山歩き

ボーギのキビレ…三本栃…恐羅漢山 2004/11/13
二軒小屋…十方林道…マゴクロウ谷…ボーギのキビレ…広見林道…ハゲノ谷…三本栃…旧羅漢山…恐羅漢山…二軒小屋

■ボーギのキビレ(横川越)1020m:広島県吉和
■恐羅漢山(オソラカンザン)1346.4m:広島県戸河内
■旧羅漢山(キュウラカンザン)1334m:広島県戸河内

水越峠

十方林道

 十方林道と細見谷 マゴクロウ谷入口から

 マゴクロウ谷

ボーギのキビレ 京ツカ山方向

トチノキ ボーギのキビレから下り

オオアカ谷 広見林道から

 広見林道

広見川
石積跡
林道とハゲノ谷

ハゲノ谷

ブナ 旧恐羅漢山手前

臥龍 深入 大箒 サバノ頭 恐羅漢山から

7:25出発 晴れ 気温6度
十方林道

マムシグサ

ミズナラ

8:10水越峠
9:05マゴクロウ谷

 恐羅漢公園線は11月25日まで通行止めと表示してある。出発の準備をしていると、乗用車が来て「吉和へ出れるか」と聞いてきた。大規模林道が吉和へ通じていると思ったらしい。林道が舗装されれば交通量が増えるに違いない。
 石ごろの十方林道を出発。シシガ谷の十方山登山口を通り、旧羅漢山登山口を過ぎて、登りきったところが水越峠。細見谷源流ケンノジ谷の急カーブを過ぎると、まもなく十方林道は真直ぐな道になる。ブナ林は日に照らされて輝きはじめた。台風で倒れたミズナラが切断されて転がっている。
 十方林道は竣工から半世紀が経過した。林道の終点手前の押ヶ峠に林道開通の記念碑が建っていて、昭和26年4月着工、28年11月竣工となっている。この間、原生林は伐採されたが、辛うじて、細見谷渓畔林が残った。今また林道が舗装され、渓畔林が失われようとしている。

下山橋
マゴクロウ谷入口の道しるべ

10:20ボーギのキビレ
11:30広見林道

 下山橋を過ぎると、100mほどでマゴクロウ谷の入口。夏の谷は鬱蒼としていたが、今は葉が落ちて谷を見通すことが出来る。入り口の道しるべには「横川越 恐羅漢山登山口」とあった。恐羅漢山へのルートには、マゴクロウ谷からボーギのキビレへ登り、焼杉山、ケンノジキビレを経て旧羅漢山へ出るが、径は消えており、相当な薮こぎの覚悟が必要である。

ホオズキ

ノイバラ

 入口から10mほど踏み跡があったが、径はすぐに谷へ落ちていた。右岸、左岸のところどころに径は残っているが、倒木とブッシュで歩きにくい。谷歩きのほうが楽なようだ。鞍部手前200mほどで、小谷が分岐する。どちらを覗いても鞍部のように見える。磁石は左へ行けと命ずる。目印のテープは間の尾根にある。目印に沿って登ると、すぐに猛烈なササ帯になった。磁石の言うとおり、左へトラバースして谷筋を登った。鞍部手前にブナの大木があった。1時間余りでボーギのキビレに初めて立った。峠には細長いブナがあった。焼杉山へも京ツカ山へも、ササがびっしりと覆っている。オオアカ谷はスギの植林帯になっている。

アキノキリンソウ

ツルリンドウ

 「マゴクロウ谷より広見のオオアカ谷へ越す広島・島根県境の峠はボーギのキビレと呼んでいる。最近の国土地理院の地図には横川越となっているが、これは広見側の呼称であろう。宮本常一氏は、昭和一四年十一月三十日に横川二軒小屋より水越峠とこの県境の峠を越えて広見へ抜けている。……一般に国境の標示には木柱が使われていた。村人はこれを榜示木とか榜木(ボーギ)と呼んでいた。榜木峠、棒木峠という名の峠はかなりある」(「西中国山地」桑原良敏)。ネットで傍示木≠検索するとかなりヒットする。

 ボーギのキビレは標高1020m、高津川水系広見川と太田川水系細見谷の分水嶺になっている。ボーギのキビレは県境へ抜ける重要な道だった。「わしがはじめて県境の深山(みやま)に入ったのは、昭和29年のことです。広見から、横川越を通って、細見谷へおりて、そして水越峠を越えて二軒小屋へ抜けました。横川越は今は消えかかっていますが、地域の人が大切にしとった往還道だった」(「細見谷と十方林道」田中幾太郎さんに聞く)。

オオアカ谷入口

カマツカ

 ボーギのキビレから下りの径は、スギの林を進む。ブッシュがないので楽だが、暗い湿った単調な道が続く。スギの少し開けたところにトチの大木があった。オオアカ谷の右岸、左岸と渡りながら、目印のテープが続いている。時々、スギが開けたところで径やテープが消失しているが、オオアカ谷へ沿って歩けば、また径が現れる。1時間ほどで広見林道へ出た。オオアカ谷入口の「火の用心」とある吸殻いれに「横川越→」と書いてある。

