山歩き

ナガオのオカ…奥三ツ倉…十方山 2005/2/5
立岩ダム…ナガオノオカ…奥三ツ倉…十方山…十方山登山道分岐…1085峯…712峯…立岩ダム

■十方山(ジッポウザン)1318.9m:広島県吉和
■奥三ツ倉(オクミツクラ)1317m:広島県戸河内

トンネルのツララ

尾根道

急なスギ林
十方山稜線 展望岩から
展望岩

 十方山登山道の三ツ倉

 ブナ

ブナ
登ってきた尾根と立岩山
十方山 奥三ツ倉から

奥三ツ倉

十方山登山道分岐
凍った立岩貯水池と立岩山
立岩ダム
6:30出発 曇り 気温1度

7:00鞍部
8:25 882峯

 本郷の商店街は除雪されていない。内黒峠入口手前の橋を渡って、県道296号線へ入ると除雪されている。立岩ダムまで除雪されていた。ダム手前のトンネルには天井から大きなツララが下がっていた。ときどき立岩山上空に雲の切れ間から三日月が現れる。

徘徊性のクモ
ユズリハ

 薄明るくなった6時半出発。立岩ダムから県道を少し下ると、吉和との境まで除雪されていた。そこから先は二十数センチの新雪が積もっていた。境からカンジキを履いた。凍った立岩貯水池の向こうに、女鹿平山のスキー場が明るく輝いていた。大谷川左岸手前から取り付き、寺社跡の前を通って534峯西側の鞍部に出た。ここから松林の尾根筋を登って行く。尾根道は吉和と戸河内の境になっている。

 7、8mmのクモが雪道を少し動いてはじっとしていた。先日、十方山登山道に居たのと同じ種類で、少し小さい。冬でも活動する徘徊性のクモのようだ。調べて見たが、クモの種類は余りに多くよく分からない。ユズリハが雪の中から葉をだしている。

 Webで検索すると、「積雪上で採集されたクモ」(新海明)という論文があった。1992年から1999年、北海道から岐阜県まで1道10県、11月から3月の積雪上で徘徊していたクモを今野、薄葉の両氏が採集し、13科29種309個体を確認、新海氏が分析した。
 積雪上から採集されたクモの科構成は、多い順にサラグモ科、ガケジグモ科、コモリグモ科だった。徘徊していたクモばかりを採集したのに、意外にも造網性の種類が264個体だった。なぜ厳冬期の雪上でクモが活動しているのか。積雪上ではトビムシ・カワゲラ・キジラミ・ガガンボなどのクモの餌となる昆虫が結構多いという。しかし積雪上をクモがなぜ徘徊するのか、謎はまったく未解明だそうだ。
 それにしても、純白の積雪上を多くの生物が活動していることを初めて知った。小昆虫がクモを呼び、クモを目当てに大型の昆虫やネズミ、小鳥などが集まっているのかもしれない。

 しばらく登ると、右はスギの植林帯。押ヶ垰集落が林越しに見える。雪が深くなり、膝まで埋まる。傾斜が急になると滑って、枝を掴まないと登れない。ノウサギが横切っている。高くなるにつれ、大きなブナが現れる。時々日が射すが、曇っていることが多い。ヤセ尾根では十方山から強い風が吹き抜ける。その尾根道はバリバリに凍って埋まることはない。古い目印が残っていた。

10:00キリイシのタキ(展望岩)
11:20 1125峯
12:30奥三ツ倉

雪道

 取り付きから3時間余りでキリイシのタキのある展望岩に到着。この辺りは十方山登山道五合目の三ツ倉から見ると、大きな岩壁(懸崖)になっている。ここからの眺めは素晴らしいが、十方山からの強風で全体が霞んでいる。凍った立岩貯水池が眼下にあった。風のあたらない岩陰で少し休んだ。アセビが蕾を膨らませている。三ツ倉の稜線がクッキリと見える。

