が建っており、昭和26年4月着工、28年11月竣工となっている。その頃からの鎖止めなら52年が経過している。

 

 水越峠を下ると、アチコチにフキノトウがたくさん頭を出していた。ケンノジ谷の雪は残っている。林道の水溜りにヒキガエルがタマゴを生んでいる。スギの植林帯を抜けるまで雪が残っていたが、その先はほとんどなかった。「軟弱地盤解析」と書かれた地盤調査のポールが数多く埋められている。ガケ崩れが多くて地盤が軟弱で、ヒキガエルの産卵場でもあるところに大規模林道を通す必要はないと思うのだが。細見谷西の源流のケンノジ谷、東の源流コムギ谷を通り、シモコムギ谷を少し下るとナメラ渕がある。その渕の前後に焼杉山から落ちるナメラ渕上ノ谷、下ノ谷がある。ナメラ渕の次はキチダイゴヤの谷。平成10年に建設された「第一号谷止」のコンクリート堰堤がある。倒れたミズナラの大木が切断されていた。尾の長いヤマドリが多い。

ヤマドリ


シジュウカラ

ヤマネコノメソウ
スズシロソウ?
テングチョウ

 水越峠から1時間ほどで下山橋。日当たりの良い開地にネコヤナギがたくさん芽を出していた。20日前、下山橋は雪で覆いつくされていたが、今はその痕跡さえない。下山橋は昭和52年11月竣工している。下山橋の先は山が崩れて岩が転がっていた。その先はマゴクロウ谷。二軒小屋からボーギノキビレを越えて広見へ抜ける往還道だった。細見谷は案外昔から人々の行き来があったのかもしれない。吉和の木地師はロクロ谷から良材を求めて細見谷へ入っている。押ヶ峠は昔から知られていたようだ。二軒小屋から押ヶ峠、御境、匹見へ抜けていたのかもしれない。小鳥が頭の上で歌っている。チョウだろうか、舞っている。長者原手前にタモ網が落ちていた。もうここまで入っている釣り人がいるようだ。十方林道七曲は除雪されたのだろう。

ヒキガエルのタマゴ


くトビ

カエルの死骸
カエルの骨

 突然、トビをひと回り大きくした鳥が飛び上がった。この辺りに多いクマタカだろうか。デジカメの写りはこの程度が限界。飛び上がった辺りへ入ってみた。そこは山から流れてきた水が溜まって湿地帯のようになっていた。水溜りに、細長い寒天のようなヒキガエルのひも状のタマゴが何万とからみあっていた。周辺のヒキガエルの産卵場のようだった。その近くに頭と皮とハラワタが少し残ったヒキガエルの死骸があった。トビは食事の最中だったようだ。林道には鳥の白い糞の横にヒキガエルの骨も転がっていた。林道もヒキガエルの産卵場になっていた。アチコチの水溜りに卵を産み付けていた。トビは雪解けを待っていたようだ。

下の谷道標 

 長者原中ノ谷に「下の谷」と書かれた古い道標が残っている。先月、京ツカ山からの帰り、1168標高から細見谷へ降りる尾根を下り、「西中国山地」では「中ノ谷」のはずが、道標は「下の谷」になっている。谷を確認しながら歩いてみた。上ノ谷と中ノ谷の間に谷があり、それが「中ノ谷」のようだ。中ノ谷の南には小谷があったが、谷と呼べるほどのものはなかったので間違いないだろう。古い「下の谷」の道標が正しいと思われる。「中ノ谷」は一つ北へズレル。長者原には、かつてカラマツの森があり、森の中を電柱が立って電線が延びていた。細見谷に幾つかあった作業小屋の電気や木材運搬の動力に使ったのだろう。左岸にあるワサビ田を過ぎるとケヤキ原。ミズナラの大木にクマ棚が残っていた。

赤土谷道標 

 ケヤキ原には作業小屋の基礎が残っている。古いドラム缶や一升瓶が転がっていた。林道沿いの湿地に天然のワサビが育っていた。ところどころ枝が折れて道を塞いでいる。京ツカ山登山口のトリゴエ谷手前の対岸の赤土谷に古い道標が残っていた。道標が残っているのは長者原下ノ谷と二つだけのようだ。昔は主な谷に道標があったのかもしれない。

 トリゴエ谷のすぐ先がノブスマ谷。「ノブスマ谷というのは、ムササビの多い谷の意という」(「西中国山地」)。木地師が呼んでいた谷のようだ。ノブスマ谷とカネヤン原中ノ谷には、放置されたワサビ田が残っている。今の時期、冬眠から覚めたクマがワサビの葉を食べに来ているかも知れない。
 マウンテンバイクが突っ走って行った。七曲は除雪されているようだ。まもなく数台が通り過ぎていった。ヒキガエルの卵を踏み潰さなければ良いが。カエルに成長するまで通行止めにしたらどうか。雪で抜けられないのだろう、バイクが引き返したきた。アテツマンサクが少し残っている。