12:40ハゲノ谷分岐
13:05林道終点
13:20三本栃

 少し休憩して広見林道を上がった。間もなく「水源林をつくる公団造林」の看板がスギ林の中にあった。「水源林」とはスギの植林のことだろうか。公団はスギの植林が水源林をつくると、本気で思っているのだろうか。むしろ、ブナなどの原生林を皆伐して、水源林を破壊してきたのではないのか。公団は2014年まで「水源林をつくる」と看板に書いている。

 オオアカ谷から最初の橋を渡ると、昭和61年度設置の大阪営林局の標柱がある。踏み跡が山へ入っている。七人小屋クビレへの径だろうか。この付近には建物の基礎跡や石積跡がある。炭焼き釜の跡かもしれない。野生化したホオズキが実っていた。かつての住人が植えたのかもしれない。
 次の橋の上で谷を眺めていると、マウンテンバイクが猛スピードで下っていった。挨拶する間もなかった。

 ハゲノ谷の橋を渡ると林道は分岐する。左はミチガ谷を経てジョシのキビレ。先週、ジョシのキビレを下ったが、径はなく谷を下るしかないだろう。右は三本栃を経て旧羅漢山へ出る。ハゲノ谷の林道を上がった。林道はハゲノ谷本谷へ入るところで終わり、径は谷を渡ってスギの植林帯に入る。ケンノジキビレから落ちるハゲノ谷右谷を渡ると七百メートルほどで三本栃。さすがに大きい。周囲を回って写真を撮った。匹見町教育委員会の標柱では周囲8.5m、樹高25m、推定年齢450年で、匹見町指定の天然記念物になっている。台風で三本栃の枝が折れていたが、それだけでも大きなトチノキほどあった。根元にある一番大きなサルノコシカケの直径を計って見ると1.4mあった。

三本栃 サルノコシカケ

 「三本栃は眼高周囲一〇メートル近くあり、大人が手をつなげば五、六名が必要である。昔から近隣に名の知れた巨木であることは論をまたない」(「西中国山地」)。

14:30三本栃分岐
15:10旧羅漢山
16:00恐羅漢山
17:20二軒小屋駐車場

 三本栃の横にある踏み跡を登ると、まもなく径はなくなる。上は急な崖になっており、スギ林のある左へトラバースした。ハゲノ谷左岸のスギ林の谷径を進むと小さな鞍部に出た。鞍部を越えるとトイシ谷に沿ってある林道の終点だった。そこからカマノキビレ付近の尾根へトラバース径が続いていた。先週、尾根から降りかけた径だった。ほどなくカマノキビレ近くの尾根に到着。分岐からは旧羅漢山へ緩やかな尾根径が続いている。
 旧羅漢山からの展望は素晴らしかった。西側は広見山、半四郎山、旧羅漢山からジョシのキビレへの尾根と亀井谷。南側の五里山への稜線や冠山は逆光で少し霞んでいる。
 恐羅漢山からは、北に臥龍山、深入山、大箒山。西の眼下に彦八の頭 カザゴヤキビレ。

スキー場のアナグマ

 立山尾根を下ってゲレンデに出た。二軒小屋に向かってゲレンデをトラバースしていると、100mほどさきで動物が動いていた。タヌキのように見える。側溝の穴から出たり入ったりしている。そっと近づいて10mほどのところからカメラに収めた。調べてみると顔つきからアナグマだった。スキー場に巣を作っているようだ。

細見谷

細見谷 下山橋から

マゴクロウ谷入口

ブナ ボーギのキビレ手前

ボーギのキビレから下り

広見林道 出口付近

広見川

広見山 広見林道から

左 ミチガ谷 ジョシのキビレへ 右 三本栃へ

 三本栃

旧恐羅漢山手前

広見山 旧恐羅漢山から

彦八の頭 カザゴヤキビレ 恐羅漢山から
 

スミレ

ブナ

ウリカエデ

ノアザミ

コウゾリナ

クロモジ

カシミールデータ
総沿面距離
17.8km
標高差630m

区間沿面距離
二軒小屋駐車場
↓ 2.7km
水越峠
↓ 2.4km
マゴクロウ谷
↓ 0.8km
ボーギのキビレ
↓ 1.9km
オオアカ谷
↓ 2.3km
ハゲノ谷分岐
↓ 1.3km
三本栃
↓ 1.0km
三本栃分岐
↓ 1.1km
旧羅漢山
↓ 4.3km
牛小屋駐車場

 
三本栃 手前は折れた枝
春日山と亀井谷 手前はカマノキビレ 旧羅漢山から
                半四郎山                           広見山                                  春日山
十方山上空2992mから撮影 カシミール3D(ランドサット衛星画像ETM<2002/5/25>+50mメッシュ 16mm画角93°カメラSTD)
登路(黒線は緯線経線 間隔1分 WGS84 青線は磁北線)