「吉和村と戸河内町の境界尾根となっている奥三つ倉の南尾根を、押ケ垰ではナガオのミネと呼び、下山ではナガオのオカと呼んでいる。『手鑑帳』(1710年)には、切石の尾とある。ミネ、オカまたはオという地形方言は、尾根の意であることは論をまたない。この尾根にある切石の懸崖(タキ)、カヤノガ峠の名は、『手鑑帳』にも記されている古い地名である」(「西中国山地」桑原良敏)。

 1125峯手前の西面に壮年のブナが数十本まとまって林立していた。まだ大きく成長するだろうが、十方山からの強風をまともに受ける位置にある。隣のブナに倒れかけているのもあった。1125峯は林で展望はないが、奥三ツ倉が見える。600mほどの距離。樹氷が美しい。内黒峠からの稜線との分岐に到着。出発から6時間で奥三ツ倉。十方山の道標の柱が見える。風に乗って恐羅漢スキー場のアナウンスが時々聞こえた。

13:30十方山

 十方山側へ下った。広い鞍部に入ると、雪の森で方向感覚がわからなくなる。何度も通っている道なのだが。黙々と南西に向けて歩いた。論所辺りの窪みを過ぎると上りになる。雪原に突然柱が現れ、奥三ツ倉から1時間で十方山に到着。ときおり突風が吹き、東側は霞んでいる。瀬戸滝への登山道を下った。西側は展望がない。西風が強く、寒い。ケルンが雪の上に出ていた。強風で雪が飛ばされ、積もらないようだ。ケルンから数十メートル先の昭和59年遭難碑が見当たらない。雪の下のようだ。ケルンから僅かしか離れていないのに、2m以上の積雪だろう。

猛禽類の食事痕

14:30登山道分岐
14:45 1085峯
16:30 712峯
16:50県道
17:15立岩ダム

 ときどき現れる京ツカ山や黒ダキ山を見ながら下った。東面に下ると、嘘のように風が止む。十方山から1時間で登山道分岐。右に降りると瀬戸滝登山口。左の尾根を下りた。登ってきたナガオノオカが左手に間近に見える。展望岩も確認できる。大谷川右岸へ降りる尾根筋を見ながら下った。

ヤドリギ

 1085峯は展望がない。ヤドリギに透明な丸い、秋の実が残っていた。枝に積もった雪に鳥の毛が散らばっていた。食事の痕のようだ。小さな鳥の毛のようだ。タカなどの猛禽類かテンに捕まったのだろうか。古い目印が残っていた。712峯まで降りると県道はすぐ真下。急なスギ林を滑るように下った。スギの雄花が橙色に膨らんでいる。今年は花粉が多いのかもしれない。大谷川右岸の県道に出た。十方山から3時間。大谷川を挟む稜線を周回したことになる。そこから20分ほどで立岩ダム。

 行きはまだ暗くて見えなかった押ヶ垰集落を通ると、地元の人が犬を散歩に連れていた。大谷川の入口付近から押ヶ垰、那須へ押ヶ垰断層が通っている。534峯は南端の断層丘陵で、那須に向かって5つのケルンバットがある。押ヶ垰集落は太田川沿いの戸河内最奥の集落で、川を隔てて清水(セイズイ)集落があり、市間山は昔、清水山と呼ばれていた(「西中国山地」)。少し下ると坂根集落入口。雪の中に家々が点在していた。那須への道は除雪されている。


カシミールデータ

総沿面距離9.1km
標高差810m

区間沿面距離
立岩ダム
↓ 2.5km
展望岩
↓ 0.7km
1215峯
↓ 0.6km
奥三ツ倉
↓ 0.8km
十方山
↓ 1.5km
分岐
↓ 2.4km
県道
↓ 0.8km
立岩ダム

 

凍った立岩貯水池とメガヒラスキー場

押ヶ垰集落
ブナ

立岩山 日の平山 展望岩から

アセビ

十方山

奥三ツ倉 1125峯から

樹氷

奥三ツ倉
十方山

立岩ダムへの下りの稜線

キリイシのタキ

大谷川
坂根集落
立岩貯水池 立岩山 日の平山 展望岩から
十方山
樹氷
断層上にある押ヶ垰集落 断層丘陵(ケルンバット)の669峯と断層鞍部(ケルンコル) 立岩ダムから
登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)