古い電柱

 カネヤン原にも作業小屋の跡が残っている。ここは朽ちた柱が残っているので、細見谷では最後に建てられたものだろう。20年以上前にここを通った時、まだ建物が残っていた記憶がある。案内板の朽ちた柱がまだ残っていた。カネヤン原の林道の横のササの中に古い電柱が放置されていた。十方林道に沿って立っていた電柱の一つかもしれない。十方林道祠手前のガケを見上げると、七曲のガードレールが見える。十方林道を塞いでいるスギの倒木はまだそのままだった。車はここまでしか入れない。祠のドウダンツツジに似たアセビの白い花は満開で、その向こうに細見谷の春の流れが輝いていた。祠付近に落ちてきた大岩は転がったままだった。水越峠から3時間半。

15:45下山橋
16:25水越峠
17:10二軒小屋

オシドリ 

 祠右横から細見谷へ降りた。径は細見谷堰堤上部とオシガ谷落ち口付近に出る。黒ダキ山から十方尾根を通る営林署の見廻り径は堰堤付近に出るが、消失している。細見谷を遡上した。水は冷たい。谷の気温は16度、水温は7、8度。温度計を浸けたので精確ではないが。オシドリのツガイが驚いて上流へ飛んだ。オスは派手な色だが、メスは地味で黒っぽい。左岸に落ちるシダワラ谷、ヘイフリ谷の落ち口は小さい。細見谷下流のオオリュウズを越えると、谷は穏やかになるが、堰堤を過ぎるとさらに穏やかになる。瀬にアマゴが出ていた。砂地に釣り人の足跡が残っている。谷に錆びた鋼のロープがたくさん落ちている。伐採した原生林の運搬に使ったものだろう。

 同じオシドリがまた飛び立った。オシドリの追っかけをしているようだ。2、300m先で待っている。追っかけは下山橋まで5kmも続いた。ネコヤナギが紅色になって、渓流の春を知らせている。五月谷の落ち口はササで分かりにくい。下山林道峠西から谷を降りると五月谷へ出る。サワグルミの大きな木があった。サワグルミは細見谷下流に多い。ケヤキ原のワサビ田はオバコ谷の水を引いているようだ。柵越にワサビ田を覗いてみた。まだ葉が小さく、今から成長するようだ。段々畑のように上から水を流している。ワサビ田の少し上は小堰堤になっている。堰堤付近までワサビ田の柵があった。細見谷本流には、立野、オシガ谷とここの三ヶ所に堰堤がある。

クマタカでなくトビ

 長者原に入ると谷が広くなり、川は分かれたり、一つになったり複雑になり、氾濫原を形成している。空を見上げると、トビが四羽舞っている。獲物を探しているようだ。下山橋へ到着。祠から4時間ほどかかった。ここから林道へ上がった。雪道までマウンテンバイクの轍が残っている。足跡があったのでバイクを押して引き返したようだ。ケンノジ谷へ曲がらず、真っ直ぐにスギ林の中を登り水越峠に出た。旧羅漢山入口や十方山登山口に踏み跡があった。下山橋から1時間半ほどで二軒小屋へ到着した。

長者原上ノ谷

ツノハシバミ


カシミールデータ
総沿面距離19.5km
標高差296m

クロモジ

区間沿面距離
二軒小屋
↓ 2.8km
水越峠
↓ 2.4km
下山橋
↓ 4.8km
十方林道祠
↓ 5.0km
下山橋
↓ 1.7km
水越峠
↓ 2.8km
二軒小屋

古道の石垣

焼杉山
十方林道

ナメラ渕下ノ谷

下山橋

確認した長者原中ノ谷

クマ棚

細見谷 ノブスマ谷付近

カネヤン原の朽ちた案内板

アセビと細見谷 十方林道祠
細見谷堰堤上部と右はオシガ谷落ち口

シダワラ谷

細見谷 カネヤン原

タキワケ谷
赤土谷
ケヤキ原付近
サワグルミ ケヤキ原
堰堤
川は三つに分かれる 長者原
下山橋
ネコノメソウ ヤマブキ オオバヤシャブシ ナガバモミジイチゴ ミヤマキケマン

細見谷 十方林道祠から
細見谷 ケヤキ原
長者原
恐羅漢山
立岩山 内黒峠から
登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)